東急歌舞伎町タワーの中にできたライブハウス「Zepp Shinjuku」

お台場の再開発で閉館したZepp Tokyo、契約更新ができず惜しまれつつ閉館した新木場スタジオコーストのかわりとなる、新たなライブハウスのオープンということで注目度も高いと思う。

先日、初めてZepp新宿でライブを見る機会に恵まれたのだが……。なんというか、めちゃくちゃ困惑したのである。いつものライブハウスに行く感覚で準備すると、エライ目に遭うかもしれない。特に地方からライブ遠征する人は注意してほしい。

・2000人キャパ問題

ライブをよく観に行く人なら聞いたことがあるかもしれないが、ここ数年「ライブハウス2000人キャパ問題」というのがあった。

東京オリンピックの用地問題などで1000〜2000人前後を収容できるキャパシティの中規模なライブハウスが相次いで閉館してしまって数が足りない……ということである。ざっとあげるとこんな感じ。


・SHIBUYA-AX(2014年閉館)
・赤坂BLITZ(2020年閉館)
・Zepp Tokyo (2022年1月閉館)
・新木場スタジオコースト (2022年1月閉館)
・中野サンプラザ(2023年6月閉館)
・日比谷公園大音楽堂(2024年建て替え休館予定)


こうして見ると閉館祭りで悲しくなってしまう……。「Zepp Divercity」のような新しいホールもできてはいるのだが、都心からアクセスがしづらい。平日の19時開演に間に合わせようと思うと就業直後にダッシュしないと間に合わないし、ライブが終わったあとに開いてる飲食店が少ないのも不便だった。

そんな中にあって、アクセス至便な新宿のド真ん中にZeppができるのはありがたいことだったのである。



・ドリンクの支払いが……

そんなわけで、仕事が終わってからライブを見るためにZepp新宿へ。場所は東急歌舞伎町タワーの地下4階。歌舞伎町なんかそもそも深夜までうるさいので、ライブの振動や騒音も問題になりづらそうだし、ナイスなセレクトだったんじゃなかろうか。

さて、Zepp新宿の何が他のライブハウスと違うかというと……入場と同時に支払うドリンク代の決済方法なのである。

チケットを見せたあと、このドリンク代を払わなければライブ会場に入れないのだが、支払いは現金NG。2023年7月現在、交通系ICしか使えないのだ! 

会場内にはチャージできる場所はないので、いくら良番のチケットを持っていたとしてもSuicaやPASMOを持っていなかったり、残高が不足したりするとアウト。普段からチャージ機を使っていて残高不足の場合、近くのコンビニか駅まで戻らないといけなくなる。

私のように、Suicaにギリギリの金額しか入れずに生活している人間からすると鬼畜の仕様である。Zepp新宿はキャッシュレス決済を進めているというが、PayPayとかメルペイなどのコード決済が使えないのはモヤモヤする。

ちなみにドリンク代は600円で、引き換えとして渡されるのはドリンクコインであった。そこはコインなんか。

まあ、考えようによってはライブハウスに財布を持たずに入れるってことなので、防犯上の観点からするといいのかもしれない……と思った。


ところがである!


・ロッカー代の支払いが…

どうにかSuicaの残高があったので、ホッとしながら会場内に入る。仕事帰りでPCを持っているのでロッカーに荷物を預けようとした。

キャッシュレス決済を進めてるということだったので、ロッカーも交通系支払いだろうな……と思ったところ


ロッカー代の支払いは現金オンリーなのだ!!!


開演前ってとにかく早く会場に入らねばと焦っていることが多い。スマホで電子チケット見せて、Suicaのカードを出してドリンク代をピッと払って、荷物をロッカーに入れて財布から現金を出して……などとやっていると、とにかくワチャワチャする。不器用な私はもはや軽くパニックである。

ちなみにロッカー代は400円。両替機はあるけど、100円玉はジャラジャラ持ってたほうがよさそう。

私もすでに40になって、どうしてもライブを前で観たい……的な願望はない。しかしこれが若い頃で、バンドやアイドルのおっかけをして前で観たい願望が強かったら、モタモタしているうちにどんどん抜かされて泣いてたかもしれない。



・物販の支払いが…

さて、楽しいライブも終わって余韻を噛み締めながら、今日の思い出とバンドへのお布施としてグッズを買おう……と物販に並んだが、ここでも軽く事件があった。


物販の支払いは現金もしくはPayPayオンリーだったのだ……。


物販の支払いはZeppの問題ではなくバンドによって異なる可能性もあるので、なんとも言えない。しかし、ドリンク代の支払いは交通系ICだけど物販はPayPayってなんなのか。現金を持っていたから良かったものの、支払い方法が各地で異なりすぎて、なんだか無駄に神経をすり減らした感があった。赤上げて白下げる、白下げないで赤上げる……みたいな、旗振り運動みたいだ。


というわけで2023年7月時点のZepp新宿の支払い情報をまとめると

ドリンク代……交通系IC(600円)
ロッカー代……現金(400円)
物販購入……現金 or PayPay
(ミュージシャンによって異なる可能性も)


という感じ。アクセスはいいけど、すくなくとも現金と交通系ICは必須なので、地方からライブに遠征で来る人などは注意されたし。SuicaやICOCAみたいな交通系カードをあんまり使わない地方だってあるからね。

余談だけど、Zepp Shinjukuのキャパはスタンディングで1500人。Zepp Tokyoの2700人や新木場スタジオコーストの2400人に比べると1000人くらい少ないのでチケット合戦がけっこう熾烈。あと、会場は縦長の作りでライブハウス感は強かったです。あと、治安が不安視される歌舞伎町なので、若い人は帰りの時間に気をつけてね。


参考リンク:Zepp Shinjuku
執筆:御花畑マリコ
Photo:RocketNews24.

【追記】2023年7月21日8:30
当初「豊洲PIT(2022年12月閉館)」と書いておりましたが、さらに調べたところ、2022年12月末に「一般社団法人チームスマイル」の運営が終了し、2023年からは「ぴあ株式会社」に運営が引き継がれたことがわかりました。よって、2023年現在も運営中です。大変失礼いたしました。訂正してお詫び申し上げます。