ダルい……ああ、ダルすぎる。人間いつも元気に過ごせればいいが、この日の私、P.K.サンジュンは恐ろしくやる気が起きなかった。面倒くさいんだよ、世の中の全てが面倒くさい……!

そんな私に声をかけてきたのは “パイセン” こと我らが佐藤英典。ダルいアピールをしまくっていた私は説教でもされるかと思いきや、パイセンは微笑みながらこう話しかけてきたのだ。

・ホトケの佐藤


「どうした、サンジュン。そんなにダルいのか」

──メッチャだるいです……なんならパイセンの存在すらも。

「ハハハ。言うなぁ~、サンジュンは」

──あれ? 怒らないんですか……?

「俺はある人と出会ってから怒るのはやめたんだ。小さなことでカリカリせず、あの人のようなビッグな男になるためにな」

──あの人……ですか?

「ああ、そうだ。よし、良かったらサンジュンも付いてくるか? 俺もまだまだ未熟者、サンジュンのようにやる気が出ない時もあるさ。そんな時は “儀式” で心を落ち着かせてるんだ」


・儀式とは?

そう言うと外出の準備を始めた佐藤。私もやる気が出ないままだとマズいので、おとなしく佐藤の後を付いていくことに。道中、佐藤は「あの人をどれだけ尊敬しているか?」を語り続けていた。


「あの人はとにかくバイタリティがスゴイ。俺もバイタリティがある方だと思ってたけど、あの人とはスケールが違う。あそこまでビッグな男は世界広しとはいえ、そういないハズだ」

──ナポレオンとかですか?

「ハハハ。案外近いかもしれんな」

──で、その人とはどんな関係なんですか?

「関係もクソもない。ただ俺が一方的に憧れているだけさ。それでも何かに負けそうなとき、くじけそうなとき、諦めてしまいそうなとき、あの人のことを考えると力が湧いてくるんだ」


……とかなんとか話していると、到着したのは蒙古タンメン中本。そう、あの旨辛ラーメンでお馴染みの大人気ラーメン店である。パイセンは何度も「あの人」と口にしていたが、中本とどう関係があるのだろう? だがしかし、直後に私は驚きの光景を目の当たりにすることになる──。

蒙古タンメン中本社長、白根誠氏がプリントされた看板を見つめる佐藤。すると……


深々と頭を下げたァァァアアアアア!


しかもなげぇぇぇええええええ!!


・あの人が判明


──パイセン、まさか “あの人” って……?

「そう、白根誠社長のことだ! 俺も人間だ、やる気が出ないときもある。そんな時は “白根参り” をしているのさ。こうして白根社長と心を通わせていると、ネガティブな感情もリセットされるんだ。さあ、サンジュンもやってみろ」

──や、ヤバいですね。

「……ハ! そうか、もしかしたらサンジュンや後輩たちが いまいちピリッとしないのは俺のせいかもしれん……!! だったらなるしかねえ!」

──え、パイセン?

そう言うと、突如猛スピードで走り始めた佐藤パイセン。その姿はまるで弾丸──。新宿の街に放たれた “黒い弾丸” である。


「なるしかねえ!」


「俺がなるしかねえ!!」


「俺が白根社長になるしかねえ!!!!!」


・白根社長に変身……!

黒い弾丸が駆け込んだのは新宿三丁目の美容室『ashuley 【アシュリー】』である。以前、当サイトの中澤が「レオナルド・ディカプリオ」に変身した際にお世話になっているが、まさかパイセン……あの人になるんですか……?


「そうだ。本来なら白根社長に会わせてやりたいところだが、俺にそんなコネはない。だが白根社長を感じさせることはできる。俺が白根社長になり切ることでな


滅茶苦茶な発想ではあるが、どうやら私を含んだ後輩のために一肌脱ごうとしてくれているらしいから無下にも出来ない。ここは大人しく佐藤を見守ることにした。

担当してくれたのは鈴木和毅さんで、無茶なオーダーにも「な、なんとかなると思います」と心強い即答。こうして佐藤パイセンと鈴木さんによる「プロジェクトS(白根)」が始まった。

かなり長いので割愛するが、白根社長への道のりは「ブリーチ」「カラーリング」「ヘアカット」「スタイリング」の4工程。なんとかかった時間は3時間半! 新幹線なら東京から岡山まで余裕で辿り着けてしまう。

・衝撃の光景

というか、3時間半もかけたところで白根社長になり切ることなんて可能なのだろうか? かつて佐藤が変身した「ドナルド・トランプ」はかなり特徴的な髪型であったが、白根社長はそこまで特徴は無いハズ。やがて全てを終えた佐藤が登場すると……



やべぇぇぇぇええええええ!


本人キターーーーー!!


なんという完成度だろうか? 髪型・ヒゲ・道着・ハチマキに至るまで、佐藤は完全に白根社長化に成功している。白根社長が佐藤とバッタリ出会ったら「ドッペルゲンガー」だと思っても何ら不思議ではない。

仕上がりには佐藤も満足したようで「俺もようやくあの人に近づけたな……」と感慨深げな様子。いや、激似すぎるでしょ! というか、白根社長やん!! 360度どこから見ても……



白根社長やん!!!!!!!!!!!!!!


また、不思議なことに白根社長(佐藤)が事務所にいてくれるだけで、我々にもやる気がみなぎってきた……気がする。なんという白根社長パワー。パイセンの言う通り、白根社長はとんでもない魅力を秘めた人物なのかもしれない。

少なくとも私のダルさはどこかへ消えてしまったし、事務所にいた全メンバーが笑顔に包まれていた。ブラボー、白根社長。ブラボー、佐藤パイセン。蒙古タンメン中本の人気の秘密が少しだけわかった気がします。


結論: 白根社長は世界一ィィィイイイ!


──完──


参考リンク:蒙古タンメン中本公式サイトashuley 【アシュリー】東京堂インターナショナル
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
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