コンビニというと全国どこでも同じ商品が買える、安定&安心のお店と言ったイメージが強いだろう。

ところが高知県にある『コンビニエンスおかばやし』は違う。これほど尖ったコンビニは全国を探せども他に存在しない、と断言したくなるほどに超絶カオス空間が広がっているのだから。

読者の皆さんにもこの魅力を感じて欲しい! そしてコンビニエンスおかばやしの虜(とりこ)になってしまった筆者の叫びを聞いてほしいィィィ~~~!!!!

・隠し切れないカオス

コンビニエンスおかばやしの外観は、遠目から見れば普通の商店と言っても良いだろう。

だが、店の前に大量に並べられたカラフルなのぼりから既にカオスが漏れ出ている。マヨネーズやウンチのイラストが描かれているのがチラッと目に入れば、珍スポット好きにはビビッと来るのではないだろうか。


近づいてみると既に “おかばやしワールド” がさく裂している。店先に備え付けられているのは……

サンドバッグ。

なんでサンドバッグ? どうして入り口につけてあるの?? 入店前から頭にハテナが浮かんで消えない。

ウンチにマヨネーズにサンドバッグ。総合して導き出されるこのお店の正体は……ダメだ、全然わかんない。とりあえず話は店内に入ってからにしよう。


・独特過ぎる品揃え

ドアを開けた筆者をまず出迎えたのは、右手にウンチ模様のオリジナルトイレットペーパー


正面にボクサーと思しき男性たちの写真や大量のグッズ、


そして左手に妙にボクシングに偏った雑誌類と……


視機能をトレーニングする機械でしたっけ? 調べてみたら『スープリュームビジョン』っていうらしい。なんでこんなものがコンビニにあるの??


早々に情報量が多くて混乱したが、落ち着いて店内を見まわしてみるとさらにカオスな空間が広がっていた。

店内の壁は空色に彩られ、置かれている商品は食べ物だけでなく服や雑貨、おもちゃなど様々。


不思議なのは入り口からボクシングという力強過ぎるスポーツを推してきたにも関わらず、それ以外は非常にファンシーな世界観なのである。


それにしてもレジの装飾はどうなってるんだ。オーナーである「チエさん」の似顔絵がビッチリと貼られ、もはや狂気的とも言える爆発的な情報を筆者の視界に送り込んできた。

クラクラするほど独特なオーラを放出し続けるコンビニエンスおかばやしなのだが、ひとつずつの商品をピックアップしてみた時、あることに気が付いた。


・スイーツはほぼ全部がオリジナル商品

まず気になったのがガラス瓶の中に詰められたショートブレッド。くるみ、うぐいすきなこ、レモン、ゴマなど味の種類が豊富。見た感じ手作りっぽく、大きくて食べ応えがあって美味しそうなのだ。


他にも冷蔵ケースの中にはあんこで作られたウンチ型の生菓子や、


看板商品であるOKABAプリンが並んでいる。外にあったのぼりと同じイラストが描かれている。マヨネーズじゃなくてプリンだったんだな。

味はプレーン、チョコ、ごま、紅茶、マンゴーなどが用意されていた。


さらには便器型の器にたっぷりと盛られたプリンや、


うんち型のメレンゲ菓子もド級のインパクト。

茶色いメレンゲの表面はボコボコしていて妙にリアル。まるで本物のウンチのようだ。食べるのに躊躇(ちゅうちょ)してしまいそうだが……。


隣にはおちちちゃんと名付けられたメレンゲもある。どう見てもおっぱい。ポップ曰く「大人気」ということ。


どれもこれも主張が強すぎるが、注目すべきはほとんどがオリジナル商品ということ。スイーツコーナーにおいてはほとんど仕入れ品が見当たらないのだ。

店員の方に話を聞いてみたところ、もともとはシフォンケーキやプリンを作って販売していたら徐々に種類が増えて現在のような品揃えになったのだとか。


言われてみればシンプルなシフォンケーキやどら焼き、ホールのケーキなどといった “普通っぽい” お菓子も並んでいる。

君たちがおかばやしのオリジナルメンバーなのかい?


ちなみに、ところどころに見られるボクシング関連アイテムはオーナー チエさんの趣味ということ。井上尚弥選手の試合を見てボクシングを始め、今ではジムが休みの日以外は毎日通うほどドハマりしているのだとか。

チエさんご本人に会うことはできなかったが、店内の様子を見ているだけでもチエさんの情熱的で真っ直ぐな性格が伝わってきたような気がする。きっと何事も全身全霊で取り組む女性なのだろう。


・味はネタじゃなく美味しい!

店内では情報を処理しきれず心がフワフワと無重力状態だったが、なんとか気になる商品をいくつか購入してきたので試食をしてみることにした。

まずはOKABAプリン マンゴー味(小サイズ税込432円)


チューっと吸い込むと、カスタードクリームのような質感のプリンが口の中に流れ込んでくる。

もったりとした舌触りとマンゴーの果汁感が美味しい。なにより子供の頃に憧れたマヨちゅっちゅの気分が味わえるのが幸せだな。人気商品であることが頷ける美味しさと珍しさである。


ただし、食べ終わる時の姿は大人にとってはちょっと恥ずかしい。


お次はショートブレッドのクルミ味(税込230円)だ。実際に手で持ってみると、ガラス瓶に入っていた時よりも大きく感じる。


かぶりつこうとすると顎が外れちゃいそうなぐらいだが、サイズだけではない。

バターの香りとザックリとした食感、絶妙な甘さと塩っけ、クルミとの相性。とにかく美味しいのだ。


最後はうんちくんメレンゲ(税込450円)。

口に入れてカリッと噛んだ瞬間に舌の上でホロホロとウンチが溶けていった。カラメルのようなビター感もあって美味しい。なんだか悔しいけどめちゃくちゃ旨いぞ、おかばやし!


ネタっぽい見た目とは裏腹にオリジナルスイーツはどれもクオリティが高く「騙された!」と言いたくなるほど。見た目で損をしているような気もするが、それを言うのはヤボってものだろう。ギャップがたまらなくてファンになった方は多いはずだもんな。

コンビニエンスおかばやしが高知県を代表する観光地になる日も近いだろう。……と、勝手ながら筆者は予想している。近くに行くことがあれば絶対に寄ってみてくれよな!

参考リンク:コンビニエンスおかばやしInstagram(旧)コンビニエンスおかばやしInstagram(新)
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.

▼買い物後、サンドバッグにパンチしてみたが……

▼完全に負けました。素人が手を出してはいけないものだった。

▼創業当時の雰囲気が残る看板。ウンチのウの字も感じさせない。

▼個人的に「それはダメだろ~!」って言いたくなった唐揚げ on 便器のお皿。