「二郎インスパイア系」というジャンルに分類されるラーメンがある。文字通り、ラーメン二郎からインスパイア(刺激)された亜流のラーメン群のことを指し、最近では もはや醤油・味噌・塩・豚骨といった “主流ジャンル” を凌ぐほどの人気だ。
私もそんな「二郎インスパイア系」のファンで、ときおり無作為に(つまりテキトーに)取り寄せるのが楽しみなのだが、今回入手したヤツはすごかった……。なにがスゴイって、麺が極太ぉぉぉぉぉ!
・「噛む麺! 大麺」
取り寄せたのは、静岡県富士市に本店をかまえる『らぁめん大山(たいざん)』の「噛む麺! 大麺(たいめん)」だ。価格は税込1080円。
「かむめん、たいめん」と韻を踏んでいますね。狩野英孝推しなら「ぼくイケメン」、ジョイマン推しなら「まことにすいまめん」でタイトなライムをキックしてくれ。
それはどうでもいいとして、聞くところによると この店の主人は以前、南町田にあったラーメン二郎(のちに閉店)の店主をつとめていた方らしい。つまりワンピース風に言うと「Jの一族」によるラーメンということだ。否応なしに期待感が高まるぜ……! ※J=JIROU
さて調理方法はカンタン。ズバリ麺とスープを15分前後ずつ茹でるだけだ。お好みでキャベツ・もやし・ニンニクも用意していいだろう。そんなワケで……
ハデに時間をぶっ飛ばして、はい完成!
・極めて太い
麺がすごく……太いです……。まさに極めて太い=極太。何年も前に食べたラーメン二郎 府中店の麺も極太だったが、アレをほうふつとさせる。どちらかというと立川店のような細麺が好みだけれども、とはいえ こういう太っといのも理屈抜きでテンション上がるなぁ(深い意味はないぞ)。
で、いざ すすってみると、嚙んだ食感は「わしわし」を通り越して「モキモキ」! 麺をすする、というよりは、小麦粉を食らうという表現の方がしっくりくるような食べ応えだ。というか噛む作業がちょっとした重労働である。
こりゃぁしっかり噛まないと、とてもじゃないが飲み込めんぞ! と身体が本能的に悟っているのか自然と咀嚼(そしゃく)回数も増える。完全にアゴが崩壊しかけているよ。なるほど、商品名の「噛む麺! 大麺」とはよくいったものだ。
・スープは意外にマイルド、ブタは…
噛む作業が重労働と書いたが、それでも食べることに苦を感じなかったのはひとえにスープのおかげである。
スープはどちらかというと非乳化寄りで、適度な濃厚さにキリッとした飲み口、それでいてコクもある。一方で、醤油かみりんか、あるいは豚の背脂由来の甘味も感じられてマイルドな仕上がり。これがまぁ~オイシイ! しかも嬉しいことに添加物は入っていないのだそうだ。
つまり「良い意味で暴力的ではない濃厚スープ」という印象。アゴを崩壊しにかかってくる暴力的な極太麺とは対照的で、逆にいえば良いコントラストが生まれていると言ってもいいだろう。
ブタ(チャーシュー)はバラ肉と思われるブ厚いものが2切れ。醤油をベースにした下味がしっかりとしみこんでいて、食感も肉々しくてウマイ! ……んだけど、弱っているアゴにトドメをさそうとしてきた影のボスでもある。嬉しい悲鳴とはこのことだ。さすがは「J」の意志を継ぐ者のラーメン、そう簡単には攻略させてくれない。
ということで思わぬ伏兵によりアゴが逝きかけたが、最後までおいしく完食! ごちそうさまでした。二郎系を喰らって心地よい疲労感に浸りたい方には絶対に推せるラーメンだ。特に太麺好きなら。
参考リンク:噛む麺! 大麺(宅麺.com)
執筆:ショーン
Photo:RocketNews24.
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