今年もクラシックの季節がやってきた。今週末の阪神競馬場では牝馬クラシックの第1戦、桜花賞が行われる。引き続き無観客での開催となるが、才能豊かな18頭の乙女が集い好レースとなりそうだ。

阪神JF上位組が貫禄を見せるのか。それとも他馬の逆襲があるのか。過去のレース傾向や調整過程から筆者が本命に選んだのは、世代屈指の素質馬・リアアメリア。もう一度この馬を信じてみたいと思います──。

・前半のペースが重要

日曜阪神のメインは、芝1600m(外回り)で行われる桜花賞。ここからオークス、秋華賞へと同世代の牝馬による戦いは続いていく。まず最初の一冠を手にするのは、果たしてどの馬だろうか。

外回りコースで行われるため追込優位のイメージもある桜花賞だが、実際にはペース次第で傾向は大きく変わる。前半4ハロンが47秒を切るペースで流れると先行馬には苦しい展開となる一方、スローで推移した2010年や2015年は前の馬も踏ん張っている。

では今年はどうか。先行色の強い馬が外枠に多く、おそらく逃げたいであろうレシステンシアは8枠17番に入った。ポジション争いを伴いながら3コーナーまでは早い流れで進むのではないだろうか。したがって差し馬にも出番ありと見た。

ただし阪神JFを見ても分かるように、レシステンシア自身はハイペースで逃げて持ち味が出る側面もある。同レースでマークした1分32秒7という時計は桜花賞レコードとも同タイム。差し馬に注意を払いつつ、とりあえずレシステンシアも押さえておいた方が良さそうだ。

・今度こそ豪脚を

さて、筆者の本命は決め手の鋭さが光る⑧リアアメリア。1番人気で臨んだ阪神JFでは6着と敗退したものの、早くから世代屈指の能力と評価されていた馬。ここで狙う。

阪神JFでは人気を裏切る形となったが、初めての多頭数、経験したことのないラップ、大外枠と難しい条件が重なったのではないかと思う。リアアメリアに先着した5頭のうち、クラヴァシュドール以外は多頭数のレースを経験済みだった。キャリアの差が出たのかもしれない。

元々のポテンシャルは一級品。新馬戦では馬なりで8馬身の着差を付け、アルテミスステークスでは道中の折り合いを欠きながら直線一気の差し切りを決めた。前走の着順が嫌われて人気を落とすようなら、狙ってみる価値はあるはずだ。

中内田厩舎 × ディープ産駒の素質馬 × 川田騎手という組み合わせで思い出すのは1年先輩のダノンファンタジー。この馬は阪神JFを勝利して2歳女王に輝くと、年明けのチューリップ賞も快勝。そして本番の桜花賞では1番人気に推されて馬券圏外に消えた。

それとは対照的に、⑧リアアメリアはトライアルを使わず桜花賞に直行。昨年のグランアレグリアやサートゥルナーリアのように、2歳G1から直接クラシックに向かうローテはトレンドにもなりつつある。臨戦過程の面から見ても、直感的に今回が買いどきのように思えるのだ。

したがって筆者は⑧リアアメリアの復活を支持。馬券は⑧リアアメリアを軸(1着固定)にして馬単で勝負してみたいと思います。相手に④⑤⑪⑬⑰。


桜の季節に行われるレースということで、G1の中でも特に華やかな印象のある桜花賞。無観客での開催は寂しい限りだが、今が盛りと咲き誇る牝馬たちの姿を楽しみにしながらレース当日を待ちたい。

参照元:JRA公式サイト
予想・執筆:グレート室町
Photo:RocketNews24.