最近の『生ラーメン』はどんどんハイクオリティになってきている。名店の味を再現したものも多く、500円超えの商品だって珍しくない。こうなると、もはや我々が店へ行く目的は「チャーシュー」と「雰囲気」だけなのかもしれん。

ところで料理をたしなむ人なら「市販のカレールーは数種類混ぜたほうがおいしい」との噂を耳にしたことがあるだろう。当サイトで検証を行なった際は「大量に混ぜてもウマい」という結果が出たのだが、ひょっとしてアレはラーメンにも同じことが言えるのではないか?

・スーパーをハシゴ

さっそく私は近所のスーパー(サミット、ピーコック、イトーヨーカドー)をハシゴ。合計19種類の生ラーメンを発見することができた。正直、大きいスーパーにはもっとたくさんの生ラーメンが売っているイメージだったが……

よく見るとそこには『つけ麺』や『ざるラーメン』『まぜそば』なども混ざっており、純粋な生ラーメンは意外と少ない。今回の検証では “スープに入れて食べるタイプの中華麺” を生ラーメンと定義させていただくこととする。

まず王道の日清食品『行列のできる店のラーメン』シリーズ。「横浜家系」「担々麺」「こってり醤油」「函館(あっさりコク塩)」という、思わず「普通のヤツはないのか」と問いかけたくなる4種類がラインナップだ。

対するマルちゃん(東洋水産)の『北の味わい』シリーズは「醤油」「味噌」「塩」の3種類。ザ・王道。

同じマルちゃんでも『マルちゃんの生ラーメン』シリーズは安さが魅力だ。3食入りでこの日は188円。インスタントでおなじみの『昔ながらの中華そば』には “半生めん” バージョンもあったのか〜。

セブンプレミアムからは「醤油」「味噌」「タンメン」。

ご当地系は「すみれ(札幌)」「長尾中華そば(青森)」「喜多方らーめん」の3つ。ちなみに「進化(町田)」は購入後につけ麺だったことが判明。検証では除外してある。

あとは変わりダネの「トマトラーメン」「日清のチャンポン」で合計19種類だ。


・ネットニュース界がザワつく予感

ラーメンは早く食べないとノビてしまうため、この検証は時間との戦いになるだろう。

まず各ラーメンごとに指示された湯の量を合計する(今回は4900ml)。それを大きめの鍋で沸騰させ……


スープを全て投入。



ぐるぐるかき混ぜると…………なんかムッチャいい匂いがしてきた!!!!


本当は麺を茹でてからにするつもりだったけど、1口だけすすってみよう。ズズズ……



ウワァ……冗談抜きでウマい。


最初は強めの味噌味が来るのだが、ややあって醤油や魚介ダシが静かな存在感を放ちだす。そしてほのかに感じる酸味は…………トマト? お前、トマトだな!?

19種類の個性が1つも殺されることなく絶妙に融合。思いがけず奇跡のスープが爆誕してしまったようだ。割とガチでネットニュース界を揺るがす大ヒットになるかもしれない……!


・これより時間との戦い

さて賢明な読者は「麺によって茹で時間が異なるのではないか」という疑問を抱かれていることかと思う。

確かに19種類の麺はどれも太さが違い……

指定された茹で時間も様々だ。よく見ると色も全然違うな。

半生麺や蒸し麺も混ざっているというカオス……

しかし! 今回の検証ではあえて麺のタイプを完全無視。全て同時に湯の中へブチ込みたいと思う。これは決してヤケクソなのではなく、「硬い麺と柔らかい麺が混ざることで、新しい食感が生まれるかも」という狙いがあってのことだ。

当編集部には大ナベが1つしかない(スープに使用中)ため、中ナベで2回に分けて麺を茹でる段取りだ。沸騰した湯に麺を入れ、再度沸騰したら素早く湯切り!


それをすかさず……



スープにイン!



あらかじめ多めに湯を沸かしておくのがポイントだ!



湯切っては入れ……ここまでに要した時間は約4分。



ついに特大ミックス生ラーメンの完成である!!!!!


・みんなで食べてみた

先に自分で食べてみる時間などない。さっそく当サイトのサンジュン記者に実食してもらおう。

他人が作った料理は苦手なサンジュン記者。露骨に嫌そうな態度をとっているが……吠えヅラかくなよ!

サンジュン「まぁ、得体が知れない怖さはあるけど……普通にウマいんじゃない?


……あらっ? なんか思ったよりも反応が悪い?


人選を間違えたようなので、最終判定は俺たちの和才記者にお願いしよう。

和才「うん、おいしいです。サービスエリアのラーメンって感じがしますね」


・らちがあかん

「おいしい」とは言いつつも、やはりイマイチ反応が悪いサンジュン・和才両記者。もっとこう「死ぬほどウマい」とか「どこで買ったの?」とか、そういう気の利いたコメントはないのだろうか?

このままではラチがあかないので、ウマさに対するハードルが低い原田記者にも食べてもらうことにしよう。

原田「うまい! これが300円で売ってたら買うかな、たぶん!」


・茹で加減の重要性

……なんと、あの原田にまでツレない反応をされてしまった。我が同僚たちの味覚は一体どうなっているというのだろうか?

もういい、自分で食べることにしよう。いただきます……ズズズ……



こ、これは…………!



昔食べた「給食のラーメン」にそっくりだ〜〜〜っ!!!!


断っておくが今回のミックス生ラーメン、スープ単品でみるとかなりイイ線いっていたのは間違いない。しかし一度に19人前を茹でるのは多少無理があったようで、麺がノビノビのノビスケ状態になってしまっていたのである。

ただし、ノビた麺がウマくないのかというと、決してその限りでは無いのがラーメンの奥深いところ。誰にでも無性に「給食で食べたホニャホニャのラーメンが食べたい」って時、あるよね? そういう場合は今回のように大量茹でする方法をオススメしたい。

繰り返すがスープに関してはマジでウマかったので、次回はもう少し量を減らすなどの工夫をしていこうと思う。あるいはスープだけ冷凍し、麺はそのつど茹でるのもアリかも? 一期一会の出会いが楽しめるミックス生ラーメンの世界、みんなも足を踏み入れてみてくれ!

( ※ 残ったラーメンは編集部でおいしくいただきました)

執筆:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.
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