2022年8月1日から10月31日の期間で、東武鉄道がゲーム「桃太郎電鉄」とコラボし、面白そうなことをやっている。「リアル桃太郎電鉄~東武鉄道の旅2022~」というヤツだ。

専用のアプリをスマホにインストールし、アプリ内とリアルの両方でチケットを購入。乗り方によっては、通常よりお得に特定の区間を利用できるというもの。

気になったので、筆者も試してみることに。なるほど、こいつはこれが正解では……?

・浅草発

ということで皆さんこんにちは。本日は8月1日。ちょうどお昼を過ぎた辺りの浅草駅に来ているぞ! 久しぶりに来たけど、地下街こんなに過疎ってたっけ?


それはともかく、今回の目当てはこちら。浅草駅から東武宇都宮駅間でプレイできる、リアル桃鉄だ。


まずは専用のアプリをスマホにインストールして


アプリ内でチケットを購入。1人~5人まで。1ヵ月か3ヵ月のプランがあるもよう。今回は1人で1ヵ月のチケットを選択。1340円。


その状態で、浅草駅の観光案内所へ。


ここで、このイベント専用のフリーパスをゲットできる。2券片が付属し、最大2名まで利用可能。各券片は押印当日のみ有効だ。小学生以下は、購入も利用も大人同伴がマストな点に注意を


お値段は大人が2000円。こいつがあれば、イベント対象の区間内は自由に乗り降りができる。浅草駅か東武宇都宮駅の改札から出る際に、押印した券片が回収される仕組み。

他にも購入と利用に際して重要な情報が複数あるので、詳しくはイベント公式HPか、東武鉄道の公式HPを読んでくれ。


・お得なのか?

さて、現時点でアプリ内の課金を含め、合計で3340円を支払っている。「Yahoo!乗換案内」で調べたところ、浅草から東武宇都宮までの運賃は通常だと片道1215円なもよう。

往復2430円で済むので、普通に浅草~東武宇都宮間を移動するだけなら、この桃鉄コラボチケットは割高である。

ということで、大前提として1000円分ほど途中で降りまくるタイプの乗り方をしなければ、元は取れない。つまりはリアル桃鉄をプレイするしかなさそうな感じ。

券片は浅草駅か東武宇都宮駅の改札から出た時にしか回収されないため、浅草から出発して東武宇都宮の1つ手前の南宇都宮で降り、何かしらして帰ってくるなどすれば、通常2430円かかるところを、実質1670円で1往復できることになるが……でも南宇都宮とか何もない住宅地だからな

そんな用法に価値を見出すのは、東武鉄道の車両に長く乗ること自体が至福……的な価値観を持つ一部のマニアくらい。それはそれで幸福なことだと思うが、今回はマニア向けの記事ではないのでノーカンで。

また、東武宇都宮駅周辺に住んでいる人で、ちょうど東京スカイツリーに行きたいバイブスな人にとって、このチケットは超お得だろう。

でも目的が買い物なら、インターパークヴィレッジに行った方がブランドも品ぞろえも豊富じゃねって

東京ソラマチって、言うほどじゃないからな。あとは水族館とか、展望台とかだが、そこも限られてそうなのでノーカンで。

今回はとりあえず、普通にリアル桃鉄をプレイしつつ、よさそうな活用法を探ってみたい。スケジュール的に猶予は半日しか無いので、どこまでやれるかは未知数だが。


・リアル桃鉄

それではゲームを実践していこう。アプリの画面にて、まずはコースを選択。8月1日の時点では、浅草スタートか東武宇都宮スタートかの2択だ。今回はもちろん浅草スタート。すると、目的地がランダムで決まる。


まずは北千住に行かなければならないもよう。


コースと目的地が決まったらサイコロを振るぞ! この結果で、何駅進めるかが決まる感じ。さて、何が出るかな?


1じゃん。


1駅しか進めないので、隣の「とうきょうスカイツリー駅」まで行くことに。


っていうか、スカイツリーって浅草の隣の駅だったんだな。この距離をわざわざ電車で移動したことなんて無いし、初めて知ったぜ。めんどくせぇ鉄オタから「もっと勉強してくれませんかねぇ・・・^^;」みたいなクソリプ来そうで草ァ!

