2022年2月2日、東京駅・八重洲南口の地下に「東京カレーカルテット(TOKYO CURRY QUARTET)」というエリアがオープンした。名前の通りカレー屋さんが4店舗集まっている一角で、そのうちの1つが大阪を中心に店舗展開する『コロンビア8(columbia8)』

ご存知だろうか? 有名店なので知っている人は多いかと思うが、東京在住の私は今まで同店のカレーを食べたことがない。そこで実際に味わうべくお店に向かったので、率直な感想をお伝えしたい。

・ココイチ信者の視点

最初に言っておきたいのは、私は基本的にココイチ信者。スープカレーも好きだし、上野の名店『デリー』も好きだが、もっとも通ったカレー店を聞かれたらココイチってことになる。

よってココイチが判断基準となってしまうのだが、そのあたり「まぁしゃーない」とご理解いただければ幸いだ。


・店員さんの案内に従うべし

さて、私が全国のココイチ信者にまずお伝えしたいのは、『コロンビア8』に初めて行くときは店員さんのガイダンスに従えということ。というのも『コロンビア8』の食べ方は独特で、ココイチの流儀がまったく通用しない。

そもそも、注文の時点で違う。わたしのケースを例に取ると、


「初めての方はキーマカレー(税込1000円)かヌードルライス(税込1100円)のどちらかをオススメしています」


──と店員さんから説明された。実は他にもメニューがあるのだが、ビギナーにはまず上の2つからという形らしい。ちょい悩んだものの、今回はキーマカレーをチョイス。そして出てきたのが……

こちらである。スパイスカレーとスープカレーを足して2で割ったようなビジュアル。よくあるキーマカレーをイメージしていたら面くらうな……と思っていたところで、店員さんがひとこと。


添えてある “ししとう” を手にとって、そちらをかじり口の中にほろ苦さがある状態でカレーを召し上がってください


──は? なんだその食べ方は。通(つう)の焼酎の飲み方かよ。もしそんなことをココイチでしたら、マナー違反もはなはだしい。下手したら出禁である。しかし「コロンビア8」ではそれが流儀らしい。というわけで、恐る恐る試してみると……

第一印象をそのまま書くならば、「こりゃあ危険なカレーだな」といった感じ。どういうことかというと、味が唯一無二なのだ。私の認識では、辛い料理で味が唯一無二なものは “沼” にハマりやすい

個人的な例を挙げると、スープカレーもそうだし、上野の名店『デリー』の「カシミールカレー」もそうだし、『蒙古タンメン中本』の「北極ラーメン」もそう。

それらの店の料理は、最初に食べたときこそ「まぁ美味い……かな? よく分からないけれど、他の店では味わえない感じ」くらいの印象なのだが、不思議と2回・3回と食べてしまう。

気づいたときには、“沼” にどっぷり浸かっているのだ。同じような匂いを『コロンビア8』のキーマカレーから感知したので、私の脳は「危険! 危険!!」と判断したのだろう。

そして正直なところ、その危険度はココイチがたまに出すスパイスカレーよりもタチが悪い気がする。逆に言うと、だからこそ『コロンビア8』が人気店だというのも大いに納得した。大阪には沼にハマった人が大勢いるに違いない。

ちなみに、同店はミシュラン・ピブグルマンを4年連続受賞しているのだとか。もしかしたらミシュランの審査スタッフも沼にどっぷり浸かっている1人……なのかもしれない。


・「東京カレーカルテット」はオールスター

さて、本記事では『コロンビア8』ばかり紹介してしまったが、「東京カレーカルテット」には他にも『奥芝商店』、『銀座スイス』、『シターラ ダイナー』が入っている。

どれも人気店で、その一帯はさながらカレー店のオールスターと言っても大げさではない。そのぶん、どの店に入るかが悩ましいが、最初は「空いているところに入る」くらいでもいいかと思うぞ。4店のうちどれを選んでも、そこは多くのファンを抱える有名店だから。


・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 コロンビア8(Columbia8)東京八重洲地下街店
住所 東京都中央区八重洲2-1八重洲地下街「東京カレーカルテット」内
時間 11:00~22:00

参考リンク:コロンビア8(公式)、Twitter @Columbia810ヤエチカ コロンビア8(フロアマップあり)
執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼コロンビア8は大人気! 私が訪れたとき(12時前)は行列で、待ち時間は20分ほどだった

▼テレビの取材クルーも。なお、店に入ってすぐに料理が出てきたので、回転は良いと思われる。席数の割にスタッフの数が多かったのも好印象

▼ルーはサラッサラ! 下手したらココイチのスープカレーよりもサラッとしてるかも

▼キーマカレーだけにひき肉もガッツリ入っているが、それよりもスパイスのインパクトがすごい

▼辛さの種類が違うので正確には言えないが、ココイチの基準だと3辛か4辛くらいだろうか?

▼無料で提供されたグレープフルーツジュース。これも「ししとう」と同じく、口の中を苦くするためとのこと

▼それだけ繊細なカレーなのだろう

▼キーマカレーはテイクアウトにも対応