結論を最初に言ってしまうと、メチャクチャ上品な抹茶ラテであった。濃さMAXにしても揺るがぬ品(ひん)。抹茶の風味が強くなるだけで、苦味はない。飲みにくくもない。その味を自分の舌で確認したとき、私は自分が恥ずかしくなった。

濃さをMAXにしたら、「これほぼ抹茶やないか! 濃すぎ〜!」となるのではないかと想像していたからだ。だが実際はそうはならなかった。抹茶の主張は強いものの、牛乳とのバランスが完璧。結果として、ひと口飲むごとに自分の世界の狭さを思い知らされたのである。


・自分が知っている世界

自分の知っている世界といえば、たとえば蒙古タンメン中本。あるいはCoCo壱番屋(ココイチ)。そう、私は蒙古タンメン中本で北極ラーメンを注文するような気持ちで、あるいはココイチカレーの辛さをMAXにするような気持ちで、抹茶ラテの抹茶濃度をMAX(4段階の1番上)にしてしまったように思う。

つまり、好きな人は大好きだけど普通の人は “おうっ” となる濃さをイメージしていた。早い話が、私は日本茶の専門カフェというものを全く知らなかったのだ。だから、「濃さをMAXにしても、普通の人でも楽しめる範囲に仕上げてくる」という発想が欠けていたのだろう。


ちなみに「普通の人でも楽しめる」と言っても、その専門店(チャヤ 1899 東京)の抹茶ラテが甘いわけではない。むしろ、甘さはほぼない。なので、私が以前から知っているスタバの抹茶ティーラテや抹茶フラペチーノとは全く別の飲み物だ。

専門店の方はただただ濃厚で、媚(こび)がない。抹茶の主張は強いものの、私のような素人でも美味しく飲める味。バランスが絶妙……ってことなのだろう。


また、お店の雰囲気もスタバよりひと回り上品。難点があるとすれば、アクセスがちょっと悪いところか。都営三田線の御成門駅から徒歩約6分、新橋駅から徒歩約10分だから、面倒だと思う人だって多いかもしれない。しかし一方で、「やや不便なところも、他とは違う感じがしていい」と思う人だっているはず。

私としてはどちらの気持ちも分かるのだが……やはり家の近くにあったら最高だ。とにかく、他にも店舗ができることを期待して待ちたい。

・今回ご紹介した飲食店の詳細データ

店名 CHAYA 1899 TOKYO (チャヤ 1899 東京)
住所 東京都港区新橋6-4-1(ホテル 1899 東京 1F)
時間 11:30~21:30(L.O.20:30)
休日 日曜日

Report:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼その日本茶専門カフェ「チャヤ 1899 東京」

▼抹茶ラテの濃さを4段階から選べる。なお、お店では “濃茶ラテ” と呼ばれる

▼濃さをMAXにしたものがこちら。価格は700円

▼見た目も美しい

▼ここから作るのが専門店っぽい

▼パンやケーキなどのフードメニューも。これは「抹茶パン いちごみるく」で1つ430円。

▼抹茶(濃茶)ラテが甘くないから、甘いものを合わせやすい

▼店内も上品。

日本、〒105-0004 東京都港区新橋6丁目4−1