先日、Twitterであるユーザーが「名古屋市の市バスで “双子ベビーカー” での乗車を拒否された」と投稿し話題となり、ネット上で議論が巻き起こっている。

双子を連れての外出時にサポートしてくれる人がいればいいが、そうはいかないのが現実だ。そこでワンオペで最適な『双子移動術』について、双子ママとしての経験から考えてみた。

・ワンオペ移動での双子移動術4選

私・沢井メグには2018年生まれの二卵性男児、そして2才上の女の子がいる。親の援軍なし、夫の帰りもそう早くはないので、日中の移動は基本1人で行っている状態だ。今日はどの移動方法でいこうか、外出前には必ず考える項目である。

1.双子用ベビーカー(横型)

機動力:1★☆☆
腰への負担:1★☆☆
双子感:3★★★


まさに「ザ・双子」なベビーカー。2人並んだ姿は超絶キュートで、行く先々で声をかけられる。ベビーカーだけで10数キロあるので、持ち運びは1人用より大変だが、いざ子供たちを乗せてしますとスイスイ~ッ! 腰への負担がほぼなくラクラクに移動できる。

ただし、横幅があるので使える場所は限られてくる。たとえばイオンなど広いスーパーなら問題ないが、ローカル系スーパーだと通れない通路もある。事前にお出かけ先の通路やエレベーターの幅などをチェックしておく必要があるだろう。

2.1人用ベビーカー&おんぶ or 抱っこ

機動力:2★★☆
腰への負担:2★★☆
双子感:なし

1人をおんぶor抱っこと体に密着させるので、1人用ベビーカーが通れる場所ならどこでも使用可能だ。バスや電車に乗る際も、一般的なベビーカーや抱っこひもでの乗車と同じように注意すれば問題はなさそうだ。

3.前後で抱っこおんぶ(1人用抱っこひもを2本使用)

機動力:3★★★
腰への負担:3★★★
双子感:1★☆☆

2人を体に密着させるため、機動力は最高! さらに両手がフリーになるため、荷物を持ったり、上の子の手を引くことも可能だ。

私は、低月齢時は、前「エルゴ」、後ろは「コンビ セオッテ」を利用。セオッテは赤ちゃんをセットして、リュックサックのように装着できるため、腰すわり前のくにゃくにゃした体でも安定しておんぶできたので重宝した。電車やバスも乗りやすいが、後ろの子の様子が見えないので混雑車輌は絶対に避けたい。

最も手軽で便利な移動方法ではあるが、子供の体重が増えるにつれ腰への負担が増してくるので無理は禁物である。

4.双子用抱っこひも

機動力:3★★★
腰への負担:3★★★
双子感:3★★★

双子に特化した抱っこひも。1人用の抱っこひも2本づかいよりゴワつかず、荷物も減って良いのだが、エルゴなどと比べて腰への負担がハンパなかった。便利だと思って購入したものの、使うと妊娠中からの腰痛が悪化して断念。完全に夫専用となったのだった。なお見た目のインパクトは最強だ。

──以上である。

ここで「縦型ベビーカーは?」と思われた方もいるだろう。縦型の多くはどちらかの座席が「おすわりできるようになってから」というものが多く、おすわりが遅かった我が家の双子はなかなか使う機会に恵まれず、今にいたっている。いつか試してみたい!

さて、私が実際に試した移動術はどれも一長一短で、一概に「これが一番いい!」とは言えない。ただ身体への負担や、荷物が多いときのワンオペ移動では双子用ベビーカーが最適ではある。

我が家の場合、さらに上に3才児がいるので双子ベビーカーに2人、さらに1人をおんぶするというフォーメーションチェンジも可能だ。ただ、通れない場所、使えない場所が多いのがネックなんだよなぁ……。

バスの双子ベビーカー乗車拒否であがった「たたんで乗車」なんてことも1人では無理だ。10数キロのものをたたんで持ち込むだけでも大変なのに、それより何より、たたんでいる間、子供どこに置いとくねん!? 無理無理!

・少しの想像力で優しい社会になるはず

自分も双子を産むまでは全く気づかなかったが、バリアフリーが進んでいると言いながら、まだまだ小さな不便がある。双子用ベビーカーだけでなく、車椅子やその介助の方も大変な思いをしていたんだな……当事者になるまで想像力が欠けていた自分が恥ずかしいくらいだ。

双子ベビーカー乗車拒否の件は、ネット上ではちょっと悲しくなるような批判の声もあるものの、これを機に多胎育児への理解が深まればよいと思う。人は自分の経験でしかものをはかれないものではあるが、そこに少しの想像力が加われば、少しは優しい社会になるのではないだろうか。

Report、イラスト:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.

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