肉の甘みとタレの甘みのマリアージュ。大阪出身である私(中澤)にとってホルモンの魅力はそれだ。じゅわっと染み出る甘みで口の中をトロけさせて欲しい。

だが、北海道の旭川には「塩ホルモン」というB級グルメがあるという。? それウマイの? 正直、その人気の理由がピンと来なかったから地元民に聞いてみた!

・有名なのは『馬場ホルモン』と『炭や』

話を伺ったのは旭川在住のKさん。Kさんいわく、塩ホルモンは飲み屋などのメニューにあるだけではなく、専門店もいくつかあり、有名店となるといつも行列なのだという。どうやら、ガチで地元で親しまれているB級グルメのようだ。

特に、有名なのは『馬場ホルモン』と『炭や』とのこと。『馬場ホルモン』は休みだったため、『炭や』で食べながら話を聞くことになった。

・オープンから満席

開店時間の17時ちょうどに行ったところ、予約ですでに多くの席が埋まっている模様。予約なしであることを伝えると、空いてる席を確認して通してくれたのだがギリギリという感じ。我々が入る頃には予約なし席はいっぱいになっていた。地元民に人気というのはガチのようである。

メニューは塩ホルモンだけでなく、他の部位も、なんなら牛、鶏、羊もあった。しかしながら、周りの客は、とりあえず生みたいな調子で「塩ホルモン」か「ミックスホルモン(塩ホルモンと上ホルモンのミックス皿)」を注文している。そこで私もとりあえずミックスホルモン。

・好みが別れそうな味

焼くのは席の七輪で。昭和感のある店の素朴な雰囲気も相まって、これだけでも “味” が出ている。それも踏まえると、旭川観光的な満足度は非常に高い

が、料理の味だけで考えると、やっぱりタレひたひたのホルモンの方が好きかもなあ。タレに慣れ親しんだ私からすると、塩ホルモンはホルモン感が強い。なんだか、ホルモンに素手でぶん殴られてるみたいな味なのだ。

とは言え、さっぱりしているため、そこが好きな人もいそう。要するに、結構好みがハッキリ分かれそうな味なのである。


・地元民に直接聞いてみた

というわけで、今のところ、これだけ熱い支持を受ける理由もピンと来ない。そこで隣でビールを飲んでいるKさんに聞いてみたところ……


Kさん「じゃあ、お腹も満たされたし、お会計しますか


──と、なぜか店員さんを呼んでお会計を始めるKさん。待て待て、これじゃあただ2人で飲み食いしただけやないか。と思いきや……

安っ


なんと、お会計が3880円だったのである。2人で結構肉を焼きまくって普通に食べて飲んだのにこれだけ? 1人分ですやん

Kさん「そう、塩ホルモンってなんせ安いんですよね。その割に肉がしっかり食べられるからコスパが良いんですよ。

味は好き嫌いがあると思うので、無理にオススメはしませんが、個人的にはちょっと飲む夕飯にベストで肉を食べたいなあって時に1人で食べに寄ったりもします。1500円もあれば、嫌というほど食べられますからね」

──とのこと。確かに、後日、別の飲み屋で見かけた塩もつ鍋というメニューも1人前490円と異常に安かった。


・イメージで判断しなくて良かった

というわけで、存在を知った時はいまいちピンと来なかった塩ホルモンの魅力は、話を聞いてみると実は非常に分かりやすいものであった。名物を聞くと、ついつい味とか見た目に注目してしまうが、近所にあって本当に食べるものってこういうものかもしれない。イメージだけで判断したら損してたなー。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.