ワークマンで「全身アシストパワースーツ」を買った。身につけるだけで重い物の持ち上げ・下げが楽になるらしい。つまり腰や腕にかかる負担が軽くなるってこと。電気を使わず軽くて簡単に着用が可能なのに「背筋の使用率を38%以上も軽減できる」のだとか。

ちなみに同商品は店舗のみの取り扱いとなっていて、在庫のある店舗を公式サイトで確認して「取り置き依頼」をして購入したという流れ。というわけで今回は、ワークマンが誇る “コスパ最高のパワースーツ” を実際に使ってみたので正直な感想をお伝えしたい!

・ワークマンの全身アシストパワースーツ

全身アシストパワースーツの価格は9800円。パワースーツと名乗る商品の中では間違いなく激安の部類に入る。非電動式のコンパクトなものでもスポーツメーカーなら10万円以上。中国産でも何でもいい……と言っても、やはり1万5000円以上するだろう。9800円は安い。

たとえ安くても、ワークマンなら「オモチャではない」という信頼がある。というのも、ワークマンは過酷な環境に耐えうる機能性ウェアを低価格で販売するのが特徴だからだ。ただこの怪しいパッケージ、どこかで見たような気が……と思ったら。

約1年前にAmazonで購入した “着る椅子” こと「チェアレスマジックチェア」とほぼ同じポーズだった。苦い思い出がよみがえる……あれはオモチャというか完全にゴミだった。



・快適ワーク研究所の第1弾商品

さて、全身アシストパワースーツは労働寿命の延長を延ばす「快適ワーク研究所 byワークマン」の第1弾商品である。気合いも相当入っているに違いない。S・M・Lサイズの3種類で、私が購入したのはLサイズ(170〜185センチ対応)だ。中身を取り出してみると……

これがパワースーツ。初見ではどのように装着したらいいのか全く分からないので、説明書を見ながら着用したい。ちなみにワークマン曰く、パワースーツは欧州で着用が推奨され、オーストラリアでは義務化されているという。もうそんな時代だったのか。


・装着方法

説明書を確認しながら……ええっと、まずは左右のサポートベルトのループを両肩にかけて本体に背負うようだ。


次にベルトを腹部に巻く。「下腹部が苦しくない程度の強さで」と説明書。


んで、左右のサポートベルトを横方向に引っ張り、背中の引き締め具合を調節する。ギュッと引っ張ることでベルトとの一体感が生まれ、腰まわりも安定するようだ。スポーツジムにあるトレーニングベルトを巻いているような感覚。


そしてヒザの裏側に固定ベルトを当て、軽くヒザを曲げた状態で膝蓋骨(ヒザの皿)に合わせてベルトを巻きつける。ハムストリングス(太もも裏)の負担も軽くなるという。


最後に、くい込み防止ベルトのバックルを差し込んで長さを調節。肩にサポートベルトがくい込むのを防いでくれるらしい。


というわけで……


完成だ。



・重いものを持ってみた

全身アシストパワースーツは、2本の強化ベルトで背腰部の荷重負担を軽減し、ハムストリングスサポートで上体を起こす力をプラスする

もう少し簡単に説明すると、カラダをかがめたらベルトがグイッと伸びるだろう。持ち上げる時にベルトの戻る力が働くので、荷物を軽く持ち上げることが可能という仕組みだ。


たしかに体勢を戻す時にベルトが収縮するのが分かる。荷物が軽くなったわけではないが、カラダを起こすのが楽かも。また逆に荷物をおろす時は、ベルトがグイーッと伸びることで腰への負担が軽くなる。この感覚に慣れたらベルトをしないと怖くなりそうだ。

しかし使い続けると、ヒザの皿に巻いたバンドがずり上がってしまう。巻き直しても、ちょこちょこずり上がるのが気になる。もしかしてサイズが合っていないのだろうか。それか服との相性が合わなかったのかもしれない。

あとはデザイン。パワースーツが丸見えだと、ほぼ人造人間である。それか巨人の星。いかにも豪速球を投げそうな見た目だ。倉庫の品出しや介護現場(寝返り・起き上がりの介助など)で役に立ちそうだが、上に1枚羽織ってパワースーツを隠す等の工夫が必要だろう。

ともあれ、円安などの影響で外国人労働者が流出し、人手不足や作業の効率化が求められている状況が続く中で、日本でもパワースーツの導入は進むだろう。たしかに足腰の負担は軽くなったので、興味があれば公式サイトをチェックしてみてくれ。店舗に在庫があれば取り置きをしてもらえるぞ。


参考リンク:ワークマン「全身アシストパワースーツ」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.