Amazonで「チェアレスマジックチェア」なる商品を購入した。こちら実は1カ月ほど前に読者の方から「気になるのでレビューしてください」と教えてもらった商品なのだが……調べたところ、かなり画期的な仕組みで、簡単にいえば「着る椅子」らしいのだ。

つまりマジックチェアを両足に装着しておけば、いつでもどこでも座りたい時に座れるってわけ。商品ページ曰く「ハイキングや登山、屋外のコンサート等、さまざまなシーンで活用できます」とのこと。たしかに便利かも……実際に使ってみたらこうなった。

・チェアレスマジックチェア

Amazonで「チェアレスマジックチェア」と検索すると、だいたい8000円〜1万2000円の商品が複数ヒットする。しかしよく見ると……

商品画像がすべて同じ(おじさんがチェアレスマジックチェアに座って釣りをしている)なので、価格によって機能に差があるというよりは、ショップごとに設定している金額が違うだけのように思えた。そんなわけで、とりあえず1番安い7945円のものを購入。

商品が届いたのは、注文の約2週間後。古びたダンボールからさっそく中身を取り出すと……画像のおじさんが装着していたチェアが登場。これが噂のやつか。

あらためて特徴を確認しておく。両足に装着できる椅子で、最大330ポンド(約150キロ)まで耐えられるらしい。なお、付けたままでも歩行の邪魔にはならないという……ここまでの話が100%真実ならば、もっと話題になっても良さそうだ。どこかに欠陥があるのだろう。


使用方法は簡単で、説明書を開いたら……

表紙と同じイラストが描いてあるだけだった。開く意味なし。とにかくイラストのとおりに足と腰にベルトを巻き付ければいいのだろう。


・できる限り足と一体化させたい

左足から付けていく。マジックチェアの能力を存分に発揮させるためにギチギチに固定する。こういうのはできるだけ足にフィットさせた方が良いのだ。たぶん。

ヒザ裏にポールの曲がる部分がくるように微調整したらマジックチェアの装着完了。自分の体がロボットと一体化したような気分である。おそらく『巨人の星』の大リーグボール養成ギプスもこんな付け心地だろう。なんとなく今ならすごいことができそうな気がする。


・悪くないかも

どうやら「付けたままでも歩行の邪魔にはならない」という説明は本当のようだ。それなりに重さはあるが、体にうまくフィットしているため歩きにくくはない。ただもちろん歩きやすくなったわけではない。少し気になるけど思ったほどではないって感じ。走るのは絶対無理。


では椅子としての機能はどうだろうか。



慎重に座ってみると……


お、お、おおぉぉぉぉぉおおお!


…………


いや全然無理だった。


スクワットの姿勢までなら大丈夫。というか耐えられる……椅子のチカラ無しで。つまり空気椅子で。少しも楽ではない。なんならマジックチェアを使用してくつろいでいるように見えるマジックをしているような気分だ。


・最高のフィット状態でリベンジ

もう1度マジックテープを締め直して、フィット感を高めてから再チャレンジしてみよう。くり返しになるが、足とチェアが一体化するほど歩きやすくなるし座りやすくなるはずなのだ。


果たしてリベンジなるか……


…………


おおおぉぉぉぉぉおおおああッッ!


…………


全然無理だった……。


さらに締め直して頑張ってみたものの……

結果は同じだった。


もう少し慣れたら、転ぶか転ばないかギリギリのところで姿勢をキープできそうではある。ほんの少し楽できるかもしれない……が、いくら座れるようになっても通勤や登山等で使うことはないだろう。今さらだけど見た目が怪しいし、折り畳みチェアを持っていく方が楽だし。

・いつか進化したやつを使いたい

まとめると「椅子を身につける」というアイデアは画期的だと思う。しかし実用化にはもう少し時間がかかりそうだ。本気で使えるレベルになったらあらためて紹介したい。


参考リンク:Amazon「チェアレスマジックチェア、釣り、音楽祭、コンサート、地下鉄、バス、ウェアラブルインビジブルシート、ポータブルシート、最大330ポンドの重量に適しています」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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