今週末の東京競馬場では3歳ベストマイラーを決定するNHKマイルカップが開催される。クラシック組とトライアル組が入り混じり、牝馬の参戦も多いことなどから何かと力関係の比較が難しい。

人気を集めそうなのは昨年の2歳女王に輝いたレシステンシアだが、「初モノ尽くし」ともいえる状況を不安視する声も……。果たしてレシステンシアは危険な人気馬なのか。それとも信頼できる馬なのか。多角的に検証してみたいと思います!

・不安要素ばかりに思えるが……

日曜東京のメインは芝1600mで行われるNHKマイルカップ。桜花賞や皐月賞の内容を踏まえて当レースに照準を絞ってくる馬、ここからG1戦線に本格的に参戦する馬、ダービーやオークスまで見据える馬と様々な思惑が交錯する。

さて、今年のメンバーで実績最上位といえるのが唯一のG1馬・③レシステンシアだ。昨年の阪神JFをレコードタイムで圧勝し、前走の桜花賞でも負けて強しの2着。迷わず本命にしても良さそうなものだが、不安要素もささやかれている。

その理由は初めてとなる条件が重なっているから。まずデビューから京都と阪神しか使っておらず、関東圏への輸送は今回が初めてとなる。また左回りコースも初めて。さらに牡馬を交えての競馬も経験したことがない。

これだけ初モノ尽くしともいえる条件が揃っていれば、一見すると「人気で飛ぶ馬」の典型のようにも思える。しかしレース傾向を掘っていくと、買えるデータも色々と出てくる。

1つめは実績最上位の逃げ馬であること。2012年のカレンブラックヒル、2014年のミッキーアイル、2016年のメジャーエンブレムと近10年のNHKマイルカップにおいて「1番人気で逃げた馬」の勝利が3回も記録されている。人気薄の逃げは決まりづらいが、能力上位の逃げ馬は押し切るケースが多い。

2つめは血統。③レシステンシアの父はダイワメジャーだが、ダイワメジャー産駒は近10年で3勝を挙げている。これはディープインパクトとクロフネの2勝を上回り最多。

そして3つめは高速馬場への適性。近年、春の東京開催では非常に速いタイムが出ることが多い。今年も例外ではなく、先週の青葉賞はレースレコードで決着。土曜6レースのマイル戦では1勝クラスにも関わらず1分32秒1という勝ち時計が記録されている。高速決着への対応力は必須といえる。

前述のとおり③レシステンシアは阪神JFをレコード勝ち。タイムは1分32秒7だったが、今回のメンバーで芝マイル戦を1分32秒台で走破したことのある馬は他に1頭もいない。このあたりのスピードの違いも強みになると思われる。

以上のようにプラス要素とマイナス要素が混在する③レシステンシア。あとは皆さんの考え方次第といったところだが、筆者は最終的に「買い」だと判断した。内枠をゲットしたこと、ルメール騎手の起用も補強材料。地力の違いで押し切るとみた。

馬券は馬単で勝負。③レシステンシアを軸(1着固定)にして、相手に⑥⑫⑭⑰⑱。穴で面白いのは⑫ボンオムトゥック。父クロフネ × 母父ダイワメジャーと当レースに強い種牡馬同士の配合。これが来たら配当にも期待できそうです!


昨年の覇者・アドマイヤマーズは12月に香港マイルを勝利するなど大きく羽ばたいた。マイルから中距離のレースが重視される現在の競馬界において、NHKマイルカップはダービーやオークスにも負けない重要なレースといっても過言ではないだろう。スター誕生の瞬間を見逃すな!

参照元:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.