
「るるぶ」といえば、「発行点数世界最多の旅行ガイドシリーズ」としてギネスに認定されたこともあるガイドブック界の王様。発行はJTBの出版部門「JTBパブリッシング」で、旅のプロが作っていると思って間違いない。
そんな王道トラベルガイドのはずの「るるぶ」マークを、なぜかプロレスコーナーで発見。ちょっと店員さん、コーナー間違ってますよ!
・『るるぶ新日本プロレス 公式ガイドブック』(税込1500円)
正確には「JTBのMOOK」というテーマ本シリーズ。先日ご紹介した『るるぶ宇宙』など、JTBパブリッシングでは特定のテーマを深掘りしたムックも多数出版しているらしい。
たとえば今回の『るるぶ新日本プロレス 公式ガイドブック』の場合、巻頭特集はスター選手である内藤哲也選手、オカダ・カズチカ選手、棚橋弘至選手、飯伏幸太選手のインタビュー。
さらにユニット別の選手紹介が続き、複雑にからみ合った派閥同士の関係が丸わかり。
「ケイオスのあと1人って誰だったっけ?」「○○と□□、どっちが背高かったっけ?」といった疑問に対して事典として使えたり、ビギナー向けのプロレス技解説など、まさに公式ガイドの名に恥じない。
新日本プロレスは女性ファンも多く、選手の写真集のようなファンブックも人気だが、本書は「るるぶ」らしく実用書の色合いが強い。「ブロマイドが欲しいんじゃないんだよ」という硬派も満足するはず。
選手やスタッフしか知らない舞台裏をのぞけるという意味では、オフィシャルファンクラブ「Team NJPW」の会報誌がファンにはおなじみだと思う。こぼれ話やオフショットも満載で内容の濃い冊子だが、「るるぶ」もそれに引けを取らない充実ぶりである。
ガイドブックを長年作っているJTBパブリッシングだけあって、誌面は「わかりやすい」のひとこと。膨大な情報が、ひと目で感覚的に理解できるよう巧みに配置されている。
個人的には「ちゃんこ鍋」レシピがおもしろかった。ヤングライオンと呼ばれる若手選手たちが暮らす、「野毛道場」寮の秘伝レシピだ。
さらに後半は「るるぶ」の本領発揮。「プロレスへ行こう!」と題して、各地の会場ガイド……たとえば「大田区総合体育館」など、通常の旅行ガイドでは絶対に出てこないような体育館やイベントホールが掲載されている。
さらに全国を巡業で回る選手たちが、各地で立ち寄るオススメの飲食店が紹介されていたり、「選手がオーナーのお店」のページがあったり。
それぞれの選手の出身地から観光的な見どころや、地元にいたころ通っていた店などもピックアップされているぞ。これは相当なマニアでも知らないのでは?
読んでいるだけで「この会場に行ったら、試合後にここでご飯食べて……」と夢がふくらむ内容である。ファン必携の書!
・たぶん何度も読み返す
ただでさえ出版不況などといわれる中、コロナ禍で旅行本が売れるはずもなく、ガイドブック業界は大変だと思う。そんな中「万人向けではないけれど、特定の人にとってはバイブルになる」ニッチなシリーズを発行してくれるのは頼もしい限り。
注意点として、掲載されているのは現役の選手が中心。往年のプロレスファンにはやや物足りないかもしれないが、新日の最新情報を網羅している1冊だと思っていただければいい。
発行は2021年3月。筆者が購入したのは最近なので、やや出遅れてしまったのだが、まだ書店等で見かけることもあると思う。少しでも新日本プロレスがお好きなら、買って損はないのでぜひ!
参考リンク:JTBパブリッシング「旅の本棚」、PRTIMES
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.
冨樫さや





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