
私が子供のころ(約25〜30年前)、ラーメン屋といえば『どさん子』だった。当時は今のようにラーメン屋が多くなかったから、正確には「どさん子くらいしかなかった」というべきかもしれない。
まぁ、これは私の出身地である鳥取県の話なので、ヨソの地域のことは分からん。ただ少なくともあの頃は鳥取でさえ、市内に必ず数軒は『どさん子』があった。そして子供ながらに「同じ『どさん子』でも、店によって全然味が違うよなァ……」と感じていた。
そんな『どさん子』の海外進出1号店はフランス・パリ。果たして札幌風MISOスープは、パリっ子たちに受け入れられているのだろうか?
・極寒のPARIS
私がパリを訪れたのは2019年の11月。市内には粉雪が舞っていた。絶好の味噌ラーメン日和である。
パリ1区・2区の間には日本人街と呼ばれるエリアがあり、通りには「寿司」「おにぎり」「居酒屋」などの看板が並んでいる。中には中国や韓国の食材を扱う店も混ざっていて、 ”日本強めのアジア街” といった雰囲気。
飲食店以外でも至るところに日本語の表記が見られる。パリで困った時はこの辺に来ればなんとかなりそうだ。サンタン通りをしばらく進むと……
デタ! どさん子!
「LARMEN」と書かれた のれん が優雅に舞う横に、日本語とフランス語で書かれたメニュー。メインの味噌ラーメンは、赤味噌ベース・白味噌ベース・赤白ミックスから選べるようだ。
・食の都PARIS
他にも醤油や塩、季節限定メニューまで、様々な種類のラーメンが食べられる。
しかし、せっかく『どさん子』へ来たなら、まずはスタンダードな味噌ラーメンを食べてみるべきだろう。この日、厨房で調理を担当されていたのは日本人スタッフの方。このような異国で日本語が通じるのは嬉しい。
店内の客入りは上々の様子だ。さっそく席につくと…………ダ、ダハーーーーーッ!!!!
「スリにご注意ください!!」
・実は危険なPARIS
そう……実は最近、パリは治安が悪いことで知られている。財布はもちろん、スマホや貴金属をひったくられる事案も多発しているのだそうだ。私はいつも周囲に対して にらみ をきかせ、バッグを抱きしめるように市内を移動していたのである。
まさか味噌ラーメンを食べる間もスリに注意せねばならぬとは……油断もナニもあったものではないな。他にも店内には「無料でスープの濃さを調整できます」といった親切な張り紙が見られる。いい人も悪い人もいる街……それがPARIS。
・意外とお手頃
私が注文したのはチャーシュー、タマゴ、コーンがついた『白味噌ROYAL』。価格は13ユーロ(約1700円)。日本と比べたら2倍くらいだろうか。しかしココがパリのド真ん中であることを考えれば、むしろ「安い」と感じるくらいである。
さて冒頭で述べた通り、『どさん子』は店ごとの独自性が非常に強いのが特徴。そのため、言われなければ系列店だとは気づかないことが多い。パリ店のソレは黒ゴマが浮いているタイプの、わりとオーソドックスなどさん子・スープだ。
麺もいかにも平均的な味噌ラーメンって感じ! さっそく一口……
…………
…………
…………ウム。
普通!
・奥深き『どさん子』道
ファンならお分かりのことと思うが、『どさん子』のラーメンを食べて「メッチャウマイ」と感じることは滅多にない。しかし子供やお年寄りにも食べられる「普通の味」だからこそ、末長く何度も通いたくなる……要するに「普通」であることが “どさん子イズム” なのだ。
そういう意味でパリ店のラーメンは完全に『どさん子』していた。昭和生まれの日本人なら全員が「奇抜やのうてええ……これくらいがええんじゃ」とつぶやくだろう。調べたところパリ店はコロナ渦の現在も営業中。きっと2度目は、また別の味わいがするに違いない。
・ちなみに……
余談だが私の地元・鳥取県の名物は『牛骨ラーメン』。個人的に牛骨ラーメンはラーメン界屈指の実力を有するジャンルだと思っているし、いくつもの絶品牛骨ラーメンを食べさせる店を知っている。
が、しかし……! 私が個人的に鳥取県内で一番ウマいと思うラーメンは、誰がなんと言おうと「どさん子大将 大山店」の味噌ラーメンだ。観光客が訪れるには割とエグい場所にあるが、多少の苦労をしてでも食べてほしい逸品なのである。
あ、それから都内の「中野南口店」はなぜかカレーが絶品。こういう発見があるから「どさん子ラーメン巡り」はやめられない。
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 どさん子ラーメン パリ・オペラ
住所 40 Rue Sainte-Anne, 75002 Paris France
(営業時間は店舗にご確認ください)
※ 本記事は2019年11月の取材をもとに執筆しています
執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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亀沢郁奈












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