個性強めのそばチェーン『よもだそば』。立ち食いそばファンにはもはや説明の必要もないだろうが、そば屋なのにインドカレーで知られる店である。スパイシーかつサラッとしていながら米に合う味の「よもだカレー」は、まさしく看板に書かれた通り、本格和風インドカレーだ。
そんなよもだそばには今週の週替わりメニューというものがある。1週間ごとに内容が替わっていくこのそば。2023年6月19日からは「自家製フライドポテトとベーコンのかき揚げそば」であった。繰り返す。フライドポテトとベーコンのかき揚げDA。
・そこかき揚げちゃうの?
そう、実はよもだそばにおいては、よもだカレーはまともな部類に入る。チーズそばとかメンチカツそばとか、そばメニューが狂いすぎているのだ。かき揚げはやたらデカイしな。
ウマイそば屋を求めて色んな町を放浪してきた立ち食いそば放浪記も305回。過去にはポテそばや、ポテトチップスそばなんてものもあったため、具材自体には驚かないのだが、かき揚げにしてしまうというのは新たな提案である。フライドポテトってすでに揚がってるし。
・衝撃
というわけで、注文してみることにした。週替わりそば(500円)のボタンは券売機の下の方にトッピングメニューに隠れるようにあった。扱いの不遇さに人気の無さをそこはかとなく感じるが、多分気のせいだと思う。
御徒町店は入口に入ると、まずカウンターがあって奥に席がある形。そのカウンター前からは、厨房の様子が見える。そこで食券を渡した後、調理の様子を見るともなく見ていたところ、このそばについて衝撃の事実が判明した。
薬味が粒マスタードだ……!
そばに粒マスタードは初めて見た。しかし、フライドポテトとベーコンであることを考えると確かにそれが自然。これはアリなのかナシなのか。ちなみに、ウォーターサーバーの横には「お好みでどうぞ」的な雰囲気で、ケチャップとマヨネーズも置かれている。まったく考えさせてくれるそば屋だ。
・味は
食べてみたところ、個人的な好みを申し上げると、粒マスタードはナシだ。そばつゆにも、かき揚げにも合っていない。
とは言え、フライドポテトとベーコンのかき揚げ自体は意外とアリ。豚肉の味はそばに合うし、そこにポテトがボリュームを演出する感じで、かき揚げの衣にそばつゆが染みることで味が一体化している。
結果として、注文して損したなあとは思わなかった。そばの新たな扉を開いたというほどではないが、ほぼ同じメニューばかりの立ち食いそば屋の中で、このチャレンジ精神は評価したいところ。
・よもだそばのチャレンジ精神
そんなチャレンジ精神は、コロナ禍中の2021年に御徒町に進出してきたことにも垣間見える。食に保守的な私(中澤)は、よもだそばが銀座店、日本橋店のみの頃は、よもだカレーセット一択だった。たまに足を運ぶレベルだと、よもだカレーを食べなきゃ損に感じるのである。
その私でも、こういった攻めたそばメニューを注文してみようと思えたのは、通いやすいところによもだそばができたから。今では週一で行っている。いたる所に感じられるよもだそばのチャレンジ精神。これからもその姿勢は応援している。
・今回紹介した店舗の情報
店名 よもだそば御徒町店
住所 東京都台東区上野5-27-6
営業時間 7:00~23:00
定休日 無休
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
▼よもだそばあるある
次こそは攻めたそばメニューを食べようと思っていても、行ったらカレーライスを食べてしまうのがよもだそば pic.twitter.com/1DEh6r9Jox
— 中澤星児(ロケットニュース24) (@sorekara_jona) June 24, 2023