「串カツ田中」といえば大阪・西成の味を再現して全国に出店し、「ソース二度づけ禁止」の常套句とともに大躍進した串カツチェーン……

らしいのだが、新潟市や札幌市など一部の例外を除いて、栃木県以北が空白地帯なのはご存じだろうか。

食べてみたい……キャベツでソースをすくってみたい……「二度づけはマナー違反」とか言ってみたい……! そんな北日本育ちの筆者に、とあるニュースが飛び込んできた。コロナ禍中の4月、公式オンラインショップができたという!


・まずはおためしアソート10本セット(税込2980円)

パソコンにかぶりついて購入したのは「まずはおためしアソート10本セット」(税込2980円)だ。50本、100本といった商品も並ぶ中、おためし版があるのは消費者心理をわかってらっしゃる。

とはいえ1本298円計算だから、普段店舗に行かれる方からすると、「高っ!」という感覚ではないだろうか。なんでも店舗ではハッピーアワーやら100円セールやら激安フェアがあるという。しかしそれも新型コロナ再拡大前の話。

しかも実は今回、送料を支払っていない。ネット通販、とりわけ冷凍食品のお取り寄せはクール便対応になるため送料が割高だ。「商品よりも高い送料」を支払うことさえ珍しくない。

ところが「串カツ田中」では2021年6月現在、送料無料! つまり支払いは2980円のまま! 神か!!

セット内容は「豚、ハムカツ、エビ、レンコン、チーズ」5種セット×2人前。

のはずなのだが、開封していたら……なんだこれ?


なぬっ! 「特別プレゼント! チーズ串5本セットをプレゼントいたします。ぜひご賞味ください」とのこと。(※明示されているサービスではないため、注文によって対応が異なる可能性あり)

チーズ串は店頭で1本240円だというから、これ1200円相当じゃないの!? なんという太っ腹!

もちろんイチ消費者として購入しているので、ロケットニュースだから……という特別扱いではない。特典条件は不明。完全に想定外であった。

実際には東京の世田谷で1号店を出した「串カツ田中」だが、西成で育った副社長の思い出の味なのだという。このアバウトな気前のよさが大阪人気質とも思える。


・卓上フライヤーで揚げてみる

串カツを揚げるとなるとそれなりの調理器具が必要だが、過去記事でレビューした「おひとりフライヤー」の出番である。具材はすでに串に刺して整えられているので、凍ったままフライヤーに投入するだけ。チーズ串は約2分、それ以外は約3~4分で揚がるという。

あっというまに、できあがり!


オリジナルブレンドのソースつき。知ってる、メスティンみたいなやつでソースつけるんでしょ。だが、そんなものは一般家庭にはないので、小皿を使う。

では、実力を見せてもらおうか。あんた、西の方じゃ、ずいぶん幅きかせてるみたいやないの。


あっ、ソースはサラサラなのか! なるほど、ドロリとたれるんじゃなく、ジワッと染み込む感じ。

ほほう……! これは、これは……!!


熱々のサクサクながら、油っぽくなく具材の旨味が感じられる! 均一に衣がついているので食感がいい。ソースはたっぷりつけられるよう、あっさり味なんだな。

スティック状のチーズ串は長さがあるので油にくぐらせるのが難しかったが……


どこまでも伸びる伸びる! 旨い!!


自宅なら二度づけでも三度づけでも自由自在。なんなら1口ごとにヒタヒタにできる。誰にも迷惑はかからない。

卓上フライヤーがあると、食べる → 揚げる → 食べる、のエンドレス居酒屋体験ができるな。プシュッと缶ビール……といいたいところだが、下戸なのでコーラを開ける。

過去に同じフライヤーで手づくり串揚げをやったこともあるのだが、まんべんなく衣をつけるには技術が要るし、具材がポロッと抜けてしまう危険性が常にあった。

しかし「串カツ田中」の商品は、しっかり串に固定されている上、大きさや形のばらつきもなく揚げやすい。ピンと一直線になったエビなど、家庭では難しい。やはり店舗で効率よく揚げる知恵が活かされている。

うむ、これが「串カツ田中」なんだな! 店舗では季節メニューやデザートメニューもあるみたいだし、あれこれ選んでオーダーするのは、かなり楽しいのでは? 次はぜひとも実店舗でお手合わせ願いたい。


・『おうちで居酒屋』セットも販売中

オンラインショップでは、父の日に向けた特別セットも販売中。名物の「さいぼし」や、お店仕様のジョッキつきだ。行きつけの人にとっては「あぁ、あれ!」という内容なのでは?

地方にお住まいの方も、「豚串&チーズ串100本セット」「ソース缶つき」「チンチロリンつき」など個性的な商品があるので、ぜひ公式サイトをのぞいてみて欲しい。実際に訪れるのはまだ難しくても、大阪の空気が感じられるかもしれない。


参考リンク:串カツ田中 オンラインショップ
執筆:冨樫さや
Photo:PR TIMES、RocketNews24.