世界を旅する個人旅行者のバイブル『地球の歩き方』シリーズ。

新型コロナウイルスによる旅行控えで冷え込むガイドブック業界だが、『月刊ムー』『ジョジョの奇妙な冒険』など異例かつ大胆なコラボレーションで逆に大注目を集めているのはご存じのとおり。

ただし同シリーズは、その情報密度と網羅性ゆえにレンガのように分厚いの難点。「重いんだよな」「行かない場所も載ってる」などとぼやき、カッターで分解して持ち歩いていた人に朗報だ。手のひらに収まる、嘘みたいに小さな豆本が登場した。


・豆ガシャ本「地球の歩き方」(500円)

同書が登場したのは、バンダイのカプセルトイ「豆ガシャ本」シリーズだ。カプセルを開けると手のひらサイズの『地球の歩き方』が出てくる。

およそ縦5cm×横3.3cmで、マッチ箱と同じか、ひとまわり小さいくらい。


それにもかかわらず、中身がちゃんとガイドブックなのだ! ルーヴル美術館のページであることが、おわかりいただけるだろうか。小さいのに、ものすごい情報量!!

写真もはっきりわかる! マカロン、エクレア、シュークリームといったフランスらしいスイーツの特集だ。

もう、ガイドブックはこれでいいんじゃないか? スーツケースを圧迫することも、街なかで開いて「いかにも平和な日本人観光客です」と犯罪者にアピールすることもなくなる。

120ページ超、フルカラー印刷の大ボリューム。ページを水増しするためにダミーの紙が入っているなんてことはまったくない。すべて有用な情報ページだ。過去に発行された本物のガイドブックの、バンダイオリジナル編集版になっているそう。

裏表紙もしっかり『地球の歩き方』だ。信じられない緻密さ……。

すごいのが、これだけ小さくても字がつぶれたりしていないところ。

ドールハウスづくりのテクニックで、実物を縮小印刷して貼りつけると本や商品パッケージのリアリティが、ぐっと増すというものがある。“海外雑誌の表紙風” の縮小プリントが専門誌の付録でついてきたりした。

閉じて見えなくなるページ部分は、適当な紙を束ねたり、ただの木材だったり作者によってそれぞれだが、これからはたぶん本当の本が簡単に買えるようになるなぁ……。

ラインナップは4種類。どれも日本人に大人気の行き先だ。かつてないほど大リーグに注目が集まっている中での「ニューヨーク」。


行ったならリゾートだけじゃなく大自然や神話に触れたい「ハワイ」。


東京在住者が読んでこそおもしろいと言われる「東京」! 創刊40周年記念、シリーズ初の国内版として爆売れしたものだ。


どれどれ、我らがロケットニュースの本拠地・新宿は……


くぅっ! 文字が小さすぎてスマホ老眼の筆者には読めない!


説明書には「文字サイズにより一部読みにくい箇所がございます」とあるが、筆者は本文ならかろうじて読めるか読めないか、というくらい。フォントが小さくなる住所や営業時間などは肉眼ではかなり厳しい。認めたくはないが、目のピント調節機能は加齢とともに落ちていくのだ……。

虫眼鏡を使ったり、スマホで一度撮影してから拡大表示したりすれば細部まで読めるぞ。かえって面倒くさいという事実は無視する。


・旅好き、本好きならマストバイ

店頭に登場したのは2022年7月下旬ころから。4冊そろえるには最低でも2000円と、カプセルトイとしてはちょっと高価格だが、筆者はものすご~~~く好きだ。

相当に目のいい人でないと実用できないことがわかったが、『地球の歩き方』がずらっと並ぶだけで、ものすごいテンションが上がる。この小さな誌面に情報が詰まっている、読みたければ読める、というのが無上のロマンだ。ぜひとも4冊そろえて欲しい。これを携えて海外に行ける日が楽しみだ。


参考リンク:バンダイ公式サイト
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
[ この記事の英語版はこちら / Read in English ]