「しゃぶしゃぶ温野菜」「ゆず庵」「しゃぶ葉」「バーミヤン」など、いずれもしゃぶしゃぶ食べ放題を実施する人気チェーン。お気に入りの店はあるだろうか?

中には「食べ放題は肉質がなぁ……」という方もいらっしゃるだろう。ましてや「しゃぶ葉」とくれば、すかいらーくグループ。ファミレスのイメージはぬぐえない。

ところが「しゃぶ葉」の食べ放題に「牛いちぼ」が期間限定で再登場。平日ランチで税込2199円(税抜1999円)という低価格ながら、「幻の肉」ともいわれる希少部位だと!?


・牛いちぼ&イベリコ豚 食べ放題コース(税込2199円~)

普段は「しゃぶしゃぶ温野菜」派のため、「しゃぶ葉」初来店の筆者に、店員さんが丁寧にシステムを説明してくれる。コース選択から肉の追加まで、すべてはタブレットオーダー。野菜やデザートはセルフサービスとなる。

野菜などを取りに行っているうちにテーブルセッティングされ、店員さんとの会話は最小限。非常に合理的である。

ただ、このときは1人だったのだが、2色鍋の向きが横向き(手前側と奥側で2色になる)にセットされたことに、若干の哀愁を感じないこともない。ここはお1人さまでも両方食べられるよう、ぜひ縦に置いていただきたい。

それではさっそく、期間限定「牛いちぼ」と、レギュラーメニューの「牛肉」を食べ比べ!


「牛肉」の方が大きめカットで色合いも美しいが、肉のまとまりには欠け、持ち上げた途端ちぎれそうである。ざっくり編んだレースのカーディガンをイメージしてもらえればいいだろうか。

味は決して悪くない。しっかり牛肉の味がして、なにも知らずに食べたら満足するレベルだと思う。が、ここまで細かく薄いにも関わらず、わずかなスジっぽさ、硬さは感じられる。

一方の「牛いちぼ」のカットは、ひとまわり小さめ。


ところが、口に含むと圧倒的に軟らかい!! これはいかに味音痴の筆者でもわかるレベルで軟らかく、ジューシーである。

あっさりした赤身肉だが、ほんのり甘い脂も感じられる。「脂の旨味があるのに、さっぱりしている」という、一見すると相反する属性が矛盾せず同居している。これ、いくらでも食べられる!

レギュラーメニューの牛肉とは「別モノ」といっていい。おかわりは間違いなく「牛いちぼ」一択だ。

ちなみに「牛いちぼ&イベリコ豚 食べ放題コース」にした場合でも、牛肉、牛カルビ、三元豚肩ロース、三元豚バラ肉、鶏肉といったレギュラーメニューはオーダー可能。しかし「牛いちぼ」を食べてしまうと「ほかの肉いらないよ!」となるだろう。

同じく今回のフェアの目玉メニューとなっているスペイン産イベリコ豚。


もうこれはご想像のとおり。軟らかく、臭みもなく、どんなスープ&タレに合わせても料理として成立する。文句なく美味しい。ここまでくると単に「牛と豚どっちが好きか」という好みの世界だ。甲乙つけがたし。


・ビュッフェレストランとしても優秀

よくあるシステムだが、鍋のスープ(だし)は数種類から選べる。「基本の白だし」はシンプルなので、タレや薬味を自由にアレンジする楽しみがある。ショウガやニンニク、もみじおろし、ネギなどなど、薬味BARも種類豊富だった。

フェアおすすめの「瀬戸内花藻塩と生姜のハーブだし」は、さっき裏庭で摘んできたハーブです、とでもいうようなヨーロピアンな香りが広がる。肉を入れてさっと煮込むと、洋風コンソメスープのようである。

ビュッフェコーナーには人気の香味野菜のほか、数え切れないほどの野菜が並んでいた。


個人的見解だが、食べ放題レストランの陰の主役は野菜である! 食品売り場で「高いなぁ……」と手を止めてしまうのは、肉でもなく魚でもなく野菜だ。でも食べ放題なら、家では決して食べられない量の野菜を、好きなだけ食べてよい!!

セルフスタイルだと感染症が心配なところだが、席を立つときはマスク・使い捨て手袋が必須。

麺類など、あらかじめ小分けになっているものもあって、よく考えられていた。ただし、こういった不特定多数が集まるレストランでは、感染症対策に相当気をつける人から、大雑把な人まで幅が出るので、ピーク時間を避けるなどの工夫も必要かもしれない。

あれこれ楽しく迷いながら「ハーブだし」に中華麺を入れてみたら、「新進気鋭の洋食シェフが作った創作ラーメン」のような微妙……もとい斬新な料理が誕生してしまった。これはオススメしない。まぁ、未知の1品を生み出してしまうのも、ビュッフェの醍醐味だ。

ファミリーレストランらしく、ワッフルメーカーやかき氷、綿菓子メーカーなどの手づくりデザートも大充実。好きなようにトッピングして楽しめる。

子ども向け……と思いきや、焼いたワッフルに生野菜(サラダ用)を山のように盛りつけて「おかず系ワッフル」にしている大人がいて感心した。シロウトではないな……!

過去に佐藤記者のレポートでもあったが、鍋料理は時間制限がシビアだ。煮る、食べる、鍋の手入れをする、さらには食材を取りに行く、手袋の着脱をする……「大忙し」という表現がぴったりくる。

「しゃぶ葉」では平日ランチは時間無制限、土・日・祝日ランチは80分(店舗によって異なる)なので、平日なら時間を気にせずゆっくり食べられる。

今回筆者はソロだったので、なおさらノンビリだった。すかいらーくグループらしくカジュアルな雰囲気ゆえ、1人でもまったく気にならないぞ。「しゃぶ葉」いいね!


・期間限定&数量限定

予定では8月8日までの提供だが、「数量限定のため、なくなり次第終了」とのこと。準備数が尽きたところで終了ということになる。

また、ご紹介した価格は平日ランチだが、牛いちぼコース自体は休日やディナー時にもある。注文できる肉の種類や、子ども料金など細かくコース設定が異なるので、詳細は公式サイトをご確認いただきたい。

ディナーになると寿司が加わるというメリットはあるが、筆者としては平日でも休日でもコスパのいいランチがオススメだ。


参考リンク:しゃぶ葉
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.