うおおおおお! 営業してる!! 私(中澤)が思わず拳を突き上げたのは、ある夜、JR総武線浅草橋駅でのこと。駅前にある立ち食いそば屋『きらく蕎麦おがわ』に光がともっていたのである。

立ち食いそばの名店として有名なこの店。ぜひ一度食べてみたいと思っていたのだが、営業時間であるはずの10時頃は何回来てもずっと準備中だった。さっそく、入ってみたところ……

夜はそばをやっていないらしい。それならばと昼の営業時間を聞いてみることにした。ネットや本の情報では、7時から15時となっている営業時間。しかし、10時に来ても開いていない。一体いつ営業してるの?

・そば屋の営業時間

店主「7時から9時と11時から15時ですね」


──情報が間違っていたことはともかく、ちょうど隙間の時間に来てしまっていたなんて運が悪い。ちょっと時間をズラしても毎回準備中だったはずだよ! というわけで、翌日11時に出直してみたところ……

やっぱり準備中やん! なんで!? 嘘ついたん?? 一瞬人間不信になりかけたが、店主の言葉を信じて待ち続けていると11時30分に開店した。気楽かよ!!

・4度目にしてたどり着いたそば

というわけで、さっそく入店し『かき揚げそば(税込400円)』を注文した。濃い色をしたつゆ越しでも分かるほどツルッと美しい麺。その上に立体的に立ち上がっているような分厚いかき揚げが乗っている。4度目にしてやっとたどり着いたかき揚げそば……いただきます!

そばを食べると、美しい見た目通りのツルツルした食感。しかし、この舌触りはどうだ! まるで絹のようではないか!! 噛むとコシがあり、飲み込むとキリッと締まった麺がのどを滑る。ウマイ。

さらに、つゆは圧倒的にコク深い。それでいて甘さ控えめなところがまた麺とマッチしていていぶし銀を感じた。渋い! かき揚げは揚げ置きのようだが、つゆを吸ってふわっと解ける食べ心地がそばを進ませる。

・ウマさの秘密

しかし、何だろう? そば全体に漂うこの爽やかさは。ひと口食べる度に口の中がスッとするようだ。そう思いながら食べ進めていると……ん? なんだこの黄色いの。あっ! こ、これは……

ゆずだ!! そばにゆずがちょっとだけ入ってる! 先ほどから感じていた爽やかさの正体はこれだったのか……。細部まで作り込まれた上品な味はとても400円の立ち食いそばとは思えない。

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絹のような麺と独特のつゆ

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4度挑戦した甲斐があった。営業は気楽だが味は全然気楽じゃない『きらく蕎麦おがわ』。浅草橋に立ち寄った際は覗いてみてくれ。きっと気楽なオヤジが出迎えてくれるだろう。

・今回紹介した店舗の情報

店名 きらく蕎麦おがわ
住所 東京都台東区浅草橋1-9-11
営業時間 月~金7:00~9:00、11:00~15:00(17:00~串揚げ屋)
定休日 土曜・日曜・祝日

Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼かき揚げ天は立体的な厚み


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日本、〒111-0053 東京都台東区浅草橋1丁目9−11