私は今、自分でも引くほどクサい口で呼吸をしながら本記事を書いている。自慢じゃないが、めちゃくちゃクサい。もしいま警察官から職務質問を受けたとしても、その警察官はおそらく数秒で「あ、大丈夫ですよ」と私を解放するだろう。それくらいにクサい。もはや呼吸すること自体が犯罪なレベル。

しかしながら、私は消臭マスクを持っている。これさえ着けておけば、吐き気を催すような私の息でも外部に漏れることはない! ……と信じて、実験してみることにした。

・消臭マスクとは?

「そもそも消臭マスクって何だ?」と思っている人のために簡単に説明しておきたい。私が購入したものは、正式名称『消臭フィットマスク』で、パッケージには「マスク越しの息さわやか」と記載されている。


つまり、マスク内にこもる息を爽やかにして自分をガードするより、マスクの向こうにいる他人をガードすることがメインのよう。素材はポリエステル・ポリウレタンで、「ニオイをしっかり吸着」するらしい。


触ってみるとツルツル系。決して分厚くはない。なお、私はこのマスクをドン・キホーテで発見し、購入価格は税抜798円。3枚入りで、なおかつ洗って使える仕様であることを考えたら、そこまで高くはないだろう。


問題は、どのレベルの息を消臭してくれるかという点。もしかして、死ぬほどクサい息でも大丈夫なのだろうか? ってことが気になった私が買いに走ったのは、ニンニクチューブである。


この時点で、なぜ私の息が殺人的にクサくなったのか多くの方がお察しかと思う。そう、そういうことだ。買ってきたニンニクチューブを……



口の中にチュル〜〜〜〜〜


──とやったのだ。おかげで、私の息は一瞬で激クサに。その匂いが鼻の奥に達すると、鼻の中にキムチでも詰め込まれたような感覚になった。さらに胃から立ち上ってくるニンニク臭が強烈で、これが吐き気を加速。息を吸っても地獄。吐いても地獄。まさに、自分の息で吐き気がする状態。

おかげで、「ニンニクは大好物だから、下手したらチューブ1本丸々行けるのでは?」という目論見は、10センチ程のニンニクを飲み込んだ時点で無理だと悟ることになった。ニンニク臭が暴力的すぎるのである。


そうか。ニンニクチューブを丸呑みすると、こんな感じになるのか。1つ賢くなったぞ。絶対に、もう二度としない! というのは置いておいて、消臭フィットマスクである。これを装着していれば、匂いが漏れることはないはず。そう思い、マスクをしたままブレスチェッカーに息を吹きかけることに。

なお、検証で用いたブレスチェッカーは0〜5までの6段階で匂いを検知し、数字が上がっていくに連れてクサいってことになる。


つまり、数字が「0」であればマスクはほぼ完璧に匂いをガードしているってことであり、「1」であれば “ちょい漏れている” ということ。いまの私の息はどのレベルなのか? ドキドキしながらフ〜〜〜〜〜ッとやると……




2!


なんということだろう。私の息は、消臭マスクのガードをぶち破ってしまったのだ。マスク側からしたら、聞いてないよ的なレベルのクサさだったのだろう。匂いを吸着させる成分がキャパオーバーで、まるでワンオペの牛丼チェーンに団体客が何組も来たときのような状態になったのかもしれない。


・不織布マスクでも試してみた

では、普段使いしている不織布マスクだったらどうなのだろう? その点も確かめるべく、不織布マスクを装着して息を吹きかけてみたら……




1


なぜだ? なぜ不織布マスクの方が数値が低いんだ? ただ単に、不織布マスクのガード力が強いのだろうか? それとも、消臭マスクではニンニクを食った直後に息を吹きかけたから、時間差の関係で高い数値が出たのだろうか?

はっきりしたことはよく分からないが、どちらにせよ私のクサい息がマスク越しに漏れていることは事実。ニンニクチューブを直接食べると消臭マスクでさえガードしきれないことは、覚悟した方が良さそうだ。


・周りの人にもクサさは伝わってる?

それにしても、何より気になるのは「周りにいる人はどう思っていたか」ではないだろうか。口臭チェッカーの数値よりも、人の意見の方が参考になりそう。ということで、今回の検証で撮影をしてくれたディズニーマニア・田代に、消臭マスクをしているときの私の息について意見を聞いてみることにした。

もしかして、私のクサすぎる息はソーシャルディスタンスを飛び越え、そして田代の装着していた不織布マスクをぶち破るほどにキツかったのだろうか? 


──田代さん、これだけ距離(2メートルほど)があっても僕の息って匂います?


田代「ちょっと待ってくださいね」



(クンクン)

田代「自分はマスクしてますし、ソースシャルディスタンスも取ってるんで、そこまでではないです」


──じゃあ匂いはしないですかね?


田代「まぁ、そうですね……。しないかと言われたら、そう……ですね。ハハハハハハハ


──ハハハハハハ(笑っている自分の息、死ぬほどクセェエエエエエエ!)


(終わり)

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.