「わたくしは別格ですので」

そんな雰囲気を漂わせているおにぎり、あなたもコンビニで見たことがあるかと思う。価格は1つ200円〜300円と、ちょっとお高め。パッケージも凝っており、「100円台のおにぎりと私を一緒にしないで下さいね」感がすごい。

往々にして、そのような高級おにぎりのパッケージには具材がデカデカとプリントされているから、「具がモリモリ入ってるんだろうな〜」と思う人は多いことだろう。


でも待て!


高級おにぎりは本当に具材がモリモリなのか? 実際はそれほど多くなく、写真のトリックという可能性も十分に考えられる。というか、そんな気がする。

私自身コンビニでおにぎりをよく買うが、「高いおにぎりって、安いおにぎりとは具の量が段違いだな」と思ったことがないからだ。ただまぁ、おにぎりを食べるときは白米と具を同時に口に入れるから、正確なところはよく分からない。

そこで! 実際に高級おにぎりの具の量を計測してみることにした。やり方としては、コンビニの高級おにぎりを買ってきて割り、具材を取り出して重さを量るだけ。自分で書いていて若干引くほど、ダイナミックさゼロの企画である。


・ローソン

では、おにぎりを紹介しよう。まずはローソンから。比較のために、普通のおにぎりも買ってみたぞ。


左:焼さけハラミ(279円)

右:熟成紅鮭(167円)


ご覧のように、お高い方は具材がデカデカとプリントされている一方で、安い方はアピールが控えめ。よく見ると安い方も鮭が山盛りになっているが、高い方ほど派手ではない。

では、そのパッケージから中身を出して確認してみるとしよう。こんな感じだ。


写真では分かりにくいかもしれないが、横幅自体は安い方の方が大きい。ただ、高さは高級おにぎりの方が勝っている。


見た目ではどっちが大きいかよくわからないので、スケールに載せてみたところ……


高級おにぎりの方が約30g重い。これは結構な差……なのだが! 安いおにぎりの方は海苔がパリパリなのに比べて、高級な方は海苔がベチャッとしてしまっている。

そういう仕様なので仕方がないが、海苔を愛する私にとってはパリパリの安い方がどうしても美味しそうに見える。



ただ、そんなことはどうでもいい。本企画において肝心なのは具材の量。それを確かめるべく、おにぎりを割ってみると……


高級な方は鮭の切り身がゴロンと入っていた。対して、安い方はほぐされた鮭。中身の豪快さに関しては、明らかに高い方に分(ぶ)がある。

この時点で、「高級な方が重いだろ」って気がしたが、スケールに載せてみたところ思った以上に違った。


鮭を完全に取り切れなかったので多少の誤差はご勘弁いただきたいが、高い方は14gで安い方は5g。約3倍も差があったのだ。

これは意外! 食べているときはそんなに差があるとは思わなかったけどなぁ……というのが正直な感想だが、数字で出た以上は真実なのだろう。

序盤に「具材の量は段違いではない」なんて言ってすみませんでした。ローソンの高級おにぎり(鮭)、看板に偽りなしです。

おっと、言い忘れていたが、今回の検証はおにぎりの定番中の定番・で進めていく。では続けて、ファミリーマートとセブンイレブンも紹介していこう。

ローソンとやっていることは同じだから、ここからは文章を極力短くするぞ。


・ファミマ


左:炙り焼銀鮭はらみ(258円)

右:焼しゃけ(150円)


ローソン同様、お高い方は具材モリモリですよアピールがすごい。実際どうかというと……


高い方の具材は、ローソンよりさらに多い17g。ローソンの高い方とは3gの差だが、この3gはデカい。あと忘れてはいけないのが、安い方のおにぎり。全体的な重さが115gとなかなかの数字で、具材も多め。

結果から先に言うと、安い方のおにぎりでトータルの重量が最もあり、なおかつ具材も多かったのはファミマだった。海苔こそパリパリタイプではないが、コスパよく量を食いたいって人には1番いいかも。

ではラスト。セブンイレブンだ。



・セブンイレブン


左:炭火焼紅鮭切り身(248.40円)

右:紅しゃけ(189円)


こちらは多少説明が必要だろう。ご覧のように、セブンで見つけたお高めおにぎりは具材がデカデカとプリントされているわけではない

ローソンやファミマに比べたら、かなり奥ゆかしい。どことなく和。だからこれを見て「具がめっちゃ入ってる」と思う人はあまりいないかもしれないが、価格的にはお高め。

なので今回の検証に加えてみることにした。ただまぁ、パッケージから考えてそこまで具は多くないだろう。だからファミマやローソンのサブ的な位置づけかな……と思っていたら!



なんと、高い方の鮭が16g! ファミマにこそ1g及ばないが、ローソンより2gも多いという結果に。3つの高級おにぎりの中で最も安いことを考えたら、これは大健闘。


しかもだ。パッケージのデザインだけ見たら、セブンは他の2社に比べて具材が多そうに見えない。全然アピってないのに、実は多い。これはカッコいいぞ! さすがセブンである。


こうなったら鮭以外でも確かめてみたい! と思ったが、私はすでにおにぎりを6個も食べており、お腹がパンパン。なんなら、キーボードを叩くだけで結構しんどい。なので、そろそろ失礼したい。いちおう最後に結論を記載しておくと、こんな感じだ。


結論:見るからに具材が多そうな高級おにぎりは、確かに具材の量がヤバい。普通のおにぎりの具の3倍くらいある。中でもセブンの伏兵っぷりはヤバい。


──以上!


執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.
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