大手牛丼チェーン「松屋」を運営する松屋フーズが寿司屋もやっていることをご存じだろうか? その名も「すし松」。その歴史は意外と古く、「マイカリー食堂」や「松のや」が今ほど店舗を拡大する以前からある。

2015年当時は都内に6店舗しかなく、そのうち蒲田にはなぜか70メートルの至近距離に2店(現在は1店)も存在していた。最近になって同社はすし松に本腰を入れ始め、2023年7月27日に「松のや」との複合店舗「すし松 鶴見東口店」をオープンしたのである。ってことで、さっそく行ってみた!

・すし松に力を入れ始めたか!?

松屋フーズがすし松に力を入れ始めた兆候は、今年6月頃からあった。というのも、すし松は首都圏のみで8店舗(5月末)体制で運営していたのだが、突然品川・青物横丁に高速レーンを導入した新店舗を出店したからだ。

松屋もいよいよ寿司に本気を出してきたか? そう思った矢先に、今回の鶴見東口店出店となった。しかも松のやとの複合店! こりゃ、マジで寿司もやる気なんじゃないの?


ちなみにこのお店は1階に松屋とマイカリー食堂の複合店が入っている。つまりこの建物で4ブランドの味を楽しめる、松屋ブランドビルと化しているのだ。「ステーキ屋松」と「松軒中華食堂」が3階に入居すれば完ぺきだな。


・つまみも充実

入店してタブレット端末を見ると、揚げ物があるとはいえ、ここはあくまでもすし松名義だ。したがって寿司メニューは充実している。


定食には松のやの定番のロースかつや盛り合わせ、から揚げなどが揃っている。メニューの品揃えについては、ここまでは予想した通りだ。


ところが、サイド・総菜の項目を見ると、その予想を超えてきた! 寿司ネタのつまみ注文にも対応しているのである。


揚げ物も単品オーダー可能。アルコールも提供しているので、呑みのお店としても活用できそうだ。単品唐揚げ15個なんてのもあるぞ。



・揚げ物 + 刺身

今回私(佐藤)はおすすめメニューの「すし松御膳」(税込1848円)を頼んでみた。このメニューは刺身の5点盛り+本格唐揚げ2個がセットになっている。同じくおすすめの「松のや御膳」(税込1518円)は、上ロースかつと刺身3点盛りがセットになっているそうだ。揚げ物と刺身を一緒に頼めるのがこのお店の最大の魅力だろう。


実物を見て、まず目をひいたのが刺身だ。刺身の鮮度が高く、切り方がキレイで盛り付けも整っている。私の記憶では、以前のすし松は安さが売りで、寿司ネタにそこまで魅力を感じなかった

以前は500円でおまかせの海鮮丼を頼めたくらいなので、格安回転寿司の部類と考えていた。それが気づかない間に、料理のクオリティを高めていたらしい。これは味にも期待できる。


先に揚げ物から頂くとしよう。松のやといえば、とんかつが主力ではあるが唐揚げも侮れない。


片栗粉を使った衣はザクザク食感で、ひと口食べると肉汁があふれる。油切れがしっかりとしていて、後味はサッパリしている。5個くらいなら軽く食べられるようなライトな食べ応えだ。


そして刺身は先にも述べたように、あしらいが丁寧でイカには細かな飾り包丁が入っている。手が込んでいるねえ。


本マグロも脂の乗りがよい。目利きが市場で仕入れた産地直送のネタにこだわっているそうなのだが、それにふさわしい品ではないだろうか。



・大手に匹敵するブランドになるか?

寿司の味もたしかめたかったので、追加で「本マグロの中トロ」(2貫税込330円)も注文した。


シャリはやや小さ目だが、その分、ネタが大き目でシャリに覆いかぶさるように握られている。口に入れると、トロけるような食感。これ2貫で330円なら悪くないかな。


すし松は2006年のブランド誕生以来、都内のみで少ない店舗数で展開してきた。そのためブランドとしてあまり注目されることはなかった。しかしこれから松屋は、力を入れていく予感がするぞ。ひょっとすると松のや(全国300店舗)のように、大手寿司チェーンに匹敵するブランドに成長することになるかも? 複合店が増えることに期待したい。


・今回訪問した店舗の情報

店名 すし松 鶴見東口店(すし松・松のや複合店)
住所 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央1丁目3-3 クレインビル2F
時間 24時間営業

参考リンク:松屋
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24