昼でも夜でも出来立てご飯で、1人暮らしの強~い味方……と思いきや、実は団体向け弁当やオードブルなどのイベントメニューも豊富な『ほっともっと』。そんな同店に「おにぎりだけ」のプレートがあるのをご存じだろうか。

どんな人が買うんだろう、と疑問に思っていたのだが、1度オーダーしてみたら泣いた。胸の奥の「忘れていたなにか」を思い出させてくれるようなハートウォーミングな商品だったのでご紹介したい。


・おにぎりプレート(税込1000円)

内容はおにぎり10個と漬物。以上でポッキリ1000円である。潔い。

直径およそ30cmの円形プレートにカラッと並んで、具材は2種類だ。エリアによって異なるようだが、筆者の最寄り店では梅、おかか、鮭から選べた。

中央部には漬物2種が入っている。


おにぎりのサイズは小ぶり。直径7cmほどで、女性である筆者の手のひらに軽く収まるくらい。

重さは1個およそ100gだったので、全部で1kg。炊いた白米でいうと3合といったところ。コンビニおにぎりも1個100gちょっとだから、ほぼ同じくらいのボリュームだ。

具材の1つである「おかか」は「のり弁のアレ」だった。いつも海苔とご飯のあいだに入っている「おかか昆布」だ。美味しくないはずがない。

もう1つは鮭をチョイス。

それにしても、前述のとおり筆者はちょっと疑問に思っていた。おにぎりなんてどこのコンビニでも買えるし、なんなら自分で握った方が早いかもだし、ニーズあるのかね……と。


ところが。


1口ほおばると……


こ、これは……こみ上げる郷愁! 「お母さんのおにぎり」的な、ものすっっっごく懐かしい感じ。ただのおにぎりなんだけれど、むちゃくちゃ旨い!

あれ、誰かにおにぎりを握ってもらうって、こんなに温かかったっけ……。機械製造のおにぎりにはない、素朴さ、飾りけのなさ、味わい深さ……。

チキンバスケット(590円)なんか追加しちゃえば、完璧に小学校の運動会だ。


最近では「他人が握ったおにぎりが食べられない」という人も多いから、そういった向きにはまったくオススメできないが、専門店なので衛生状態には(たぶん)問題ない。また、その形状からして素手ではなく「ラップおにぎり」だろうと推察する。このラップが、いかにも家庭的な雰囲気を演出している。

なお、筆者はこの後も複数回食べているのだが、そのときのスタッフによって形や包み方、どれくらい冷まして握ったか(ラップの湿気)などの細部が微妙に異なる。自分の好みとドンピシャに合うときは本当に美味しい。作り手の個性が出やすいのもこのメニューの特徴だろう。


・ピクニックにもどうぞ

公式サイトには「他のパーティプレートとご一緒にどうぞ」とあるが、みそ汁でも用意すれば夕飯として普通にいける。どこでも食べられるから、キャンプやピクニックにもオススメ。熱々である必要はないが、「ほんのり温かい」のがいいから早めに食べたい。

特別なことはなにもないのだが、自分で握ったおにぎりとは、ひと味もふた味も違うぞ。そしてもしあなたの身近に、おにぎりを握ってくれる人がいるなら大切にしよう。「わざわざ買う必要なんてないよ」といわれるのは、実は幸せなことだ。


参考リンク:ほっともっと
Report:冨樫さや
Photo:RocketNews24.