ジャンボ! 今日もタクシー仕事のついでにポテトパトロールするオレ。すると、ナイバシャ・ロード(naivasha road)沿いに珍しくも立派な店を発見。その名も『キングスフライドチキン(KINGS FRIED CHIKEN)』。チキン屋さんには100%ポテトがあるからね。

しかし気になるのは、このエリアが『カワンワレ(Kawangware)』と呼ばれるスラム(ゲットー)のすぐ近くにあるということ。なぜこんな場所に、こんな立派な店を建てたんだろう……とオレは疑問に思っていた。

店に入ると、ほとんど客が入っていなかった。こんなにキレイな店なのに……。しかし、キレイな店だからこそ、客が入っていないのかもしれない。だってだって、この店のまわり、

こんな感じだよ? 明らかに浮いている。しかもだよ、肝心のポテトがいくらするのかというと──


150kes(約150円)だよ!


スラムの近くにある店なのに、まったくスラムの人の懐具合をわかっていない。こんなに高いポテト、一体だれが食べるのか。富裕層を狙っての価格だろうけど、ここにハイクラスなお客は来ないだろう──。


それでもオレはポテトを頼んだ。すると!


「150kesになります」


普通だと思うだろ。そうじゃないんだ。「金が先」と言うんだよ、この店は。しかもだよ、「10分待て」と。なぜだい? と聞いてみると、彼はニヤリと笑うだけだった。もしかして……どこかで買ってくる!?


結局、10分チョイして150kesのポテトは来た。しかしそれはあまりにも冷たく、かつ、あまりにも味のしない、ようするに美味くないポテトだった。オレは少しムカついた。ナメていると思った。なので聞いてみた。

「なぜこんなに冷たくて美味しくないポテトが150kesもするのですか?」と。


すると!


「ポテトが100kes、添え物のサラダが50kes、トマトケチャップは無料。それが150kesの内訳さ。ちなみにポテトが冷たいのは、いま電気が来ていないからだ。ポテトを揚げられないのも停電しているからだ」


──と平然とした顔で答えたのである! さらに「どうしても温かいポテトが食べたかったら、ここで停電が終わるまで待ってても良いよ。でも、いつ電気が復活するのかは、わからないけどね(笑)」とまで……!


馬鹿馬鹿しくなったオレは、ポテトを残して店をあとにした。本当だったらお金なんて払いたくなかったけど、先払いなのでどうしようもなかった。きっとこの店は、数ヶ月で潰れると思う。オレは、そうなることを、祈っている。日本のみなさんも、こんな店にはご注意を。クワヘリ。


執筆:チャオス(カンバ族)
超訳:GO羽鳥
Photo:RocketNews24.

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