「学年誌」というジャンルがある。『小学一年生』や『幼稚園』といった学齢別の学習雑誌である。

年齢にふさわしい読み物の側面と、子どもの発達や学習に役立つ知育の側面があり、安心して子どもに買い与えられる雑誌だ。付録も子どもの大好きな「ごっこ遊び」アイテムや、アニメキャラクターとのコラボなど微笑ましいものが多い。

今月の『小学一年生』の付録も貯金箱。うんうん、小さいうちからお金の価値を学んだり貯金の習慣をつけることは大切だよね……とか感心していたら、とんだ詭弁(きべん)だった。真のテーマはウンチじゃないか~~~!


・『小学一年生』2022年2月号(税込1000円)

その付録とは「ウンがたまる!? トイレちょ金ばこ」である。


「かいウン付録」「ウンと貯めちゃいましょう!」など、あちこちでウンウンいっている。直接「ウンチ」って書かなければセーフだと思ったら大間違いだぞ。

「電話にでんわ」「コーディネートはこうでねえと」に通ずる、どことなく昭和のギャグセンス……と思ったら、雑誌内でも見事に「トイレにいっといれ」のフレーズを見つけた。ダジャレは時代を超えるのか。もしかして一周まわって新しいのかもしれない。

開封すると、洋式便器のプラスチック模型が入っている。


パーツを組み込むだけで完成するので難しいことはない。水洗レバーは左右どちらにもつけられる。

続いてペーパークラフトのジオラマを組み立てる。こちらは大人っぽい雰囲気の「ウンとさわやか★おトイレバージョン」。

先ほどの便器を中央に設置すれば完成。


硬貨を便器に入れ、汚物をジャーッと流す要領で水洗レバーを下げると……


するんと硬貨が消える!


たまったお金は便槽……ならぬ引き出しから取り出せる。


カレンダーがちゃんと1月になっていたり、ホルダーからトイレットペーパーを引き出せるなど芸が細かい。さすが小学館、妥協がない。


実は機能はそれだけではない。紙で作ったジャンプ台にウンチをのせて……


便器めがけて投げる「ウンとばしゲーム!!」つきだ。


トイレに上手く入ったウンチの色で運勢を占うもの。しかし意外に力加減が難しく、トイレの壁や床にウンチが激突しまくりである。現実だったら泣くぞ。

ジオラマはリバーシブルになっていて、裏返すと「ウン気アゲアゲ↗↗おトイレバージョン」になる。なるほど、きらきらピンク色でファンシーなバージョン……

って余計ウンチだらけじゃないかい!


さりげなくスッポンが描かれていたり


ウンチ型の洗面台の蛇口からは、なにやら黄色い液体が流れ出ていたり……


なんなのこの世界観。


・みんなウンチが好き

子どもはウンチやオシッコが大好きである。それは変態的な意味ではなく、発達上のごく自然な知的好奇心であり、だれもが通る健全な成長過程だ。怒られれば怒られるほどNGワードを連呼し、くだらない下ネタに大爆笑したあの頃。

そして多くの人は、その気持ちを心の奥底に秘めたまま大人になっている。

小学館の公式Twitterでは『社内で「何このシュールなやつ…」と訝(いぶか)しがられました』と述べており故意犯である。絶対ウンチ好きだな。

筆者もゲームに成功したので、これで今年一年ウン気上昇、開ウン招福である。お後がよろしいようで!


参考リンク:小学館キッズ
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.
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▼小学館公式Twitter

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