自粛や在宅が長引いた影響なのだろうか、最近どうにもやる気が出ない。朝はなかなか布団から出られないし、日中は温かい場所で動けずにいる。ジャングルを駆け抜ける野生のトラから、こたつを愛する飼い猫になってしまった気分だ。クソッ、こたつが最高過ぎる……。

しかーし、このままではダメなことも分かっている。こんな時こそ、己と向き合い、己の弱さに打ち勝つ「修行」をすべきなのかもしれない。というわけで、だいぶ唐突ではあるが……滝に打たれることにした。

・龍潜寺の滝行

滝行とは、古来より行われてきた修行の1つ。豪快に滝に打たれることにより、雑念や邪念が消えて心に静寂が訪れるらしい。たしかに、滝に打たれたら邪念を抱く余裕などないだろう。素人考えながら、気合いを注入する最も有効な手段ではなかろうか。よし、やるぞ。

調べてみたところ、福岡県北九州市にある「龍潜寺(りゅうせんじ)」では、毎月滝行会を実施しているという。また、信仰している宗教や宗派は問いません(日蓮宗の法式で修行はおこなわれる)とのことだったので、さっそく申し込んでみた。御志納料は3000円。

龍潜寺の滝行会は、滝に打たれて心身ともに清浄にしてから、日蓮宗の瞑想的修行法である「唱題行(しょうだいぎょう)」を行い、無量の功徳を得る――という流れとなっている。唱題行とは、ひたすら「南無妙法蓮華経」を唱え続ける修行のこと。勉強になります。

・真摯な気持ちで

さて、「お滝場」は厳粛な霊場なので、きちんと仏教に対する敬意を持ち、真摯な気持ちで修行に臨まなければならない。また水温は年間を通して低いため、体調を整えてから参加すべし……などの説明を受けてから、真っ白の「行衣(ぎょうえ)」に着替える。

ちなみに、行衣が「白」である理由は “本来、人間は生まれながらにして何色にも染まっていない” という意味が込められているとかいないとか……とにかく、まっさらな気持ちで修行できそうだ。さあそれでは、住職に正式な作法を伝授してもらい、いざ滝つぼへ

ドドドドドドドドドドドドドド!

南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経!

南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経ッ!

南無妙法蓮華経、南無妙法蓮華経ォォオオーッ!

・生まれ変わりました

ドドドーッと激しく落下する水流に負けぬよう気合いMAXで挑んだからなのか、それほど寒さを感じることはなかった。滝に打たれている間に「南無妙法蓮華経」を唱える……いや、叫ぶことで、しっかり呼吸をすることができたからだろう。

もしくは厳しい環境に挑むことで、人間の馬鹿力の一種が発動したのかもしれない。なんなら夏の方が気温と水温に差があるし冷たく感じるのかも。まあとにかく、生まれ変わったような爽快感、スッキリ感である。最高だった。

滝行を終えた後は、前述のとおり本堂で30分ほど「唱題行」を体験。瞑想により心身の落ち着きとやすらぎを得ることができたぞ……うむ、修行後の充実感は格別である。

そんなわけで、自分に喝を入れたい方は滝行をしてみてはいかがだろうか。いい意味で吹っ切れると思うので、興味がある方は試してみてほしい。あ、もちろん滝ならどこでもOKではなくて、ちゃんと「滝行」できるところで作法を伝授してもらってからね!

・今回ご紹介した施設の詳細データ

名称 龍潜寺
住所 福岡県北九州市八幡東区祇園原町6-21

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.