な、なんなんだこの強烈な違和感は……! これは2023年5月9日から発売開始となった松屋の新作『ねぎたっぷりスパイスカレー』を食べた直後の率直な感想である。ウマい・マズいで言えばもちろんウマいのだが、松屋でこんなカレーが出てくるとは……正直驚いた。

松屋によれば本商品は「17種類のスパイスを使用した新作カレー」とのことだが、それにしても異端児すぎる。例えるなら少年ジャンプで「島耕作」の連載がいきなり始まっちゃったくらいのインパクトがあるのではなかろうか?

・前代未聞

今さら申し上げるまでもなく「牛めし」「ハンバーグ」と並び「カレー」は松屋の3本柱の1つである。これまでも「ごろごろチキンカレー」を筆頭に「うまトマカレー」や「プーパッポンカレー」など、数々の名作を展開してきた。

……が、どれだけ味が変わろうとも根底には “松屋イズム” が流れており、かみ砕いて言えば「どのカレーも松屋の味がした」と申し上げていいだろう。だがしかし、新作『ねぎたっぷりスパイスカレー』ほど松屋の遺伝子を感じさせないカレーは「前代未聞」と言っていいハズだ。

冒頭でもお伝えした通り、松屋によると『ねぎたっぷりスパイスカレー』は「17種類のスパイスを使用した新作カレー」であり「辛党への挑戦状」でもあるという。その発表通り、本商品はかなり辛いカレーであった。

またカレーのサイドを「牛肉」「ハンバーグ」「ソーセージ」から選べることも特徴で、その他には生卵や温泉玉子も追加が可能。最もスタンダードな『ねぎたっぷり牛肉スパイスカレー』は1人前730円だ。

・松屋の味がしない

さて、まず特徴的なのはルウがサラッサラであること。粘度はほぼなくスープカレーに若干とろみが付いている程度のサラサラ感である。この時点で「松屋ではこれまでになかったカレー」と申し上げていいだろう(スープカレーはあったけど)。

で、そのお味はキリリと辛い……というか、かなり辛い! さらに松屋お得意の「ニンニク & 旨味ギュギュウ系」の味わいではなく、言うなればキレ味の鋭いカレー。さらに大量のねぎ自体が複雑な旨味、つまりスパイスになっていた。

これは欧風でもなくインド風でもなく、そして一般的なスパイスカレーとも一線を画しているのではなかろうか? まさに「松屋流スパイスカレー」としか言いようが無いが、いつもの松屋テイストとは明らかに違うから話がややこしい。

・異端児すぎる

1つだけ確信を持って言えることは『ねぎたっぷりスパイスカレー』はかなりの異端児であるということ。特に松屋がお好きな方ほど『ねぎたっぷりスパイスカレー』には戸惑うハズだ。少年ジャンプに「島耕作」が載ってたら戸惑うのと同じ理論である。

とはいえ「島耕作」が名作であるように『ねぎたっぷりスパイスカレー』も美味しいカレーであることは間違いない。いつか『ねぎたっぷりスパイスカレー』は、松屋の伝説の異端児として語られる日が来る……のかもしれない。

参考リンク:松屋公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.