ポケモンGOがローンチされたのは、今からさかのぼること6年前の2016年の夏。まさかピカチュウとゼニガメしか知らなかった私(P.K.サンジュン)が、ここまで長くポケモンGOをプレイしようとは夢にも思わなかった。
以来、ポケモンGO友達は出来たし、私の場合は仕事のネタにもなっているし、なんなら娘ともポケモンという共通の話題ができている。そういう意味でポケモン及びポケモンGOには感謝の念が尽きないのだが、あれは……あれだけは、消えたいほど恥ずかしかった──。
・普段は恥ずかしさゼロ
そもそも私はハートがそれなりに強い方の人間なのだろう。稀に友人などから「まだポケモンGOやってるの?(笑)」なんて言われても「やってるけど?」くらいは余裕で言い返せる。なんなら「趣味の尊さ」を説法するくらいはお茶の子さいさいだ。
またポケモンGOをプレイするトレーナーに「すげえ、〇〇匹も捕まえてるんですか!?」なんて言われると確かに気恥ずかしい気持ちも無くはないが、その場は「恐縮です!」くらいで乗り切れる。やはり1番キツイのは “死角からのぶっ込み” だ。
・ママ友が出来た
あれは今から2年ほど前の夏。私の日課は当時3歳だった娘の保育園の送り迎えで、あるタイミングでママ友ができていた。ママ友は娘と仲良くなってくれたお友達のお母さんで、稀にお迎えが一緒になると300メートルほどだけ帰り道をご一緒していたのだ。
この時すでに「主人がどこかで見たことあるんだよなぁ、って言ってるんですよね」という話をきっかけに、私がロケットニュース24の記者であることはバレていた。そういう意味では私も「油断していた」とも「準備を怠っていた」とも言えるかもしれない。
さて、その日私は娘を連れ、ママ友はお友達を連れ、いつも通りに帰り道をご一緒していた。変な意味ではなくママ友とは話し込むほどの話題は無く、基本的には子供の話しかしない。というか、娘たちが急に走り出したりしないか目を配るだけで精一杯だ。
・聞いてないよ
夏の暑さのせいか「アイスが食べたい!」「アイスが食べたい!」と連呼する娘たち。根負けする形でコンビニでアイスを購入し、小さな公園で娘たちにアイスを食べさせているその時──。ママ友が不意にこう尋ねてきたのだ。
「そういえば〇〇ちゃんパパ、ポケモンGOやってらっしゃいます?」
!!!!!!!!
あまりに無防備すぎた私は、ただただオロオロしていた。「あ、ああ、あああ、やや、ややや、やってます……」と、何とか絞り出すのが精一杯の私に向けて、そうとも知らないママ友は追撃の手を緩めてくれない。
「実は私もやってるんですけど、レベルおいくつですか?」
言いたくねぇぇぇええええええええ!!!!
当時、私のトレーナーレベルは50。いわゆる “カンスト” というヤツだ。この時はトレーナーレベルが40から50に開放されてそう経っていない頃で、200人弱いるフレンドさんの中でもレベル50に到達しているトレーナーは私を含めて数人しかいなかった。
「ごご、ご、ごおご、ンゴッ、50です……すみません……!」
ウソをついたところで私がロケットニュース24でポケモンGOの記事を執筆している以上、バレてしまう可能性は高い。その後「すごいですね! どうやったらレベルを効率的に上げられますか?」なんて聞かれた気がするが、なんと答えたかは覚えていない。ただ私は心の中でこう叫んでいた。
帰りてぇぇぇぇえええええ!!!!
早くアイス食べ終わってぇぇええええええ!!!!!
それまで娘のお友達やママ友たちの前では「娘を愛する優しいパパ」の顔しか使っていなかったのに、まさか「起きているときはポケモンGOを立ち上げっ放しのガチ勢」の顔を垣間見られていたとは。いま思い出しても顔からファイヤーする思いである。
その後、ラーメンマンの髪型になり、このママ友のみならず全保護者と先生方をザワつかせたことも恥ずかしかったが、純粋に「ポケモンGO」に限れば6年間で最も恥ずかしかったのはこの瞬間だ。おそらく今後もこれ以上恥ずかしいことはない……と思う。
先述の通り、私自身はポケモンGO絡みで人から何を言われようと「恥ずかしい」とは1ミリも思わない。だがしかし、あの日、あの時、あの場所で、ママ友から不意に聞かれた「レベルおいくつですか?」に答えるときだけは死ぬほど恥ずかしかったでござる。
参考リンク:ポケモンGO公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:c2022 Niantic, Inc. c2022 Pokemon. c1995-2022 Nintendo/Creatures Inc. /GAME FREAK inc.
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)