ぶっちゃけ電車を待ってる間に徒歩で着くのだが、せっかくなのでフリーパスを活用しよう。コラボ中のようで、「とうきょうジョジョツリー駅」になっていた。


着いたらまず、改札付近にあるはずのイベント用のQRコードを探そう。


こいつを読み取ると、到着したことがアプリ側で確認され、クイズに挑戦できる。


クイズは、このようによっぽどじゃなければ間違えようのない超絶にイージーなものから


ちょっと難易度が高いものまで色々ある感じ。正解数に応じて、アプリ内で賞金が貰える。桃鉄なので、おそらく金を稼ぎまくった方が強いのだろう。


こうして複数出されるクイズを終えると、今度はミッションが提示される。スカイツリーでは、写真を撮らなければならないようだ。


写真かー、どこで撮ろうかなぁ。


スカイツリーがイイ感じに撮れそうな場所は……


と、周辺をウロウロしていたところ、どうやらミッションにも指定の場所があるらしいことを把握。GPS的にそのポイントまで行った事がアプリで認知されないと駄目みたいだ。


指定のポイントに設置されたQRコードを読み取ればクリアとなる仕様。どうやらこのミッション、プレイヤーのクリエイティビティは不要な感じですね。サクッとQRコードを読み取ってクリア。


こうして一通りの手順を終えたら、またサイコロを振る感じ。これを繰り返しながら目的地を、そして最終的にはゴールの東武宇都宮(あるいは浅草)を目指す……というのがリアル桃鉄の一連の流れだ。

ちなみにサイコロの結果を記すと


浅草(スタート)

東京スカイツリー

北千住

梅島(スルーしたので降りなかった)


という感じだった。やっぱこれ、それなりに見所を有する駅でしか降りない仕組みになっているのでは? 東京スカイツリーとか北千住は100%全員止まる感じなのでは?

やってみた皆さん、そのへん止まらなかったケースってあります? あったら教えてください。

逆に、サイコロの結果、心底何もない駅で降ろされるとか、そういうのは起きないように配慮されてるんじゃなかろうか。

そんな感じで目的地に到着すると、再び「目的地を決める」の画面が出て、新たな目的地がランダムで選ばれることになる。


結果は春日部だった。しかし時刻はもう16時。このペースだと、100%今日中にゴールできない。普通に丸一日かかる気配しかないので、イベント開始時間の朝9時にスタートするのが良いと思う。


・ゴールへ

今回はここでリアル桃鉄を切り上げ、全てを無視して東武宇都宮に行くことに。そう、別にゲームをプレイする必要は無いのだ


ゴールした場合、窓口にて2枚ある券片のうち1枚を提出し、貰った出場証を自動改札に通して終了となる。残ったもう1枚の券片は帰るのに使う(逆のコースでもう1プレイしても良い)感じ。


ちなみに私は昼の12時を回ったところでプレイを開始。北千住にてプレイを切り上げ、そこからストレートに東武宇都宮まで来た。到着したのは20時前だ。

デパートはすでに閉まっていたし、夜が早いのか、商店街のお店もシャッターが下りていて、今から楽しめそうなスポットは見当たらない感じ。


せめて餃子でも……と思うかもしれないが、この時間になると「正嗣」や


「みんみん」等の超人気店はとっくに売り切れて終了済みだぜ! 何も得られずフィニッシュ!!


という感じなので、リアル桃鉄を忠実にプレイし、東武宇都宮にゴール。さらに名物の餃子を食って帰ってくる……的な、1日で遊びつくすプランは現実的に厳しいと思う

対して、浅草は夜中なら夜中なりに独特の雰囲気ある光景が見られる。夜のライトアップされた金のうんことか、無人の浅草寺とか。ゆえに東武宇都宮スタートで浅草ゴールのコースの方が、夜にゴールしてから終電までの短い時間で楽しむには分があるかもしれない。


・日光・鬼怒川1泊コース

でもやはり、強行軍感は付きまとうだろう。途中でも感じたが、ゴール地点で1泊することを前提にしたほうが、余裕をもって楽しめそうだ

そこで魅力的に思えてくるのが、9月1日から解禁予定の浅草駅~東武日光・新藤原(鬼怒川温泉駅から2つ先の駅)のコース。フリーパスは2500円で販売される予定。

餃子民には申し訳ないのだが、「1泊する」となったら、東照宮や温泉という武器を持つ日光・鬼怒川温泉相手に、餃子の勝ち目は薄いんじゃないかなって。

朝9時に浅草をスタートし、リアル桃鉄をプレイ。日光なり鬼怒川温泉につくのは夜だろう。温泉宿に一泊し、翌日は東照宮なり東武ワールドスクエアなりを見てから帰る……みたいなプランが良さそうに思える。

日光・鬼怒川コースも夏休みの期間にやらせてくれよ! と思わなくもないが、きっと何か事情があったのだろう。

ということで、「リアル桃太郎電鉄~東武鉄道の旅2022~」は、9月以降に1泊の予定で浅草~日光・鬼怒川コースこそ正解だと思う。以上、浅草~東武宇都宮コースを半日やってみた現場からのレポートでした。

参考リンク:リアル桃鉄東武鉄道
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.
ScreenShots:リアル桃鉄(Android)