日本では7月21日から公開となる、この夏最強のビッグタイトル「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」。
1996年に1作目が公開されてから、はや27年。過去の6作では常に前作を上回るクオリティを叩き出し続けており、今回も例外ではない。
私は一足先に試写会で拝見させて頂いたが、またしても最高得点が更新されていた……! 約160分あるらしいが、凄い勢いで体感16秒。本記事では、映画をより楽しむための重要な情報を、ネタバレに配慮しながらお伝えするぞ!
・タイトル
まず最も重要なのが、タイトルの意味だ。「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」。
このタイトルは素晴らしいのだが、日本人だと英語的に映画を見てもいまいちピンと来ない可能性がそこそこあるように感じた。
重要なのは “デッドレコニング” の部分だ。日本語だとようわからん横文字だが、英語だとDead Reckoningとなる。
これは、ある特定の基準となる位置から、移動速度や方角、時間等の情報のみを用い、計算で現在の位置を推測する航法のことだ。最も意味の近しい日本語としては “推測航法” になると思われる。
使用場面としては、肉眼やソナー、レーダー等による周辺情報の無い状況で飛行機や船、潜水艦を操縦している際に “Dead Reckoningで移動中” みたいな感じ。
で、映画本編をご覧になれば、5分か10分くらいで “このタイトルって、そういうことね” となるはず(字幕版ではそうなるように気を利かせてあり確実。吹き替え版は見ていないので不明)
しかし “推測航法” という、乗り物の操縦方法に限定した意味だけで “Dead Reckoning” を把握してしまうと、その先が見えづらいと思うのだ。
・デッドレコニング
真に考察を楽しむのであれば、より柔軟に “Dead Reckoning” の意味を把握した方が良いと思う。どういうことか? 単語の本来の意味に立ち返るのだ。
まずはDeadだが、日本の学校では “死んだ” “死んでいる” という、生命が喪失した状態を指す言葉として教えているのではないかと思う。
まあ、それも正しいのだが、実際には “何かの活動や反応、機能、重要な要素が失われた状態” を指し、喪失の対象は生命に限らない。
ぶっちゃけ日本語の “死んでる” と同じくらいに広い意味で使用される。例えば、バッテリーが切れたり、低速モードでクソになったスマホに対し “スマホが死んだ” などと言ったりするが、同様の場面でDeadを使っていいだろう。
さっき駅でギャルが “汗で前髪死んでんだけど” とか愚痴っていたが、英語でも前髪の “あなたにとって重要な要素が失われた状態” に対し、Deadを使って良いと思う。My bangs are deadで通じるんじゃなかろうか。”Dead” の解釈を柔軟にして欲しい。
次に “Reckoning” だ。これは日本の学校で習うのかどうか知らないが、今回に関しては、”何かを推測したりすること“という認識で良いと思う。精度としては”estimating”よりも高い、経験や計算に基づく推測という感じがある。
つまり “Dead Reckoning” とは、乗り物の”推測航法” であると同時に、広くは “重要な要素が失われた状態での推測” のようなニュアンスがある言葉なのだ。
ということで、デッドレコニング。いったい何がどうデッドレコニングなのか? そこを意識しながら見ると、より楽しめると思う。私の感想を述べると、あいつもこいつも俺もデッドレコニングだったって感じ。
・トムのSNS
映画を楽しむうえでタイトルの次に重要なのが、トムのSNSだ。なぜ2番手なのかというと、人によってはバチクソにネタバレで優先度が下がりそうだから。
しばらくは「トップガン マーヴェリック」関連の投稿をしていたが、去年の12月くらいから急速に「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」にシフトしたトム。
映画の公開されるよりだいぶ早い段階から、本作のスタントシーンなどをバリバリに公開し始めたのだ。
そして、トムあるあるだが、彼のスタントは、もはや手のつけようがない領域に突入している。
「ゴースト・プロトコル」でブルジュ・ハリファからぶら下がった時点でどうかしている(いい意味で)と思ったが、「ローグ・ネイション」で軍用機からぶら下がったことで、まだどうかしきっていなかったことが発覚。
「フォールアウト」ではヘリから落下し、ビルからビルへ飛び移って骨折し、本物の特殊部隊を除けばトム・クルーズくらいしかやろうと思わない高高度降下低高度開傘を本当にやるなど、エスカレートしていくトム。
そして今回はマジな崖からバイクで飛び降りる(予告編などで散々使われているので、もはやネタバレではあるまい)始末。ちなみに本編では、これ以上にスリルのあるシーンが存在する。
彼のSNSでは、そういったやべぇシーンの撮影時の様子を収めた動画が、映画の公開より早く投稿されていたのだ!
映画を見てから彼のSNSを見れば、これCGじゃなかったのかよ(若干の引き)……となるし、SNSを先に見てから映画を見たら、このセリフは演技というより結構本音じゃねぇかなぁ……となるだろう。
先でも後でも良いと思うが、どちらにしろトムのSNSは見た方が良い。あと、パラマウントの公式YouTubeだ。そっちではトレーラー等に紛れているが、トムのSNSにあがっている裏側動画の長いバージョンが投稿されている。
ミッションシリーズは、スタントのヤバさも見どころの1つ。どのシーンが本当にやっているのかを知ることも、作品を楽しむうえでの重要な要素に組み込まれている感がある。忘れずにチェックしてみて欲しい。
・復習は必須じゃない
最後に、より楽しむための情報というよりは、気にしなくていい点も触れておこう。本作には3作連続となるイルサ・ファウスト(トム演じる主人公といい感じな女エージェント)。
そして前作からはホワイト・ウィドウ(闇の武器商人)が続投しており、1作目以来となるユージーン・キトリッジ(IMFの偉い人)が登場するなどしている。
そのため、過去の作品を復習した方が良さそうな気がしてネトフリをチェックするも無く、アマプラでは有料(2023年7月20日時点)。どうすっかなぁ……となっている方もいるだろう。
安心してほしい。復習は必須じゃないぞ! 本作は完全に新しい脅威との闘い。何も知らなくとも全く問題ない。もちろん見ておいても損はしないが、その場合はイルサが初登場する「ローグ・ネイション」からでいいと思う。
ということで、2年連続で上陸してきたトムの新作。去年のトップガンも凄まじかったが、今年のミッション:インポッシブルもガチだ! 迫力がやべぇので、是非とも近所で一番デカいスクリーンの映画館で見てくれ!!
参考リンク:ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE、Instagram @tomcruise
執筆&写真:江川資具
※公式で先に公開されている情報だが、ネタバレにもなり得るので気になる人は気をつけてね。
▼パラマウント公式YouTubeチャンネルより、崖のシーンの裏側。
▼列車の裏側。