「松屋」といえば、説明するまでもなく、牛丼チェーンである。しかしながら、近年は「ごろごろ煮込みチキンカレー」が絶大な人気を誇り、当編集部で期間中はほぼ毎日、昼食にこれを食べる中毒者もいるほどだ。もはや、牛丼チェーンのくくりを超えつつある。

そんな松屋は、カレー屋ステーキ屋天丼屋など、他業態の店舗を続々オープンしている。東京・西荻窪の「すし松」もそのひとつ。ここは回転寿司屋であるはずなのだが、実際に行ってみると、寿司が回ってねえ~~ッ!

・着々と店舗増

私(佐藤)は過去に、東京・蒲田のすし松を訪ねたことがある。2015年当時、都内を中心に6店舗を展開しており、現在は9店舗まで増えている。西荻窪のお店は2019年2月にオープンした比較的新しい店舗だ。


JR西荻窪駅北口を出て、すぐ向かいのビルの2階にお店はある。「注文型回転寿司」ということは、回転レーンの中に板さんがいて、注文を直にするタイプの店ということかな? たしか蒲田もそれに近い仕組みだったような。レーンにはたしかに寿司が回っていたと記憶している。とにかく入ってみよう。


メニューを見ると、蒲田のお店を訪ねた当時と、それほど変わっていない。増税などの兼ね合いだと思う、おおむね10円程度の値上げを実施したようだが、それでも適正な価格といって良いだろう。


・注文型 “回転寿司”

店内に入ると、15時半頃だったためか、お客さんの姿は見えなかった。レジ前には、持ち帰り寿司を待つ老夫婦がいるのみ。混み合っていると思ったので、空いてててラッキー! 各席にタッチパネルが設置されており、これで好みのものをオーダーする仕組みだ。「注文型」という文句に納得。


それは良いとして、視界に寿司が1貫もない。寿司皿の1つさえ見えない。どうした? ここは回転寿司じゃなかったのか? よくよく見てみると、席前のカウンターはレーンになっていて、寿司が真横にスライドして席まで届くシステムだった。


回転寿司じゃねえ!



いわゆる「回らない回転寿司」というヤツか。それならそうと、「注文型 “レーン” 寿司」とでも表記しておいてくれれば。それとも「注文型回らない回転寿司」の方が良いかな? いや、どちらもわかりにくいので、「注文型回転寿司」というのが、ふさわしいのか……。


・大トロが飛び抜けて美味い!

とにかく寿司は回っていないので、タッチパネルで注文。ありがたいのは、注文時に「さび抜き」をお願いできるだけでなく、「1貫盛り(半額)」、シャリ抜きの「つまみ(2皿分の金額)」をお願いできることだ。


軽くつまむつもりで、やりいか・あじ・はまち・本マグロ3貫盛りを注文。


ちなみに皿はさびアリとさび抜きで色分けされている。あじとさんまは生姜が添えてあるので、元からさび抜きになっていた。


産地直送とのことだったが、劇的に美味い! ということはなく、回転寿司屋らしい値段に見合う味だった。だが、中トロ・大トロは飛び抜けて美味かった。


とくに大トロの脂の旨味は尋常ではなく、「ここは銀座か?」と大げさなボケが思いつくレベルの美味しさ。それがわかってたら、最初からこれだけ食べたのに、チキショーッ!



次にすし松に行った時には、必ず食ってやる。大トロだけをひたすら食ってやる!! と固く心に誓って店を後にした。


・今回訪問した店舗の情報

店名 すし松 西荻窪店
住所 東京都杉並区西荻北3-20-1 NKスクエア2階
営業時間 11:00~24:00
定休日 なし

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24