もう絶滅したであろうと思われていた「LINE乗っ取り」だが、なんと令和になった今もなお、「近くのコンビニでWebマネーのカードを何枚か買ってきて欲しい」的な、昔ながらの方法で犯行を重ねているようだ。

というのもつい先日、海外に住む私の友人から、Facebookのメッセンジャー経由で「LINEを乗っ取られた!」とのSOSが舞い込んできたのである。現在進行系なので、「こらしめてくれ!」と。

話を聞けば、すでに何名かの友人がLINE乗っ取りだとは気づかずに、Webマネーを購入&教えてしまったとのこと。それはイカン。こらしめられるかどうかは未知数だが、とりあえず乗っ取り犯との接触を試みた。

まずは「hi」と英語で挨拶してみたが、反応なし。続いては「○○サーン」と、知人の名前を呼びかけつつ、「いまどこ?」と探りを入れてみた。すると、ダダダッと「既読」がついた。相手は、いる。読んでいる。


さて、どうしよう。


引っ張るか?


──と、ここで、私はある意味、賭けに出た。昔のように、静かな攻防から……が通用しなくなっているのが昨今の短気なスパム(詐欺師)である。これまで何度も何度も「静かな出だし」で失敗してきた。なので、今回は……


いきなり飛び出すことにした。


しかし、それと同時に……


これである。顔を見ただけでファッ●ユーって……。なんという機嫌の悪さ。なんという凶暴性。どんな人生を送ったらそんなにキレやすくなるのか。非行に走りそうで心配だ。

ともあれ、これ以後、二度と「既読」が付くことはなかったのであった。


・「なりすまし」のレベルが格段に進化

ちなみに今回のLINE乗っ取りによる被害者は2名。乗っ取りのニセモノだとは気づかず、5万円のWebマネーを買って送ってしまったらしい。しかし、ここで「いまだに騙されるって(笑)」と思ってはいけない。

なぜならば、さらに詳しく事情を聞いてみると、昔のLINE乗っ取り」とは違う点が、いくつか浮かび上がってきたからである。やってることは同じだが、「なりすまし」のレベルが格段に進化しているのだ。


・日本語が上達

まず第一の進化は、日本語が相当に上達しているということ。今回、被害にあった人たちが撮ってくれた数枚のスクリーンショットを見せてもらったが、かなり自然な「日本語の会話」になっていた。私が昔バトルした時のような「ちぐはぐな会話」にはなっていなかったのだ。


・過去のLINEを読んでいる

最も恐ろしいのはコレ。おそらくだが、乗っ取り犯は、LINEを乗っ取ってから数十分の間に、過去のLINEを読みまくって、その人の状況を理解しているようなのだ。事実、今回のケースでも、私の知人が海外に住んでいることはもちろん、知人が務める会社の名前も熟知していた。


──細かい変化は他にもあるが、大きく言えば上記の2点。オマケで1つ付け加えるとすれば「カモにならないとわかった瞬間にキレてくる」もか。


いずれにしても、絶対に忘れてはならないのは、「LINE乗っ取り」は決して過去のものではなく、今なお進化しながら生き続けているということ。また、昔よりも注意しなければならないということ。時代と共にAIが進化して人間に近づいていくのと同じく、LINEの乗っ取り犯のスキルもまた進化し、“その人に近づいていく” のかもしれないのだから。


Report:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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