2023年7月15日にデビューした「SPACIA X (スペーシアX)」。浅草〜東武日光・鬼怒川温泉を結ぶ東武鉄道の新型特急が大人気だ。特急スペーシアの伝統を受け継ぎつつ、車両デザインからインテリア、座席まで今の時代にも映えるようにパワーアップしたらしい。

というわけで今回は、そんな大注目のスペーシアXに乗ってきたぞーー! 私が選んだのは “時を超えるラウンジ” こと1号車の「コックピットラウンジ」である。おかげでゆったりとした非日常空間を満喫できたので、その様子をじっくりと紹介したい。

・スペーシアX

スペーシアXはかなり人気なので、狙った席を確保するのはなかなか難しい。それでも私が予約できたのは「上り」のチケットだったからかも。公式サイトで予約したのは、スペーシアX4号「栃木駅(12時37分発)〜北千住駅(13時32分着)」のコックピットラウンジだ。

今回かかった料金は「スタンダード特急料金(1470円)」と「特別座席料金コックピットラウンジ1人用(200円)」と乗車券。つまり予約時に支払ったのは1670円である。乗車券は購入せずに、交通系ICカードを使ってもOK。


・栃木駅発

ホームで待っていると、スペーシアXがやってきた。スペースシャトルを横に倒したような近未来感のあるビジュアル。

東武鉄道曰く「日光東照宮陽明門に塗られた胡粉(ごふん)の白をイメージした」らしい。陶磁器のような高貴な白だ。

X、X、X……先頭車両の窓枠がXである! どうやら鹿沼市の伝統工芸である組子に用いられる幾何学模様をイメージしたデザインらしい。伝統的なデザインは窓枠以外にもそこかしこにあしらっているという。

6両編成で座席数は212席。スタンダードシート、プレミアムシートの他、半個室の「ボックスシート」、家族やグループで楽しめる「コンパートメント」、さらにプライベートジェットをイメージした「コックピットスイート」と、バリエーションは豊富。


・コックピットラウンジへ

先にも述べたが、私が選んだのは1号車の「コックピットラウンジ」。日本最古のクラシックリゾートホテルとして国内外の要人に愛される「日光金谷ホテル」や大使館別荘などをモチーフにしたスペシャルな空間。コンセプトは “時を超えるラウンジ” だそうだ。スゲー!

ラウンジ内には、ビール・珈琲・おつまみ・スイーツ・お土産を提供するカフェカウンター「GOEN CAFE SPACIA X」がある。せっかくなのでアイスコーヒー(日光珈琲)を注文。しっかりとした苦味とコクが感じられる自家焙煎珈琲はコーヒー好きの間で有名だ。

1人掛けソファに座り、六角形の窓に映る景色をのんびりと眺めながら日光珈琲を飲む。思ったよりも窓は広い。なんというか、たった1時間でもメチャメチャ贅沢な気分を味わえる。

ってか、ソファの座り心地もヤバいのだ。まさに高級ホテルのラウンジって感じで、座った瞬間に「目的地を北千住ではなく終点の浅草にすべきだった(料金は同じ)」と後悔した。

ちなみに1名席は車両の先頭、つまり運転席の目の前という特等席である。最高過ぎるだろ。

それとデッキに出た際に驚いたのが天井の映像だ。青空や緑が写っていて気持ちいい。意外と気がつかないポイントだが見逃さないように。

予約が取りにくいのが欠点だが、機会があればぜひ “走る高級ホテル” を体験してみてほしい。1時間では物足りなかったのでオススメは「浅草ー鬼怒川温泉」の約2時間コース。いつかは家族や親戚を集めてコックピットスイート(7人定員)を利用したいな〜。


参考リンク:東武鉄道「スペーシアX」
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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