歴史的な建築物がある集落や町並みを観光資源としている地域では、コンビニやスーパーなどの建物が、街の雰囲気にふさわしい姿にデザインされている。つまりカメレオンのように、周囲の景色に違和感なく溶け込むよう工夫されているわけだ。

そんで先日、島根県の世界遺産である「石見銀山」の大森エリア、いわゆる江戸時代の代官所や武家屋敷が並んでいる地域で、すんごい自動販売機を発見したので報告したい。景色に溶け込もうと努力して、逆に死ぬほど目立ってしまうとは……もちろん良い意味でね。

・木枠で囲まれた自販機

噂の自販機が設置してある大森地区は、石見銀山から続く谷間に位置し、かつて銀山と共に繁栄した鉱山町である。江戸時代の面影が残るレトロな町並みが人気で、昭和62年には国の重要伝統的建造物群保存地区にも指定されたらしい。たしかに、江戸の雰囲気が漂っている。

そんな和の風情が漂う大森地区の南側、「たまる屋」の前で見つけたのが……江戸時代オーラMAXの自動販売機。精巧に作られた木枠で囲われているため、もしチョンマゲ姿の大名がコーラを買っていたとしても違和感はゼロ。マジで見事としか言いようがない。

ただまあ、冒頭でも述べたが、木枠のデザインが凝っていてあまりにも美しいために、歴史ある町並みでひときわ目立っているのだ。ぶらぶら歩いている観光客が全員足をとめて記念撮影を始めるレベル。大森エリアを代表する観光スポットと化していたぞ。

・手作りのクールジャパン自販機

ちなみに木枠は、石見銀山が世界遺産に登録される前に手作りされたものらしい。町の景観を美しく演出するための素晴らしい取り組みだ。きっと外国人観光客もクールジャパンな自販機を見たら喜ぶだろう。マジでイケてるよな。

もちろん江戸らしい自販機だけでなく、ノスタルジックな街道沿いには古民家風のカフェや雑貨屋なども並んでいて「まち歩き」を楽しむことができる。また、古き良き日本の原風景を感じさせる山や川の景観も同エリアの魅力であった。

──というわけで、観光客で賑わうにはもう少し時間がかかりそうだが、日本の伝統が息づく世界遺産の町と、情緒あふれる優雅な自販機は、ぜひセットで覚えておいていただきたい。江戸の雰囲気が漂う自販機、ギャップが最高ですよね。

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.