なんか知らんけどギターウマイ。バンドマンである私(中澤)は、楽器の試奏動画を見ていると楽器以上にプレイが気になることがたまにある。もちろん、いまいちな人も結構いるんだけど、聴いているだけで心地よくなってくるほど謎の凄腕もいるのだ。

玉石混交の試奏動画界隈。マニアになるとやはりお気に入りの試奏ミュージシャンとかいるのだろうか? 気になったため、試奏動画マニアに聞いてみることにした

・試奏動画マニア

話を伺ったのは、暇さえあればギターの試奏動画を見ている30代会社員・新垣見造(あらがきみるぞう・仮名)さんだ。楽器好きが高じて試奏動画ばかり見るようになった新垣さん。購入するほどのお金はないため、ウィンドウショッピングしているような感じなのだとか。

そんな新垣さんに前述の質問をぶつけてみた。マニアとは言え、試奏動画のメインは言うまでもなく楽器。心当たりがないのが普通という気持ちで聞いたのだが、新垣さんの答えは……


新垣見造「実は1人だけいるんですよね」


──いたァァァアアアア!!!


その人物の名前はR.J.Ronquillo。いや、マジで誰やねん。ググっても日本語のサイトは見当たらない。オススメの動画を聞いてみたところ、ギルドのギター『X-175Bマンハッタン』の試奏動画を薦められた。

・試奏の達人

再生してみると、ズ太い音のロカビリーサウンドが流れ出す。低音弦で単音を弾いても、高音弦でコードを弾いても響きが豊潤で心地いい。思わずノッてしまうようなナイスギターサウンドである。新垣さんによると、「ウマイ人はいっぱいいるけど、ギターの魅力を引き出している感じがして好き」とのこと。


新垣見造「あまり歪んでおらず、ギター本来の音が分かりやすいところもポイントが高い。それでいて、箱モノではロカビリーっぽい演奏をしたりツボを押さえたプレイも心得ているところが良いですね。この人のプレイを見ると、ギターが欲しくなります


──メーカー側からしたら最高のプレイヤーと言えそうだ。ちなみに、新垣さんは実際、この人の試奏動画を見て、楽器屋に弾きに行ったことがあるというが……


新垣見造「僕ではあの音は出ませんでした。やっぱり腕前が1番大きいですね……(泣)」


──とのこと。う~む、そういう落とし穴があったか。


というわけで、ギターの魅力を引き出すプレイにかけては天下一品なR.J.Ronquilloさん。試奏動画のコメント欄でも腕前を褒める声が目立つ。

・ナッシュビルのプロギタリスト

そんなR.J.Ronquilloさんには、自身のYouTubeチャンネルも存在するのだが、概要欄によると、アメリカテネシー州ナッシュビルのプロミュージシャンらしい。

ナッシュビルと言えば、ナッシュビルサウンド。カントリーミュージックの聖地であることを考えると、箱モノギターを鳴らすのがウマイのも納得である

音楽業界は実力があれば売れるという世界でもない。楽器の試奏動画には、ひょっとしたらそんな知られざる凄腕たちがうごめいているのかもしれない。

参照元:YouTube「R.J.Ronquillo
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.

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