ジャンボ! 今回もリクエストボックスに届いた読者様からの質問に答えていこう。
「私は高校生の夏休みに、ファーストフード店で初めてアルバイトをしました。大学生の時は、イタリアンレストランやファーストフード店でアルバイトをしていました。
チャオスさんは、学生の頃アルバイトはしたことがありますか? また、ケニアでよくあるアルバイトは何ですか? 時給も知りたいです」
良い質問だ! すべてに答えよう。
・ケニアの学生バイト事情
まずオレのバイト話よりも先に、ケニアにおける「学生のアルバイト」について説明しよう。
ケニアにはバイト(パートタイム)がたくさんある。最も学生に人気のバイトは、ウエイター(ウエイトレス)と家庭教師だ。
週末はイベントが多いので、さまざまな現場から募集がかかる。なので、「平日は学生、週末はウエイター」みたいな感じの学生も多い。
もちろんウエイターではなく、もっと料理スキルがあれば「料理人(調理補佐)」なんて仕事もあったりするけど、そこは能力次第だ。
もちろんバイト代も能力によって変わってくる。たとえば料理人の場合は1日あたり1500kes(約1470円)。時給ではない。日給だ。
ウエイターやウエイトレスは、料理人よりも賃金は低い。だが、「若さ」が売りになるので、日給800kes(約785円)が妥当なところだろう。
ウエイターやウエイトレスも学ぶべきことは非常に多い。学校で教えてくれないことが次々と降りかかる。良い社会勉強になる。
一方、家庭教師の日給はというと、1日あたり1000kes(約981円)が相場。飲食業よりも短い時間で高額を稼げるとあって人気だ。
ご存知の通り、ケニアは非常に教育に力を入れているので、わりと簡単に家庭教師の仕事は決まる。どのように仕事を得るのかと言うと……
学生たちは、中学校に通っている生徒の家を特定し、突撃する。家庭教師どうですか? と。そして話し合い、日給とかも決まるってな感じだ。
・ケニアにおける最低賃金の仕事
このへんで、オレが学生だったころ、どんなアルバイトをしていたのか話したい。
オレがやっていたアルバイトは、畑(農業)だ。
ひたすら畑にトウモロコシの豆(種)を植えていく……という肉体労働で、日給は200kes(約196円)。なんとたったの200だぜ?
このトウモロコシの豆をひたすら植える仕事は、本当に辛かった。平日1週間(5日間)連続で働いた。
5日間なのでお給料は1000kes(約981円)。そして、オレはこの1000kesで学費を支払っていた。うち、本当に貧乏だったから。
でも、オレみたいな貧乏人ではない、普通の家庭に育った学生たちは、「自分のお小遣いのためのバイト」をしていたよ。羨ましかったなぁ。
ちなみに学生バイトの中で最も高額なのは、医療系の学校に通う学生たち向けの「医師のお手伝い」だ。その日給、なななな、なんと……
1日2000kes(約1963円)!
オレが1週間ヒーコラと汗水垂らして働いていた額を、頭の良い医療系の学生たちは、なんとたったの半日で稼いでしまうのである。
頭が良ければ良い給料の仕事にありつける。だからこそ、ケニアは教育に熱心なのだ。
・ケニアの就職事情
とはいえ、良い大学に通ったからといって、良い企業に就職できるわけではない。そんな甘い世界でもない。
ケニアでは職に就くのが非常に難しい社会なので、大学を卒業しても就職できず、ずーっとバイトをしている人も多い。
ちなみに、ケニアでのバイトは、基本的に「18歳以上」ができることになっている。日本は16歳とかなんだってな。若いな。
なお、若い学生ではなく、ある程度の歳を重ねた主婦などが仕事をする「パートタイム」もあるが、若さも売りにできないし、給料は一気に安くなる。その額、やはり、
1日200kes(約196円)!
おそらく、ケニア(ナイロビ)のアルバイトの最低賃金は1日200kes(約196円)かと思う。能力や、学力や、運があれば、たくさんもらえる。何もなければ1日200kes(約196円)。そういう世界。では、クワヘリ!
執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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