温泉大国の日本には、各地に秘湯といわれる温泉地が存在する。その中でも、山奥などにあるワイルドすぎる温泉は『野湯(のゆ・やとう)』と呼ばれ、「幻の秘湯」に分類されている。湯加減は大自然にお任せだが、予想より「熱い」「冷たい」というのも野湯の魅力である。

今回は、そんな野湯を求めて北海道に行ってきたので報告しよう。手つかずの大自然が残る北海道の景色は圧巻だが、野湯周辺には「ヒグマ出没注意」という情報もある……ヒグマと混浴はワイルドすぎるが、本物のヒグマの前で全裸になったら「一緒に温泉」ではなく「食べてください」という流れになるだろう。

・大雪山 旭岳へ

まずは、旭川市街から車で約1時間、旭岳温泉駅からロープウェイを使って標高1600メートルの姿見駅へ。目的地である野湯「中岳温泉」へは、駅から徒歩 約2時間で行けるが、北海道最高峰の旭岳登山をセットにすると約4時間かかる。筆者は登山もセットでGOだ!

・絶景の連発

ゴツゴツした登山道をひたすら登って旭岳の頂上を目指し、その先の秘湯へ。「山々の緑」「天高い青空」「どこまでも広がる雲海」が超絶気持ちいいが、2時間くらい歩いて「そろそろ温泉に入りたいんですけど……」と思ってからの2時間がマジ死ぬほど長い。それでも歩き続けた先に中岳温泉はあったのだ!

・スコップで穴を掘る

中岳温泉は、遠目には「でかい水たまり」にしか見えないが、近づくにつれ硫黄臭がし、湯気が上がっているのがわかる……やっと入れる、やっと温泉に入れるぞーーー!! スコップで穴を深くしたら極楽温泉の完成だ!

気持ちいい……歩き疲れて見飽きていた景色が絶景に見える。この後2時間の帰り道で、再度 景色を見飽きたが、中岳温泉は間違いなく天国であった。

・人間が大自然の一部になれる野湯

中岳温泉をはじめ、野湯は大自然の豊かな包容力を存分に味わうことができる。機会があればぜひ行ってみてもらいたい。ただ、行くのが困難で遭難者などが出ている場所もあるみたいだ。出発前にはしっかり準備をしてくれよな。

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]

▼姿見駅から約20分で「姿見の池」に到着だ。

▼旭岳の頂上を目指して登山。

▼雲海を見てテンション上がりまくりだ。


▼頂上からの景色。

▼先は長い。


▼中岳温泉はこれだ。水たまりではない。

▼スコップを発見。

▼自分だけの極楽温泉になったぞ。

▼帰り道も大自然が続く。


▼熊がいる可能性もあるので気をつけてほしい。

[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]