日光には世にも珍しい「温泉寺」があるという。名前はそのまま「日光山温泉寺(にっこうざんおんせんじ)」。言うまでもなく “温泉に入れるお寺” で、ご利益は「健康増進・延命長寿」らしい。なんでも世界遺産「日光山輪王寺(りんのうじ)」の別院なのだとか。

ちょうど温泉に行きたい気分だったので、休日にドライブがてらお寺のある奥日光湯元温泉を目指すことにした。開湯788年(延暦7年)の歴史ある名湯で、温泉に入り、写経体験をし、特別御朱印までもらってきたので詳しく報告したい。

・日光山温泉寺

いろは坂をのぼり、中禅寺湖や戦場ヶ原を越えて、ついに奥日光の温泉街に到着。石灯籠の並ぶ参道の奥、建物左側に駐車場があった。車をとめて外に出たら同じタイミングで温泉寺に向かう団体客がいたため、後ろにくっついて行くことに。

どうやら団体客は写経体験(1000円)をするっぽい。隣の席に案内された私もそのまま受付を済ませて、団体客と一緒に写経をさせてもらうことになった。静寂な15分がスタート。

写経は「薬師経十二の大願」の一説16文字。薄墨の上を筆でなぞることで完成する。「薬師如来の偉大な福徳で、一切の憂い苦しみから逃れることができる」という意味。心を込めて一文字一文字なぞっていくと自然と心が落ち着いていく。

書き上げた用紙を仏前に供えて、お参りをすると金色の特別御朱印が授与される。団体客はそのまま帰って行った。温泉には入らないらしい。



・薬師湯へ

温泉寺の隣に立つ「庫裡(くり)」へ。庫裡とは寺務所を兼ねた台所のような場所。鳥の声が聞こえて気持ちが良い。入浴料は500円。田舎のおばあちゃん家みたいな廊下を進んだ先に「薬師湯(男女別)」がある。ちなみに江戸時代は、庶民の入れぬ温泉だったそうだ。

タオルの貸し出し等はないので持参するのがおすすめ。脱衣所で服を脱いだら……


いざ浴室へ。


秘湯のオーラが漂うシンプルな浴室だった。源泉の色は美しいエメラルドグリーン。加水すると乳白色になるという。加温なし、加水あり、完全かけ流しの温泉である。これはたまらん。

湯は熱いがなんとも言えない良い気分。ただ温泉成分がものすごく濃いので、湯あたりには気をつけた方がいいだろう。極上の温泉でしっかり癒されたのだった。

温泉を堪能したら休憩所へ。涼みながら、お茶と日光甚五郎煎餅をいただく。やはり夏休みのおばあちゃん家のようだ。



・湯ノ平湿原

ついでに温泉寺のすぐ近くにある湯元温泉の源泉地「湯ノ平湿原」も見学しておく。小屋のすぐそばまで木道が整備されている。この湿原は温泉が湧き出るため冬も凍結せず、1年を通して多くの動物がやってくるそうだ。硫黄の香りがけっこう強烈……!

──というわけで、温泉寺で身も心もしっかり整ったぞ。奥日光に行く機会があれば「日光山温泉寺」も目的地に入れておこう。まさに世界遺産級の極上の秘湯がそこにはあった。ご利益はMAXだと思う。


・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称日光山温泉寺
住所:栃木県日光市湯元2559

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼身も心も整いました

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