コンビニ大手3社が販売している「二郎系ラーメン」を食べ比べてみたのだが、結論からいうとイチオシは○○であーる! ……と高らかに宣言する予定だったのだが、無理だった。それぞれのファイティング・スタイルが違いすぎて、ぜんぜん競合していないのだ。

しかし、逆に言えばこれは消費者にとって非常に都合がイイともいえる。個々人の好みでコンビニ3社の中から選べばいいのだから。では、それぞれ一体なにがどう違うのか? 私の独断と偏見で それぞれの特色をあげるとするなら、以下の通りだ。


・ローソン → 初級者向け。あっさり、量少な目。
・セブン   → 中級者向け。味・量ともにバランス型。
・ファミマ → 上級者向け。暴力的、ボリューム満点。


──以上だ。もう、ホントこれに尽きる。私が伝えたいことの9割がこの3行に詰まっているといっても過言ではない。

1つだけ補足することが許されるなら、麺についても言及しておきたい。この手の商品はかつて「麺がうどんっぽい」ことがネックとされていたが、今回あらためて3社の商品を食べてみたところ、3社ともが「脱・うどん」へ向けてかなり前進をしていたぞ。

なので、「コンビニの “ジェネリック二郎” 食べたことあるんだけど、麺がな~。残念だよな~」と敬遠している人がいるとすれば、その固定観念は改めてもいいと思う。知らぬ間にローソンもセブンもファミマも頑張っていたようなので、気が向いたらワンチャンあげてほしい。

チャーシューとかヤサイの違いはどうかって? そこは正直、3社ともあまり変わり映えはしなかったのでドンマイだ。

ということで みなさん。さっそくお好みのコンビニへレッツ・ゴー! ……だが、もう少しだけ時間があるというのなら、今回 検証した他の内容もぜひ見ていただきたい。


 

・「数値」で比べてみた

まずは「数値」……つまり色んなデータで各社の商品を比べてみたのだが、これが実に興味深い結果となった! 比較した項目は「価格」「量」「カロリー」「たんぱく質」「脂質」「炭水化物」「食塩相当量」の7つ。

まず「価格」だが──

ファミマとローソンが598円であるのに対し、セブンは「594円」! わずか4円だがセブンが最安値となった。だが、各社とも “600円の壁” を超えないようとしているのは明白だ。

万が一600円台に乗ってしまえば、本家「ラーメン二郎」とコンビニの「ジェネリック二郎」が同価格帯になるという珍現象が起きてしまう。したがって、その “聖域” に踏み込まないようギリギリのところで企業努力が行われているのだろう。


そして、残る6項目はどうかというと……

ファミリーマート、強すぎィィィ!!!!

「カロリー」は唯一無二の4ケタ台で、脅威の1038kcal……コンビニ飯でここまで来ると、ちょっとしたカロリー・ハラスメントだ。

さらに「炭水化物」と「食塩相当量」も頭が1つ抜けており、「脂質」に関してはローソン(21.1g)とはダブルスコア以上の差で49g。こちらの基礎代謝量とか成人病リスクを完全に無視した「パワー型」のジェネリック二郎といっていいだろう。

一方、ローソンは「たんぱく質」でファミマと並んでいるものの、「量」「カロリー」「脂質」などは3社の中でもっとも低く、比較的ヘルシーであることがわかった。対してセブンは「中道」をいく数字が多く目立っている。

さてさて、それぞれの味はどうなのか? 食べ比べてみた。


 

・ローソン『濃厚豚醤油ラーメン』

まずローソンからは、東京・新小岩の名店「麺屋 一燈」が監修している『濃厚豚醤油ラーメン』という商品。3社の中では唯一、味付きゆで卵をトッピングに採用している。

簡潔にいうと──「クックックッ……ローソンは3社の中でも最弱……」と言いたくなるような優しく控えめな味わいが特徴。しかし、そのおかげかニンニクの香りがストレートに伝わってきて、結果、なかなかパンチのきいた一杯に仕上がっている。


 

