
ベストなマスクを探す旅は果てしない。色々試してはいるのだが、未だにしっくりくるものと出会えずにいる。手ごろな値段で良さそうなモノはあらかた試しつくして諦めていたが、先日ふと思ったのだ。
お高いマスクならどうなのだろう? ちょうど一つ、試してみたい高額なマスクに心当たりがあった筆者。お値段はなんと税込み7920円。庶民的にはマスクに出すには勇気がいる金額だが、思い切って試してみることに。
・MoMA
購入するのは『Airinum(エリナム)Urban Air Mask 2.0』というマスク。購入場所は、まさかのMoMAデザインストアだ。ニューヨーク近代美術館(MoMA)のグッズショップである。
実はこのマスク、販売されたのはコロナによるマスク需要が凄まじいことになっていた2020年2月ごろ。皆さんご存じの通り、当時はマスクと名の付くあらゆるものの値段が高騰。凄まじい勢いで売り切れまくっていたころである。
他のマスクの例にもれず、この『Airinum(エリナム)Urban Air Mask 2.0』も、その高価格にもかかわらず、販売初日に一瞬で売り切れていた。実はその時、買えたらレビューしようと思ってチェックしていたのでよく覚えている。
それからしばらくたち、マスクの需要と供給は安定。話題性が低下したこともあり興味を失っていた筆者。そこそこな使用感の、安いマスクで妥協するのもいいじゃないかと。ではなぜ今になって試してみることにしたのか……?
つい先日、スーパーコンピューター「富岳」による不織布、布、ウレタン、フェイスシールドの効果を比較した場合の、ウレタンの性能の低さが話題となったことで、所持しているウレタンマスクが使用し辛くなったからだ。
報道によって加速するウレタンマスク排斥運動。ウレタンマスク警察なる者たちが現れたという噂もささやかれている。なんでもウレタンマスクをしている人をサーチアンドデストロイするタイプの人たちらしい。物騒な世の中だ。
前置きが長くなったが、そういう理由で購入に至った『Airinum(エリナム)Urban Air Mask 2.0』。ちなみにMoMA以外でも売られているが、MoMA公式が一番安かった。(2021年1月21日現在)
楽天では送料無料で税込み8650円。AmazonではMサイズがまさかの約1万3千円と謎の高騰ぶり。MoMA公式なら販売元もしっかりしているうえに、送料込みで8580円だった。買ってから知ったが、AIRINUM日本公式ストアもあるもよう。MoMAと同じ値段で買える。
・性能高い
購入から数日で配達完了。外箱はマスクらしからぬ立派なものだ。まるでスマホのパッケージみたいだ。
箱には基本的に英語しか書かれていない。まあスウェーデン製らしいしな。なんとなく裏面を見てみると、なにやら珍しい表記が。
PM0.3
マスクの性能を示す表記で、PM2.5というのは有名だろう。この表記について、花粉をフィルターできるとか、そういう漠然とした理解はかなり一般的だと思う。
このPMとは、Particulate Matterの略。日本語で言うと粒子状物質で、マイクロメートル(μm)単位の微粒子を意味する言葉だ。マスクでお馴染みのPM2.5とは、2.5マイクロメートル以下のものをフィルターできる……ということを意味する。
まあ、実際には顔とマスクの隙間などから余裕で入ってくるため、あくまでマスクの素材のフィルター性能でしかないが。それはともかく、ではPM0.3は? おわかりだろう。0.3マイクロメートル以下の微粒子まで対応できるということだ。N95はよく見るが、PM0.3の表記はレアな気がする。
その隣にKN95という表記もあるが、これは中国国家安全生産監督管理総局が定めたマスクの規格。アメリカ合衆国労働安全衛生研究所が定めるN95と同等の効果が期待できることを、CDCも認めた規格。
少なくともこの『Airinum(エリナム)Urban Air Mask 2.0』に実装されているフィルターの性能は、割とスゴいと言って良いだろう。さすがはお高いだけある。
・高級感
さっそく開封していこう。
スマホかよ! と言いたくなるような外箱を開くと……
WELCOME
(ようこそ)
To the world’s most advanced air mask.
(世界最先端のマスクへ)
強気ィィィイイイイイイイイ! そこはかとなく厨二病っぽさを感じたのは筆者の気のせいだろうか。いや、いいぞ。これくらい自信に満ち溢れていれば、こちらとしても期待できるというもの。
さすがは世界最先端を自称するだけあって、中身は充実している。布で出来たマスクの本体と、装着する交換式のフィルターが2パック。そしてツルツルする素材でできた、ファスナー付きのケースや、ヘッドストラップも付属していた。
マスクを組み立てていこう。布製の丸い穴が2個あいた形状の本体に
いかにもな感じの交換式フィルターを装着。
バルブキャップなどを装着し、10秒くらいで完成。
・圧倒的フィット感
装着してみると、なるほど、さすがは約8000円。さすがは世界最先端。凄いフィットする。所持している「PITTA MASK(ピッタ ・マスク)」と同じくらいフィットする。布とゴツいフィルター製なのに、ウレタンマスクと同等のフィット感すげぇ……ッ!
特に優秀さを感じたのは、あごに当たる部分の形状だ。布自体はほぼ直角に折れるように縫われている。これがめちゃくちゃあごにフィットして、ほどよい密閉感がある。
鼻に当たる部分のクッションも優秀だ。この部分には針金的な物が入っている。自分の鼻の形状に合わせて曲げることで、フィット感を高めることができるのだ。あごの裁断スタイルと鼻のクッションによって、喋ってもズレない。マジで快適。
ただし、息を吸うのに少し力がいる。これは欠点ではなく、マスクの性能を示すものだと思う。パーフェクトに装着したN95マスクほどではないが、普通の不織布マスクや布マスクよりも息苦しさがある。ちなみに空気バルブのおかげで吐くのは楽。
最大にして唯一の問題点は、やはり値段だろう。約8000円……と言いたいところだが、実はもっとかかる。お気づきの方もいるだろう。このマスクのフィルターは、使い切りの交換式なのだ。そして交換用フィルターは3パックで税込み3080円。
公式HPによると、フィルターの機能は約100時間持続するもよう。個人的に、マスクである以上は1日外に出て使用したら交換すべきだと感じる。布のマスク本体も洗った方がいいと思う。が、まあその辺は人それぞれか。
この通り初期費用も維持費(フィルター代)もめちゃくちゃ高コスト。そこが許容できるのであれば『Airinum(エリナム)Urban Air Mask 2.0』は値段に見合った快適なマスクだと思う。マスク用の予算が潤沢で、快適なマスクを追い求めている方、いかがでしょう。超低級庶民な筆者はちょっと維持できないので……まあ、飾っとこうかな。マスク探しの旅は続く。
参照元:MoMAデザインストア、AIRRINUM日本公式ストア、CDC、Huffpost、日刊SPA!、PITTA MASK
Report:江川資具
Photo:RocketNews24.
▼サイズは「PITTA MASK(ピッタ ・マスク)」と同じくらい。どちらもMサイズ。MoMA公式にてサイズのガイド(pdf)も公開されている。
▼鼻の部分のクッションがそれなりにゴツいため、眼鏡が干渉することもあるかもしれない。
江川資具











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