コロナ自粛中に、気晴らしで作ってみたそうです。といっても、機械学習を用いてニューラルネットワークを構築。それぞれの皇帝ご本人が活躍したころに作られたものも含むコインや彫刻などの美術品をAIに分析させ、古代の文献から最近の研究論文の内容なども反映させるという手の凝りよう。
それなりに歴史資料集や美術館などで胸像などを見たことはありましたが、やっぱりカラーになって髪や目、肌がリアルになると印象が違いますね。アウグストゥスがダニエル・クレイグにしか見えない。
・ガチクオリティ
今回ローマ皇帝たちを現代に蘇らせたのは、カナダの映画監督にしてVRアーティストのDan Voshartさん。3Dで復元された54名のローマ皇帝の顔は、彼のHPにて見ることができます。
また、TwitterやInstagramでは、参照した彫刻や絵画と復元した3Dの顔を並べた様子などを投稿しています。
今のところ復元されているのは、初代皇帝のアウグストゥスから、283年から在位したカリヌスとヌメリアヌスの兄弟まで。恐るべきは、髪や目の色、肌など、なぜその色や外見なのかについて参照した文献へのリンクも細かくまとめられている点。
中には特徴を伝える文献が見つからなかったものもあるようですが、可能な限り真に迫ろうという気概を感じます。こうして見ると、歴史や創作で伝えられている話が妙に納得できる感じの顔の方もちらほら。性格は顔に出るというやつでしょうか。
・ローマファン必見
個人的にはネロがいかにもな顔をしているのがツボですね。偏見ですが、映画で出てきたら絶対にやらかす系のキャラに見えます。対して、往々にして狂気のイメージと共に語られがちなカリギュラは、そんなに酷そうには見えない気がします。そういえば即位からしばらくは穏健だったという話でしたか。
また、誰もかれも「~トゥス」や「~ヌス」なため、似ていて微妙に覚えにくい感のある名前ですが、顔と関連づけると覚えやすくなる気もします。何らかの事情で早急に歴代ローマ皇帝を暗記しないといけない人にとっては助かるかもしれません。
英語ではあるものの、より詳しく見てみたい方はDanさんのHPにて各皇帝をチェックしてみるのがお勧めです。ユリウス・クラウディウス朝、四皇帝の年とフラウィウス朝、ネルウァ=アントニヌス朝からセウェルス朝、そして三世紀の危機までが、4ページに分かれて投稿されています。ローマの民は必見の内容。
参照元:Voshart.com、Twitter @dvoshart、Instagram @dvoshart、@danielcraig.official
執筆:江川資具
Photo:Wikimedia Commons
▼ダニエル・クレイグ
https://instagram.com/p/CAr-wZ7DH4V/