ほんわか〜ふんわか〜ほんわか〜ほい♪ このフレーズだけでピンときた人はきっと福岡、もしくは九州出身の人ではないだろうか。というのも、これはたこ焼き八ちゃん堂の歌。設立から40年以上の老舗だけに福岡で知らない人はいないほどの存在なのだ。
しかしながら、所変われば品変わるというように別の土地へ行くと誰も知らないケースは少なくない。いわゆるカルチャーショックってやつに繋がるのだが、ふとこう思った。本場の人が別の土地の人気商品を初めて食べたらどう感じるのだろうと。
・懐かしの味
というワケで八ちゃん堂のたこ焼きを大阪人に食べてもらうことにしたのが今回の話だ。
んでもって、大阪人とは当編集部の中澤記者である。たこ焼きの本場とも言われる大阪の人は、八ちゃん堂をどう評価するのだろうか。
ちなみにたこ焼きは楽天で購入(50個1400円、送料&ソース類の価格は別)。昔は黄色い移動販売車まで買いに行っていたが、今じゃ家まで送ってくれるなんてイイ時代になったものだなァ。
とりあえず、昔を思い出しながら福岡県出身の私が食べてみる。レンチン1つで出来上がるし、ラップなしで作れるのも手軽でよい。温めたらあとは……
ソースとマヨネーズ、青のりにかつお節をかけて……
ほい、完成。たしか八ちゃん堂は素朴な味だったと覚えている。もしかしたら八ちゃん堂を最後に食べてから、20年くらい経つかもしれないな。そんなことを考えながら一口食べてみると……
うん、生まれ育った田舎の風景がまぶたの裏に浮かぶ。河川敷から車で5分くらい走ったところに八ちゃん堂の移動販売車があったんだっけ。私にとってのたこ焼きはコレ。やはり素朴でどこか落ち着くような味である。
値段とか覚えていないが、安く提供されたいたのはなんとなく記憶に残っている。それこそ小学生とか中学生がお小遣いで買えるような……って、ハッ! いかんいかん、本題は大阪人に食べてもらうことだった!!
・大阪人が食べた結果
それでは本場の大阪人による実食といこう。やっぱり大阪といえばたこ焼き、たこ焼きといえば大阪のイメージがあるだけに辛口評価になるのだろうか。ドキドキしながら見守っていると、中澤記者は食べる前にこう口を開いた。
中澤「あくまで僕の考えなんですけど、大阪のたこ焼きってそんなにイイもんじゃないんですよ」
──ほへ? 今なんと……?
中澤「もちろん、クオリティは店によりますよ。でも、全体で見るとカリカリタイプじゃなくて、ブヨッとしているというか。とにかく安いんだけど安いなりのクオリティなんですね。逆にいうと、そういう気軽さが大阪のたこ焼きの特徴です」
──えっ、そうなんですか?
中澤「てか、たこ焼きって、そもそも粉もん焼いてソースとマヨネーズをかけたら、もうたこ焼きの味なんですよ。安くていいんですよ」
──それ以上もそれ以下もないと?
中澤「そうそう。製法によって味のクオリティに差がなくなる、これが発明であって。絶対まずくならないってのがたこ焼きのいいところなんですよね」
し、しらなかった。てっきりたこ焼き通がひしめく土地だとばかり思っていたが、どうやら大阪には大阪のたこ焼きに対する思いがあるらしい。では、そんな大阪人は八ちゃん堂をどう感じたかというと……
中澤「キャベツが入っているんですね。期待していた食感はあまりなかったですけど、このたこ焼きの感じは大阪っぽいです。地域密着型っていうのが伝わってきますよ。おやつとして楽しめるといいますか。わざわざそこに食べに行きたいという店とは逆タイプ」
──おぉ! まさしく八ちゃん堂はおやつにもなるたこ焼きなんです。
中澤「これが近所の屋台で安く売られていたら買うと思う。今回、冷凍たこ焼きですが、ちゃんと塊になっていて生地のトロッとした感じもある。タコは気持ち小さめかなとも思うけど美味しいですよ」
──ちなみにオリジナルソースはどうでした?
中澤「普通にウマいどろソースです。ちょっと辛めだけど、基本的にはどろソースの方向性だからいいと思います。大阪に近い感じで、このたこ焼きは大阪にあっても不思議じゃないです」
・たこ焼きとは
……とのことで、大阪人にとってたこ焼きがどれほど身近な存在なのかよく分かる結果になった。ソースとマヨがあれば、たこ焼きってそれでいい──中澤記者が自然とたこ焼きについて語れるあたり、大阪が本場と言われるのも納得である。
それにしても、たこ焼き1つでこうも新しい発見ができるとは驚いた。大阪にあってもおかしくなく、素朴で美味しい八ちゃん堂。長年、人気でいられる理由も分かったような気がする。ほんわか〜ふんわか〜ほんわか〜ほい♪
参考リンク:八ちゃん堂、楽天
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
▼こちらが八ちゃん堂の歌
▼半分に切ったらこんな感じ