「路上飲み」が社会問題化している。文字通り路上で酒を飲む行為のことを指すが、いくら屋外でも長時間マスクをつけずに至近距離で談笑していれば、感染リスクも当然上がるということを我々は再認識すべきだろう。
とは言え、本来ならビアガーデンにでも繰り出している季節だ。夏真っ盛りに野外で飲むビールの悪魔的ウマさを知っている身からすれば、現在のこの状況は本当に耐え難いものがある。何かいい手はないものか?
そこへ声を掛けてきたのが、“マスクのプロ” を自称する当編集部の中澤星児だった。プロは言う。「マスクをしたまま路上飲みする方法」を知っていると──。去年、これとほぼ同じ出来事があったような気がするが、とりあえず話を聞いてみることに。
・ある日の昼下がり
──いやぁ、スポーツをするような気温じゃないな。こんな暑い日はビールを飲むしかないな。
──でも外で酒を飲むワケにもいかないしな。すぐそばにいるのに心は離れているんだな。
──ああ、ビールが飲みたい。外でビールが飲みたいな。マスクをしたままビールが飲みたいな……。
「何だそんなことかい」
──え?
──そ、その声は、まさか星児さん? でも一体どこに……。
「ここだよ」
いや……
今年もやんのかコレ。
・まさかの毎年恒例
そこには前回、前々回同様、スーツ姿にフルフェイスのマスクという異形な出で立ちの中澤が座っていた。ちなみに今のところ、発言まで去年とまったく同じである。おそらく次のセリフは「マスクじゃないよ」だと予想されるが……。
中澤「マスクじゃないよ」
ホントに言ったよ! 去年のコピペかよ!! 念のため説明すると、これは正確にはマスクではなく、フルフェイスのシュノーケルなのだ。よって水の中にだって入れる。飛沫云々どころか、何を喋っているのかもよく聞き取れないという点においては、ある意味、究極の感染対策と言えるかもしれない。
中澤「さっき、外でビールが飲みたいって言ってたでしょ? だったら教えてあげるよ。マスクをしたまま路上飲みする方法を。ちょっと手伝ってくれる?」
そう言うと中澤は場所を変え、缶ビールを私(あひるねこ)に手渡した。ここから先、去年の記事を読んでいない人には理解不能だと思われるため代わりに解説すると(読んでいても不能だと思うが)、要は中澤は……
シュノーケル上部の通気口にビールを直接注げば、
脱がずに飲めると主張しているのだ。
・謎理論
去年に引き続き、何をもってこの方法に活路を見出しているのかは謎であるものの、プロは「僕が路上飲みの落とし前をつけたい」とシンエヴァのシンジみたいなことを言ってボルテージを高めている。さようなら、すべての路上飲み。
──じゃあ星児さん、いいですか? 入れますよ?
中澤「乾杯!」
中澤の合図で、私はシュノーケルの通気口に勢いよくビールを注ぎ始めた。どうです? ちゃんと飲めてますか?
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!」
──え、何ですか? それにしてもウマそうだなぁ。こんな暑い日に外でビールが飲めるなんて羨ましい。
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!」
──あ、1本目がなくなりましたけど……もう1本飲んじゃいます? 飲んじゃいましょうか! 夏ですから!! すいません生追加で!
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボ助けゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!」
──行っけェェェェェエエエエエ!!
中澤「ゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボゴボ!!!!!」
──こうして中澤は、
大都会東京の陸上で危なく溺れかけるも…………
マスクをしたまま路上飲みすることに成功したのだった。
その顔は、まるで雨上がりの青空のように晴れ晴れしい。
・ビール最強説
ちなみに中澤によると、ビールはよく泡立つからか外に流れていきづらく、以前試した水やワインと比べて圧倒的に飲みやすいという。液体がマスク内に滞在する時間を考慮するなら、路上飲みにもっとも適しているのはビール……って知らんがな。
言うまでもなく、フルフェイスだと暑すぎて熱中症リスクが高まるのと、もしこの方法が広まった場合、小池百合子都知事に名指しで怒られてしまう可能性もゼロとは言えないため(広まらないと思うが)、基本的には真似をしないことを強くオススメする。ていうかやんな。
・真似厳禁
ビールはそのまま飲むのが一番ウマい──。これが今回またしても得られた最大にして唯一の教訓だ。思い出す機会があるのかは分からないが、どうか覚えておいて欲しい。
Report:あひるねこ
Photo:RocketNews24.
※本来の使用法ではありませんので、みなさんは説明書通りに正しく使うようにしましょう。
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▼中澤「最後の一滴までウマい!」