スシローが海外進出の動きを加速させている。今年の新規出店は国内より海外店舗のほうが多い見通しとのことで、近い将来マクドナルドやケンタッキーのような巨大チェーンに成長する可能性もあるかもしれない。なんとも複雑な気持ちである。

さて今回訪れた香港のスシロー(壽司郎)は「暫定・世界一映えるスシロー」(筆者調べ)と呼ぶべきインパクトのあるたたずまい。本記事はスシローマニアに “絶対食べるべきメニュー” を聞き、香港スシローを確実に攻略していこうという内容だ。じゃ、行ってきます!

・なんかエモ〜い気持ちに

香港市内にはスシローがたくさんある。そもそも香港自体あまり広くないため、普通に観光していれば確実にスシローを発見できるだろう。「暫定・世界一映えるスシロー」があるのはお寺で有名な『黄大仙』エリア。


明らかに混んでる!!!


そういえば……日本のスシローも以前はこれくらい混んでいるのが当たり前だった。おとり広告騒動、値上げ騒動、ネタ偽装騒動、迷惑動画騒動などなどの合わせ技により、ここ1年ほどは都心の店舗でも「待ち時間ゼロが普通」になっていたのだ。

これほど繁盛しているスシローを久々に目撃した私は、なんとも言えないエモ〜い気持ちになったのだった。日本と同じ仕様の電子パネルで受付を済ませる。

この段階で待ちは70組弱。かくして私が席へ案内されたのは、1時間15分後のことであった。

座席の配置や店内の雰囲気は日本と同じ。なお日本のスシローでは迷惑動画騒動以降、注文の品のみをレールに流す仕様となっているが、香港では寿司たちが今も元気にレール上を回っていた。日本では2度と見られないかもしれないと思うと感慨深いなぁ。

唯一、日本と明らかに異なるのは醤油皿が置かれている点。「スシローに醤油皿が無いのはコスト上の問題」と思い込んでいたが、香港であっさり実現しているのはどういうワケだろう?


・スシローマニアの見解

醤油皿問題はひとまず忘れて……香港スシローに関して意見を求めるべく、私は当サイトの中澤記者(スシローマニアでおなじみ)にチャットでメニュー表を送った。返事を待つ間、大好きな『味噌汁』と『いか』だけ食べておこう。

『あおさの味噌汁』(17HKD / 約283円)はやたら甘く、日本と明らかに味が違う。香港に限らず外国で味噌汁を飲むと甘い場合が多い。外国の人は甘めが好きなのかもしれない。

ちなみに香港スシローでは今月『赤シャリ祭り』が開催中(3月3日〜)。個人的には普通のシャリより好み。


中澤記者の返信によると、香港のスシローには現在日本で提供されていないメニューが多数存在しているそうだ。中でも絶対押さえておくべきは『鬼海老』(22HKD / 約366円)。

なんとも凶悪な面構えをした鬼海老。身はボタンエビのようにブリッと甘い。

そしてエビミソが引くほどウマい!!! 中澤記者いわく「鬼海老はスシローの系列『回転寿司みさき』で取り扱いがある」とのことなので、帰国したら絶対『みさき』へ足を運ぼうと思った。

続いて『ソフトシェルクラブにぎり』(27HKD / 約450円)。インパクト抜群なうえ、柔らかくってと〜ても美味。個人的には「なぜマヨをかけた?」と疑問を呈したいところだが……これが香港流なのだろうか。

『海鮮漬け大葉包み』(12HKD / 約200円)の具は、おそらく日本の『倍盛り海鮮ユッケ』と同じ。それを海苔ではなく大葉に乗せ、あまつさえイクラをぶっかけたものだ。大葉ファンが泣いて喜ぶ上品なお味。

そして中澤記者をして「スゴイ」と言わしめたのが、その名もズバリ『花の恋』(17HKD / 約283円)。

見た目もさることながら、ネーミングの美しさにシビれる。「恋の花」ではなく「花の恋」ってところが味わい深くてイイ。

あまりにマヨが大量すぎて一気に胸が苦しくなるが……この気持ち、「恋」に似ていると言えなくもないだろう。


・モタモタ厳禁

中澤記者は他にも、香港オリジナルや日本で現在発売されていないメニューを教えてくれていたが……

非情にもここで私の持ち時間は終了となってしまった。

この日の会計は7皿と味噌汁でしめて144HKD(約2398円)。もちろん日本のスシローを基準にすれば高めだが、香港の物価を考えると信じられない安さである。そりゃ混み合うはずだよね!

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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