サイバーエージェントグループがまたマッチングアプリをリリースしていたようだ。同社の「タップル」を既に使っているし満腹かなぁ……なんて思いつつも興味本位でのぞいてみたところ、今回のアプリは通話から始まるらしい。

ネット弁慶な私(hirazi)にはハードルが高いような気もするが、家から外出しない日々が続いているので、誰かと喋りたい欲求を持て余していたところだ。女性との楽しい会話を求めて登録してみることに。婚活中の立場としては、あわよくば未来の奥様との出会いがあるかもしれないと期待している。

・無料で話せる

そのマッチングアプリは、2020年2月13日にApp Storeでリリースされたkoely(コエリー)。冒頭でもお伝えしたとおり、いきなり通話から始まるアプリである。仲良くなったら通話ができるのではなくて、見ず知らずの異性といきなり通話をするのだ。話をしてみて、気になった相手がいればメッセージで親交を深めていく流れになる。

通話機能がある分、料金が高いんじゃないかと思うところだが、太っ腹なことに無料会員でも通話まではできる模様。無料とは言っても、通話をするためには専用のチケットが必要な点は気をつけていただきたい。チケットを1枚消費することで3分間まで通話ができるのだが、インストール時に貰えるので活用していくことに。

ちなみに、通話後にメッセージのやり取りをしたい場合には、月額で税込4100円(1カ月プランの場合)の有料会員登録が必要になるが、マッチングアプリ界隈では平均的な料金である。まずは試しに通話をしてみて、気になる女性とマッチングしたら課金するのが正解だろう。


・プロフィールの登録から

さっそく登録を進めていこう。

基本情報は、プロフィール写真、自己紹介、居住地、職種など、他のマッチングアプリとあまり変わらないが、通話ならではの設定項目が見受けられる。それはタグと呼ばれるもので、自分の喋りに対するステータスを数あるタグの中から3個選んで設定できるのだ。

私が選んだタグは「#聞き上手」「#おっとりしゃべる派」「#質問に答えます」である。他力本願すぎる自分自身を見つめ直したくもなりつつも、こいつで勝負をしていこう。パリピ向けの項目なのか「#モノマネできます」なんて爆死コースまっしぐらなタグも見受けられたぞ。

さて、プロフィール登録を終わらせたとろで、通話まではもうすぐだ。発信する前に、もうひと作業。今の気分や話したいことなどスライダーで設定していく。

どうやら、ここで設定した内容が会話の道標になりそうだ。お世辞にも喋り上手とは言えない私は「仕事のグチなんでも」「おセンチタイム」「聞き役の気分」あたりを設定しておくのが無難だろうか。


・いざ通話

設定も終わったし、女の子とウホウホ会話しちゃうぞ! たぎる指先で、GOのボタンをタ~ップ!


っていきなりカウントダウン始まったよ!


「GO」のボタンをタップすると画面上に異性が1人表示されるのだが、8秒後に自動発信されるらしい。ちょ、ちょっと待って、まだ心の準備が……この強引さ、やたらキューピットになりたがるお節介な友人を思い出すじゃねぇ~か! 俺にもタイプがある。選ばせろやぁァァァ!!


とツッコミたくなったが、表示された相手はショートカットでお茶目な雰囲気を醸し出している韓流風の美女だった。しかも23歳。

お、おい、最高かよ。でも、ちょっとまって……ほんとに30歳を過ぎたオッサンでいいの!? とドギマギしているうちに、カウントダウンが終了して発信されていた。


koely「発信してるよ~」





ふーーーー

この緊張感がたまらない。スマホを握る手にも力が入るってもんだ。






どうやら、必ずしも繋がる訳ではないようだ。


オンライン同士のはずなんだけど、顔面が気に入らなかったのかな? 10歳も年上のオッサンだからかな? と理由を勘ぐってみたが、着信を受ける立場になって考えると、見ず知らずの男性からの電話に応答するのはハードルが高いようにも思える。心の準備もできないからな。そう自分に言い聞かせることにした。

気を取り直して次へ……と思う前にすでにカウントダウンが始まっていた。埼玉在住の私に表示された次なる相手は……


香川県ーーーーーーっ!

近郊の女性が表示される訳ではないらしい。推定700キロの遠距離カップル爆誕なるか!? 


koely「発信してるよ~」





あっ、繋がったし。


筆者「はじめまして!」

相手「はじめまして〜」

筆者「いきなり繋がってあせってます(オドオド)どんな目的で利用してるんですか?」

相手「退屈だし寂しいので、誰かと喋りたいなぁと思って」


──やはり自粛中で退屈しているようだ。会話の内容を書くと長くなるので省略するが、仕事の話、自粛中の過ごし方、カステラを通販で頼んだ話など、まとまりのない会話をしているうちに、3分間のタイムリミットで通話が切れてしまった。なんの前触れもなくいきなり切れるのね……。


・マッチング成立

通話が終わると、その時の感想をテンプレートから選ばないといけない。お互いの選んだ内容が表示されたのち、メッセージでのやりとりが可能になる。ちなみに、ブロックをするという選択肢もあるため、天国から地獄パターンも想定に入れておいた方が良さそうだ。

なお、香川女子との結果はというと、お互いに 社交辞令感の否めない「楽しかった」が選ばれていた。いや、まぁ実際に盛り上がったのだが、文字って難しいね。

とりあえずは遠距離カップル予備軍が誕生したものの、私の経験則からして進展はないだろう……。ぶっちゃけ700キロはキツイ。楽しく会話すことも目的の一つだが、アワヨクバを追い求めちゃうのが男ってもんだ。

次からは近郊の相手を狙っていこう……。ここまで流されるままに発信してしまっていたのだが、カウントダウン中であれば次の相手にスキップできるようだ。システムにも慣れてきたところで、ここからが本番である。


・とにかく掛けまくれ

その後、約2時間ほど一心不乱に発信しまくった。なかなか繋がらずにメンタルブレイクしそうになりつつも発信しまくった。

その結果、都内を中心に5人と通話をすることができたぞ。体感的には6~7回発信して1人と通話ができるくらいの感覚だろうか。時間帯やプロフィールによっても変わると思うので参考までに。

なお、この数字に対して正直な感想を言うなれば、わりと満足である。通話という性質上、そこまでマッチングすると思っていなかったし、こんなもんでしょ。気になった点があるとすれば、リリースしたばかりでユーザーが少ないのか、通話可能なオンラインの相手が すぐにいなくなってしまうところだ……これからに期待。


・頑張って話そう

今回は自粛中の話し相手を見つけるためにkoelyを利用してみたが、考えてもみればマッチングアプリという弱肉強食の舞台における、見ず知らずの女性たちだ。「楽しく話す」と言うよりも「頑張って話す」感じになっていた。

で、頑張った成果として彼女ができそうかと聞かれたら、こう答えるだろう。まだ分からない、と。とりあえず、マッチングした女性とは、今の事態が収束してから飲みに行く約束をしていることはお伝えしておきたい。さて、今日も頑張って通話すっか。

参考リンク:koely
ScreenShot:koely(ios)
Report:hirazi(ひらじ)