2023年9月1日、日本最強カレーチェーン店「CoCo壱番屋」にて『マッサマンスパイスカレー』の販売が始まった。価格は1人前980円、一部店舗を除くココイチで期間限定で発売される。

「世界一美味しい料理」とも称されるタイのマッサマンカレーと、ココイチのスパイスカレーの組み合わせは、どう考えてもウマいハズ。というわけで、発売直後の『マッサマンスパイスカレー』を味わってきたのだが……。

・最高品質、スパイスカレーシリーズ

あたり前すぎて今さら申し上げるのも気が引けるが、ココイチの「スパイスカレーシリーズ」の完成度は生半可なレベルではない。シーズンごとに「チキン」や「夏野菜」などと味は切り替わるものの「その全てが絶品」と断言していいだろう。

なぜなら “スパイスカレー” の名の通り、豊潤なスパイスの香りがとにかくスゴイ! 世の中に「まずいカレー」はほぼ存在しないが、ココイチのスパイスカレーほど突き抜けたカレーもさほど多くないハズだ。

しかも今回のテーマが「マッサマンカレー」と来れば、これは100パーセント……いや、120パーセント最高に決まっている。世界一美味しい料理とも言われるマッサマンカレーを、ココイチはどう仕上げるのか? これほど期待値が高い商品も珍しい。

・レベルが高すぎる

……が、ここで結論を申し上げてしまうと、私には『マッサマンスパイスカレー』を味わう資格が無かったのかもしれない。というのも、マッサマンスパイスカレーはあまりにも複雑で、あまりにも高貴な味過ぎたからである。

ココイチによれば「シナモンやクローブの芳醇な香りとココナッツミルクの上品な甘さとともに、唐辛子や生姜などのじんわりとした辛さを感じるカレー」とのことだが、私がわかったのはせいぜい「ココナッツミルク」くらいであった。

その他のシナモン・クローブは全くわからなかったし、辛さの理由が唐辛子なのか生姜なのかまではよくわからず。あまりにも複雑なスパイスの味わいに「私レベルの味覚では追いつけなかった」というのが正直なところだ。

1点気になったのは、奥の方にある ほろ苦さ。普段カレーを食べていても気付かない風味だったため、やや「なんの味だ、これは?」と気になったことが、無邪気に「カレーおいしーーーー!」と喜べなかった理由かもしれない。

・3000円の味

……が、それでも『マッサマンスパイスカレー』は、今まで味わってきたカレーの中でも最高レベルの高級感をビシビシと放ちまくっていた。冗談でもお世辞でもなく「3000円くらいのカレーの味がした」というのが率直な感想だ。

一方で「いつものスパイスカレーの方が親しみがあって好き」というのが私のファイナルアンサー。カレー道を極めた方や、それこそ自分でスパイスを配合するくらいカレーが好きな方でないと『マッサマンスパイスカレー』の真価には気付けないのかもしれない。

それでも『マッサマンスパイスカレー』は3000円くらいの味がした。無邪気に美味しいと感じるかはさておき、そんじょそこらのカレーでないことは確かだから、興味がある方は是非ご賞味いただきたい。

参考リンク:CoCo壱番屋「マッサマンスパイスカレー」(PDF)
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.