店構えは重要だ。パッと見てそれがどんなサービスを提供しているお店なのか、わかった方が商売しやすいはず。しかしそのセオリーを無視するお店があるのも事実。

東京・錦糸町のとあるカレー屋もまた意表をつく店構えをしている。そのお店「ワクワクカレー」の外観は完全に無料案内所なのだ!

本当にカレーを食えるのか? 実際に入ってみたら本当にカレー屋だった!


・飲み屋も案内所も存続の危機

お店はJR錦糸町駅の南口を出て徒歩約3分のところにある。外観はまぎれもなく無料案内所だ。それもそのはず「無料案内情報館ワクワクインフォ」が営業しているお店だからだ。

無料案内所とは近隣のホストクラブやキャバクラなどを案内する場所だ。客を案内したお店から宣伝・広告料をもらって運営を行っており、錦糸町に限らず全国各地の飲み屋街に必ずと言っていいほどある。

しかしながらコロナ禍で飲み屋の営業が難しくなっており、案内所もまたその影響で存続の危機にある。そんななかにあってここは昼(11:00~14:30)のみカレー屋さんとして営業している。


・岩城さんとアキールさん

案内所のカレー、一体どんな味か確かめてみたい。だが、めちゃくちゃ入りにくい。私(佐藤)はカレーを食うためだけに入りたいのに、なんだかやましい気持ちになってしまうのは気のせいではないはず……。

意を決して入ると中は小さな喫茶店のようだ。カウンターの向こうには必要最低限の厨房設備があり、そこで1人の外国人スタッフが調理を行っている。


メニューを見ると「岩城さん家のポークカレー」(税込770円)と「アキールさん家のチキンカレー」(税込880円)の2種類のカレーがある。


岩城さんとアキールさん。誰だろう……。


・脳裏に浮かぶ母親の姿

私は岩城さんの方を食べてみることにした。一緒にサラダを注文しようと思ったら「今、サラダないです」と言われたので、代わりにランチスープ(税込160円)をお願いした。


スープはスパイシーで1口飲んだだけで、額にジワリと汗がにじみ食欲が湧いてくる。香辛料の使い方がかなり本格的な感じがするぞ。

そしてコレがカレーだ。インド風のものを想像していたけど、意外にも日本式の欧風カレーだな。


食べると「中辛」と書かれていた割には辛味は控えめ。家庭的で懐かしさを感じる味、私の脳裏には母親の姿が浮かんだ。小学生の頃はカレー大好きだったな。我が家のカレーもこんな味だった気がする。岩城さん家のカレーはうちのカレーに近いことが判明した。

それにしても……まさか無料案内所で母親のことを思い出すことになるとは……


食べていると「サービスです」といって、ひと口チキンカレーを出してくれた。スタッフはとても温かみのある接し方をしてくれるので好感が持てる。


先ほどの岩城さん家のカレーと違って、こちらアキールさん家のカレーは猛烈に辛い! 激辛とまでは言わないけど、カッ! と頭に血が上るような辛さだ。ライスなしでは食えないな。


なぜカレー屋をやっているのだろうか? 話を聞くと、2019年頃から昼の時間を利用してカレーの販売を行っていたそうだ。コロナの感染拡大により近隣の飲み屋が閉店していくなかで、カレーの売上が少なからず案内所の足しになっているという。


・2人の酔っ払い

食べ終えて帰ろうとしたところ、昼間(12時頃)にも関わらず、酔っ払った男性2人組が入ってきた。カレーを食べるのかと思ったら、「キャバクラないですか~?」とスタッフに尋ねたではないか。

今の時間はカレー屋として営業をしている旨をスタッフが伝えると、男性2人はつまらなさそうに出ていった。それを見た私は複雑な気持ちになったのであった……。


なお、カレーはテイクアウトにも対応しているので「中に入りにくい」という人は持ち帰りで利用することをオススメする

・今回訪問した店舗の情報

店名 ワクワクカレー
住所 東京都墨田区江東橋2-17-2 1F
時間 11:00~14:30
定休日 土日祝

執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24