ゆるくウェーブのかかっている中太麺は やや固めで、ワシワシと噛みごたえが良い。小麦粉の風味もちゃんと感じられる。ただ、セブン・ファミマと比べると麺の量はちょっと少ないかな? 逆に言えば食の細い人や、お年寄りでも問題なく食べられると思う。


 

少ないといえば、スープも絶望的に少ない。ほとんど「まぜそば」レベルなので、スープを楽しみたい人にとっては物足りないだろう。すっきりとマイルドで飲みやすいだけに少し残念。

ただ、本家ラーメン二郎を未体験の人や初級者の方には この控えめな味や量がちょうどイイと思う! おそらく、誰が食べてもそれなりにおいしく感じるのではないだろうか。軽~く二郎系をキメたい中級者にも推せる。


・セブンイレブン『豚ラーメン(三代目)』

続いては、セブンイレブンの『豚ラーメン』。日本一のラーメン屋として知られる千葉県・松戸市の「中華蕎麦 とみ田」が監修している商品だ。つい最近(2021年2月上旬)、「三代目」としてリニューアルされたものが発売されたばかりである。

詳細は先日のレビュー記事を参照いただきたいが、とにかくバランスの良い一品だ(あくまでも「ジロリアン目線」では)。味は濃すぎず薄すぎず、それでいて「三代目」から刷新された麺、そして増量された背脂のおかげで満足度が高くなった。

しかしながら この商品もスープの量は決して多くない。他の2社と比べると トッピングも簡素である(チャーシュー・ニンニク・ヤサイのみ)。とはいえ、二郎を食べたい衝動を一時的に鎮めるモノとしては十分すぎるクオリティだ。


 

・ファミリーマート『濃厚マシマシラーメン』

最後にファミリーマートからは、行列のできる東京の人気店「千里眼」監修『濃厚マシマシラーメン(ニンニク醤油)』。3社の中ではトッピングがもっとも賑やかだ。チャーシュー・ニンニク・ヤサイに加えて、青ネギと辛口揚げ玉がのっている。いざ、食べてみると……

くぅ~っ! あとでノド乾くぞコレ〜! ってぐらい暴力的な味の濃さだ。豚骨醤油のキレ・脂のコク・ニンニクの風味、全てがフルスロットル。「ジェネリック二郎って、こういうことッスよねぇぇぇぇ────‼︎⁇」と言わんばかりの狂気を感じる。

素直に好感が持てる点としては、スープが一般的なラーメンと同程度の量が入っているということ。また麺もボリューム満点で、食べ盛りの男子の胃袋も容易に満たすだろう。さすが1038キロカロリーだ。

一方で、残念ながら3社の中ではもっとも「脱・うどん」からおくれを取っているようにも感じられる。食べ応えは固めに茹でた「きしめん」に近い。しかし、この圧倒的なバイオレンス(暴力)を前にしたら “うどんっぽさ” なんか、些末なことだ。

なんにせよ食べる人を選ぶ商品だが、ムシャクシャしている人、部活帰りの人、辞書から「カロリー」のページを破り捨てた人、健康診断の担当医にケンカを売りたい人、職業が勇者、そしてガチのジロリアンなど、選ばれし者になら この商品、推せる!


・ジェネリック二郎の三国志

さて、ここまで読んでいただいた方には伝わったと思うが、3社が目指す方向性や立ち位置は、まるっきり異なっている。親しみやすさのローソン。優等生タイプのセブンイレブン。1人カロリー暴力団のファミリーマート……。

個性豊かな3社が絶妙な距離でにらみ合っていて、まさに「三国志」状態……なのだが、文字通り「勝負は平行線」をたどっていて、この先 交わることもなさそうだ。

しかしながら、定期的に行われる商品リニューアル次第では戦況が一気に変わる可能性もある。はたして仁義なき “ジェネリック二郎戦争” に終止符を打つ、奇跡的な一杯が現れる日はくるのか? 今後も目が離せない。

参考リンク:セブンイレブン『豚ラーメン』ファミリーマート『濃厚マシマシラーメン』ローソン『濃厚豚醤油ラーメン』
執筆:ショーン
Photo:RocketNews24.