コロナ禍になって爆発的に増加した餃子の無人販売所。広く知られているのが「餃子の雪松」で、北は北海道から南は九州まで出店しているため一度くらい食べたことある人も多いのではないだろうか。

さて、そんな雪松に変化があって、このところ店舗の中に「日本ラーメン科学研究所」を併設するスタイルが急増している。どうやら2022年11月から勢いを増しているようだが、一体どんなものでどんな味なのだろう。

・雪松で買えるラーメン

とりあえず実際に見て、そして食べてみるかと「日本ラーメン科学研究所」が併設されている雪松へとやってきた。店舗に入ると……

餃子の冷凍庫の隣りにラーメンの冷凍庫が置いてあった。餃子とラーメンのシンプルな構成かと思いきや、焼豚、メンマ、煮卵の焼豚トッピングセット(3人前で1000円)もあるようだ。

なお、ラーメンの種類は醤油と豚骨の2種類(ともに3食入りで1000円)。支払いは無人販売所なので、もちろんおなじみの……

賽銭箱スタイルでお金を入れたらOKと購入するにあたり難しいことはない……のだが、利用した店舗だと現金支払いでおつりが出ないシステムだったのであらかじめ金額をキッチリ準備しておくといいだろう。


・豚骨ラーメンの味は?

ちなみに「日本ラーメン科学研究所」はラーメン界屈指の研究者が集まりデータベースを駆使。ラーメンを構成する麺とスープの何千通りもの組み合わせから、機器分析によってひとつひとつの味を網羅的に検証したそうな。

最大の特徴はスープで麺を茹でる調理法で、家で食べるラーメンの到達点を目指したのだという。もっと詳しく知りたい方は公式HPをご覧いただくとして、まずは2種類のラーメンを購入したうち豚骨の方からいただこう。

箱の中身はこんな感じで、作り方はとにかく簡単。スープに水(400ml)を加えて沸騰させ、そこに麺(100g)を投入。30秒動かさずに待ち、ほぐしてから中火でゆでれば完成だ。醤油は3分、豚骨は2分と細かく時間を指定してあるところにこだわりを感じる。

んで出来上がったラーメンがこちら。ちょっと白濁したスープで豚骨の臭みはそんなにしない。まぁ見た目はなんてことないラーメンなのだが、結論からいえば正直驚いた。

というのも、私は福岡出身だから豚骨ラーメンにはちとウルサイところがあるも、文句が出ないレベルでウマかったのだ。特にクリーミーなスープは福岡のラーメン屋を思い出すような味で、これが約333円で味わえるのは正直レベルが高い!

また、麺も細めで歯切れがいいし、程よくスープに絡んで卒ないプレーをしてくれる。そして何よりもスープで麺を茹でる調理法だけあって、アツアツで食べられるのがヒジョーによい。もはやお店で食べるラーメンと比べても遜色なかった。

それでいて、味だけでなく鍋1つでラーメンを作れるところもいいし、箱から中身を出してしまえば冷凍庫の場所を取らないのもよし。さらには無人販売で24時間いつでも買えるのだから控えめにいっても強い即席ラーメンだと言える。これ……きっと流行るぞ!


・醤油ラーメンはどう?

ただ、豚骨ラーメンがウマいだけで流行ったら苦労しないのがこの世の中。醤油ラーメンの方も仕上がっていて、初めて「流行」に繋がるような気もする。ってことで、醤油ラーメンも実食!

中身と作り方は豚骨ラーメンと同じだから割愛するとして、その味はどうだったのかというと……

うむ、十分に合格ラインに達していて普通にウマい。しっかりとした醤油も感じ、どこかホッとする味といえば伝わるだろうか。エッジを効かせるようなことはやっておらず「こういうのでいいんだよ」を表現したかのような一杯だった。

豚骨と醤油、どちらも食べて強く印象に残ったのが湯気が出るほどのアツアツぶりとスープの一口目。直感的に脳がウマいと思ってしまうあたり、かなり研究されていると感じずにはいられなかった。

それにしてもこれが1食約333円……冷凍即席麺に新たな風が吹き込まれているラーメンだけに、これから味噌、さらには背脂なんて味が増えてくれると嬉しい。ぜひとも今後の開発に期待したい。

なお、公式HPを見る限り、日本ラーメン科学研究所は単体の店舗もあるが餃子の雪松に入っているケースが多いもよう。気になる人はぜひ一度試してみてほしい。イイぞ〜、コレ!

参考リンク:日本ラーメン科学研究所
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.
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▼作り方はこんな感じ

▼豚骨ラーメンの詳細

▼醤油ラーメン

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