購入する前から福袋の中身がわかるようになり、しばらくが経つ。絶対に外さないことはありがたいが、一方で「何が入っているのか?」というワクワク感は激減してしまった。これも世の流れ……致し方ないことなのだろう。

そんな流れに逆らい続けていたのが、我らが「ヴィレッジヴァンガード」だったのだが、残念ながら昨年は「やや世の中に合わせている」という印象を受けざるを得なかった。そんな中である、ヴィレヴァンアウトレットの関係者からコンタクトがあったのは──。

・もがく本家ヴィレヴァン

少なくとも3年前までは「ほぼゴミ」と申し上げて差し支え無かったヴィレヴァン福袋。巨大なぬいぐるみ、海外産のやたら陽気な玩具、明らかに売れの残りのアパレル用品……などなど、開封後、そこは墓場と化していた。

それでも無限のワクワク感があったことも事実で、昨年のように「置きに行った福袋」ではヴィレヴァンの良さが生きてこない。つまりヴィレヴァンは、時代の流れと自分らしさの狭間でもがき苦しんでいる最中だと考えていいだろう。

・希望の光、ヴィレヴァンアウトレット

だがしかし、世の流れなど完全に無視して自由に生きるヴィレヴァンが存在した。それこそが全国に10店舗だけ存在する「ヴィレヴァンアウトレット」である。

ヴィレヴァンアウトレットは、本家ヴィレヴァンの型落ちした商品をメインに扱うアウトレット店で、リーズナブルな価格設定が最大の魅力だ。さらにヴィレヴァンイズムの “宝探し感” も兼ね備えた、とんでもなくワクワクするヴィレヴァンなのである。

実は1年前の2021年正月、私(P.K.サンジュン)のもとにこんなメッセージが届いていた。送り主はヴィレヴァンアウトレット高尾店の関係者。ちょうど「どうしたヴィレヴァン! もっとゴミを入れろ!!」と吠えていたタイミングと重なる。


「うちの福袋はマジでヤバいですよ。きっとサンジュンさんがご満足する内容です……ケッケッケ」


・お宝を求めて

なんだと……? 店員さん自らヤバいと言うからには相当ヤバい福袋なのだろう。その時点で福袋は売り切れていたため、今年は元旦からヴィレヴァンアウトレット高尾店に直行! 店頭で販売していた「1万円」「5000円」「3000円」の全3種類を購入した。

ダンボールを含む3つの福袋を電車で持ち帰るのが地獄だったことはさておき、今回ご紹介するのは「1万円」の福袋。なんと総額6万6000円分ものお宝が詰め込まれているというが「どうせゴミなんだろ?」というこの感覚……ワクワクドキドキが止まらない。

というわけで、いざヴィレヴァンアウトレットの「1万円福袋」の中身を大公開! 刮目せよ、これが俺たちが愛した “真のヴィレヴァン福袋” DA!!

・ヴィレヴァンアウトレット1万円福袋の中身

・ SEALANEの腕時計
・ Newhattanのポケモンリュックサック
・ WildThingsのショルダーバッグ
・ Highland2000のニット帽
・ ドリップコーヒーメーカー
・ フリップクロック
・ マッコウクジラのぬいぐるみ

※ ヴィレヴァンアウトレットの福袋は中身が盛大に違う可能性が高いです。

来たぜ来たぜ、やっぱりこれだよヴィレヴァン福袋ってのはさァァアアア! まず久々の再開となった巨大なぬいぐるみは「マッコウクジラ」であった。というか、自分なら絶対に買わねェェェエエエ! 普通に欲しくねェェェエエエ!!

その存在感は圧倒的で、ツルツルと滑らかな肌触りもなかなか良好。ただし、箱を開けた瞬間からほつれていた目元が「さすがアウトレット」といったところだろうか。普通にいらないけど実に良い。

・高級品もザクザク

お次に最も高額だと思われるのが「SEALANE(シーレーン)」の腕時計で、値札によればこちらは2万8000円。この腕時計1つで、元が取れているどころか3倍近く得をしている計算だ。やったぜ!

さらにブランドだけはしっかりしている「ポケモンリュックサック」「ショルダーバッグ」「ニット帽」の組み合わせは、往年のヴィレヴァン魂を強く感じずにはいられなかった。この “いいヤツなんだろうけど欲しくない感” こそ、ヴィレヴァン福袋の本質だ。

さらに「ドリップコーヒーメーカー」と「フリップクロック」も、ダンボールがスカスカだから “とりあえず大きめの入れておけ感” がエゲツない。そう、それでいいんだよヴィレヴァンは!

・大切な何かがある

ほとんどが値札が付いていなかったため総額は不明だが、おそらくきっちり6万6000円相当のグッズが詰め込まれているのだろう。これぞ6万6000円分の聖なるゴミ──。個人的にはどれ1つとして欲しいものは無かったが、それでも1万円以上は楽しませてもらいました。

というわけで、予想を裏切らないヤバさだったヴィレヴァンアウトレットの1万円福袋。魂を震わせる聖なるゴミに出会いたい人は、ぜひヴィレヴァンアウトレットに足を運んでいただきたい。多くの人が忘れかけている大切なものがそこにはあった。……ゴミだけど。

参考リンク:ヴィレヴァンアウトレット
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.


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